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ブログ企画【繋】第71回「ルール」

毎月1日に全国各地のメンバーがひとつのテーマで文章を書くブログ企画【繋】。
今回は、鈴木NG秀典(すずきんぐ)さんから「ルール」というテーマをいただいた。

そもそも「ルール」とは、社会や組織内の秩序・機能を維持するため相互に守るべき規則や規定のことで〜といった言葉の意味の確認から始めるつもりも、わたしたちは日々の生活の中で、いくつもの「ルール」に囲まれているが…といった書き出しで筋道立てて話を進めていくつもりもない。

なぜならば、今回の記事はかなり実験的な記事だからだ。

どんな話をするかって、決まっている。


ポムポムプリンの話だ。


何を面食らっているんだそこをどいてくれ、プリンが通るんだから。


ひとまず聞いてほしい。

いや、その前に、ポムポムプリンが好きな人には先に謝っておかなくてはならない。この先語られる、貴方様の推しキャラに対する無礼の数々。ほんとうにごめんなさい。

というのも実はわたしは最近、こころが荒れると日記帳にポムポムプリンのシールを貼りつけ、自分の代わりに悪態をつかせたり煽ったりして、プリンのその純粋無垢な表情とセリフとのギャップによって、こころの安定を取り戻すという活動を行っている。

【一例】

また、このように自己肯定感を取り戻す際にも活用できる。


心理学の世界では、ストレスに対する対処法を「ストレス・コーピング」という。

コーピングは、問題の直接の解決を図る「問題焦点型コーピング」と、趣味や気晴らしをするなどして苦痛の軽減を図り感情面にアプローチする「情動焦点型コーピング」にわけられる。

それに則るならば、これは「情動焦点型コーピング」の中の「プリン・コーピング」とでも名付けよう。


しかし、キティちゃんでもマイメロディでもぐでたまでもなく、なぜポムポムプリンなのか。
それを語るには、まずポムポムプリンシールとの出会いの話をしなければならない。

こころが荒れたとき、わたしは気づくと文房具店にいる。

文房具が好きだ。そもそも字を書くのが好きで、人の手書き文字を溺愛するわたしが文房具に惹かれるのは、この世に生を受けてから時間の問題だったのかもしれない。ああ、デスティニー。

そんなわたしにとって、池袋西武本店12階のLOFT文具フロアは、たくさんの刺激と発見と癒しに満ちた空間である。

特設コーナーに並ぶ商品に季節を感じるもよし、愛用しているペンの替えインクを買うついでに試し書きコーナーを眺めるもよし、好きなイラストレーターさんとのコラボ商品を発見して喜ぶもよし、進化を遂げる既存アイテム(文具の進化はすさまじく、毎度その着想と改善には感心する)に驚かされるもよし、買うつもりもなかったレターセットやマスキングテープをいつの間にか手に持って歩いているのもまたよい。

こうしてフロア内を練り歩き、お気に入りのアイテムを数点カゴに入れお会計を済ませる頃には、荒れていたこころもすっかり晴れやかだ。

自分の気分を何で上げられるか、自分は何に喜ぶかということをたくさん知っていれば知っているほど、自分とうまく付き合っていけると思う。

その日も、気づくとわたしは西武の12階にいた。そして、ふらっと立ち寄ったシールコーナーの棚をぼんやりと眺めていたときのことだった。

近くから視線を感じその方向に目をやると、ポムポムプリンがわたしを見ているではないか。
目が合ってしまった。その瞬間、荒れたこころをプリンに見透かされた気がした。

それは、彼を家に連れ帰るのには充分な理由だった。


こうしてポムポムプリンシールは「プリン・コーピング」としての地位を獲得していくわけだが、この役割はキティちゃんにもマイメロディでにもぐでたまにも担えない。

だってさ、キティちゃんがあの感じで「うるせえよ、私の人生だわ」とか言い出したら怖くない?サンリオピューロランド内が一瞬にして凍りつくよ。
マイメロディが公式ツイッターで「あなたの事情は関係ないから持ち込まないでください」とか言い出したらみんな恐れおののいてフォロワー激減でしょ。
ぐでたまはぐでたまで「意味のあることばかりやってると疲れません?」とか言っても、普段のキャラと何ら変わらないし。

そんな中で、ボケと癒しをちょうどいいバランスで持ち合わせるプリンは、公式ツイッターでもフォロワーからたびたびいじられている。

もっとも、人間味と親しみを感じさせるプリンだからこそ、たとえ彼自身が毒づこうがこちらが悪態つこうが、広いこころで受け止める・受け止めてくれるように思う。
ポムポムプリンのキャラクター性には、そんな豊かな土壌が備わっている気がしてならないのだ。あと、顔がちょっと煽ってる。


しかし同時に、この「プリン・コーピング」には良心の呵責も感じるので、せもてものお詫びに、今年5月10日〜6月11日まで行われていた「サンリオキャラクター大賞2018」の投票期間中は、プリンにほぼ毎日投票していた。

その結果発表が、なんと本日7月1日に行われる。

中間発表では、シナモンロールに続いて2位と好発進だったプリン。最後に逆転なるか…!?


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と、ここまで長々とポムポムプリンの話をしてきたわけだが、今回のブログ企画【繋】のテーマは「プリンといえば」でも「好きなキャラクター」でも「私のストレス対処法」でもなく、「ルール」だ。

ここから「ルール」につなげていく華麗な展開を前に、まずはこのブログ企画【繋】における「ルール」を今一度確認したい。
内田祥文さんからこの企画へのお誘いをいただいたとき、彼が掲げていた「ルール」は以下のふたつだった。

①毎月1日に更新すること
②記事の中にメンバーのリンクを貼ること

この二点さえ守れば、好きなように書いていいとおっしゃっていたのだが、それと同時に「テーマに沿った文章を書く」というのもきっと「ルール」なのだろう。
しかもこれは、もはや言うまもでもない「暗黙のルール」なのかもしれない。

しかし今回、その暗黙のルールをあえて無視し、まったく脈絡のない話を進めていったことでどうなったか。
おそらく、読み手の方々は「テーマと関係なくないかこれ……」と思ったのではないだろうか。

そこに、最初に「今回の記事はかなり実験的な記事だ」と書いた理由がある。

というのもこの記事では、「テーマ」という「ルール」に背くことで逆にその「ルール」の存在が際立つということを記事の中で実践することを目的としていたからだ。

その変化が目に見える部分として、冒頭のこの企画おなじみの書き出しの

毎月1日に全国各地のメンバーがひとつのテーマで文章を書くブログ企画【繋】。
今回は、鈴木NG秀典(すずきんぐ)さんから「ルール」というテーマをいただいた。

の中の「ルール」というテーマの部分が、数行上の「というのもこの記事では〜」という文章の中では、「テーマ」という「ルール」へと、テーマとルールの前後関係が入れ替わり、「テーマ」という言葉がより強調されている。


「ルール」とは、それを守るにしても破るにしても壊すにしても、その手中から完全に逃れることはできないものなのかもしれない。


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