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3年ぶりのクアラルンプール Day5

2023/11/XX(Day5)

ぶらぶらするか

気分よく目覚めた。夜中にチャイムを鳴らす無礼者も登場しなかったし、空調はいつも快適だし、ベッドも枕もちょうどよい。このホテルやっぱりいいな。シャワーブースの排水からコバエが出てきてるのは見ないふりだ。

昨日はなにもしなかったので、今日は少し街歩きでもするか。
朝食に麺でも食べに行こう。

変わらない景色 室外機の多さよ

方向音痴なので知っている道を歩くようにしている。昼間はまあまあ冒険できるが、知らない場所で急に剣呑な空気を感じたらアウトなので空気の変わり目というかヤバい雰囲気を早めに察知するように心がけている。なんというか、急にヤバい日の福富町みたいな空間が目の前に現れることがあって、これが夜だとだいぶ怖い。若いころはまだ頑張れたが、もう無理だ。
ここは危ない場所ではないが、壊しかけの建物が何年も放置されているのはなかなか趣深い。やっぱり夜は近寄りたくないな。

もう5年はこんな状態じゃないか 最初は建ててる途中かと思った

Jaran alorの朝の姿は結構好きだ。以前はビールを飲みたくてここに来ていたこともあったが、最近はめっきり来なくなった。朝食にお粥を求めてくるくらいだったか。それもカヤトーストを主食にしてからはなくなった。
もしおいしそうなお店があったら、夜に来てみるのもいいと思いながらぶらぶらする。

東南アジアってこうだよね、な写真になった

記憶の場所にその麵屋はあった。正確には突然目の前に現れて思い出したのだが。道路工事に気を取られていて気づけなかった。
控えめに言っても最高の麵屋だ。

甘い中華懐メロが流れていた

わたしは5代遡っても日本人なのだが、清朝末期から大東亜戦争後までの大陸文化に触れると心の深い部分が刺激され記憶のフタがぐらぐらしてなにか出てきそうになる。幼稚園に入る前くらいまでは誰も教えていない戦中の日中の歌が歌えたり、弾けたりした。幼いころ、大陸のある建物の映像を見て「ああ、ここはわたしのおうちだ」と思ったことは覚えている。そのほかにも謎エピソードは結構ある。大人になり、いい感じに心が汚れてしまったのでそういうことはなくなったが、心の深い部分でなにか感じることはまだある。
で、この店では夜来香を口ずさんで麺を待った。

最高の朝食(麺バージョン)

近所のオッサンたちやお店の家族たちが思い思いに過ごす熱い空気のなか、大主人と思われるおじいさんが扇風機の前に座らせてくれたおかげでゆったりと贅沢な時間を過ごせた。毎日通って、挨拶だけでコーヒーと麺が出てくるくらいになりたい。あと、若主人なのか麺を作ってくれる人が若かりし日の中川家の礼二に似ていて眼福(好みなのだ)。

気分がよいのでこのままぶらぶら歩いてどこかに行こうか。

もはや営業しているかも不明なホテル

テナントの空室が多いように見えるのがどうしても気になってしまう。こちらでは原状回復という習慣はないらしいので営業しているようでしていないというお店も多く、これらの小さめビルのオーナーの収支はどうなっているのか知りたくてたまらない。税制とも関係あるんだろうな、もうちょっと勉強してみるか。

小さめ美術館

クアラルンプールの美術館といえばイスラム美術館とKL City Galleryが有名だが、どちらも今回はそれほど行きたいと思わなかった。博物館系もいろいろ行ったけどしばらくいいかな。徒歩圏内に小さな現代美術館があるらしいと知り、行ってみた。歩いて行けるってけっこう貴重だ。

オンライン予約&決済が必須だ 現代的

どこかで見たような作風のDr.Mが迎えてくれたのもよかったが、全体的に好きな作品が多かった。時間帯がよかったのか人もほとんどおらず、ゆっくり鑑賞できた。建築家だったかのコレクションが基になっているとどこかで見た気がするが定かではない。図録も買ってきたがまだ袋に入ったままだ。
ここは次回も訪れたい場所だ。

好きがいっぱいだ

外は暑くなってきた。熱中症的な症状は自分では意外と気づけない。水を飲み休みながら歩いていても、夜になって涼しい室内に戻ってからぐったりしてしまうことがある。今日もそうなりそうなので気を付けながら歩いた。やはりショッピングモールでだらだらするのが安全だな。

いろんなものがごちゃまぜなかんじが大変よい

通りすがりの普通の家に干してある洗濯物やベランダで上半身裸でぼんやりしている老人を眺めるのが好きだ。生活の匂いを感じるのが楽しい。

食事というよりおやつで一日が終わる

旅の楽しみのひとつというか楽しみのメインとも言っていいのが食事で、来るまではあれもこれも食べたいと妄想しているのだが、結局大して食べられない。来てしまうとなにを食べたかったのか思い出せないし、Googlemapに保存しているお店を見てもコレジャナイ感がある。
今回もそうだ。いったいわたしはなにを食べたかったのか。カヤトーストと甘いコーヒーと麺で満足なのか。
たぶんそうだ。
あとは経済飯が食べられればだいたい満足なのだが、今回は経済飯にも触手が動かない。點心もすでに食べているので満足度は高い。はて、どうしたものか。

困ったときはおやつだ。昨日もそうだった。

大根餅 できればカットしてないやつが食べたい

さらっと食べれるのはやはり點心。今日は大根餅を選んだ。四角くてエビとかシイタケが入ってるのが食べたかったが、ここではカットタイプしかなかった。それでも十分おいしくて満足。そして気づいてしまった。わたしが食べたいのはパフェだ。なぜここでパフェ食べたくなるかな。

Secret Recipeに行けばそれっぽいものが食べられそうだが、昨日も行ったしたまには違うお店を開拓したい。しかしcendolとか日式かき氷は見かけるがパフェはどこにあるんだろう。今思えばDomeにならなにかありそうだが、その時は思いつかなかった。そこで大音量でテーマソングを流している大陸式ソフトクリームのお店に行った。日本にもあるなここ。

キャラはかわいいな

いつも混んでいて大人気のお店なのだが、行ってみて理由がわかった。爆安なのだ。徐々に物価が上がっているこの街で、普通のソフトクリーム(コーン)がRM2.0、日本円で65円くらいだ。20年前ならともかく、今はいくらなんでも安すぎる。恐るべし大陸商法。

そこでチョコレートサンデー的なものを食べて満足した。パフェではないがチョコレートソースとソフトクリームの組み合わせで十分だ。
しかし、食べた直後から喉が猛烈に痛くなってきた。サンデーとは関係なくたまたまそのタイミングで痛くなったということかもしれない。
ただ、わたしが子どもの頃母が「ソフトクリームは雑菌が繁殖しやすいので夜店や屋台のようなところでは食べてはいけません」と言っていた。少し神経質な気もするが、当時は昭和後期だったので衛生状況が今とは違ったのかもしれない。そんな数十年前の記憶が突然よみがえるほど強烈な痛みだった。これはまずい、放置すると明日以降発熱するかもしれない。


どうでもいいものを鑑賞

ホテルに戻ったら喉と鼻のうがいをすることを心に決め、ほんの少しだけふらふらする。
どうやらわたしは楽しいものを見たいという気持ちが強いらしい。視覚情報がとても大事なタイプだ。聴覚情報が大事で音楽が欠かせないというタイプもいるが、わたしは音楽がなくてもそれほど困らないが、目が楽しくないと心が折れてしまう。

ハエたたきぽいが、持ち手に「一帯一路發」と書いてある。いろいろ大丈夫か

ドンキホーテをもうちょっと雑にしたかんじのマーケットで需要と供給についてしばし考えた。このハエたたきはいったいどこから来たんだ。どこかで売ってはいけなくなったのでここに来たんじゃないか、など。
喉は痛いが脳内は平和だ。

クリスマスの飾り付けは全然進んでいない

ホテルに戻り、無敵の鼻うがいで事なきを得た。
この国に着いた途端高熱で数日寝込んだこともあるし、帰国後流行病ぽい症状で困ったこともあったので体調管理には神経質になっている。あと老化が進んでいるのでいろいろ自信がないんだ。
ともあれ、体調万全でまた明日もだらだら過ごせそうだ。

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