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お墓参りと父との面会

久しぶりに雨があがった

お彼岸でお墓参りにいけてないのが
気になっていた

施設にいる父とも6月以降会ってない

それも気になっていた

ちょうど父の保険証が切り替えになり
送られてきたので、保険証をもって
父に逢いに行くことにした

これまでは、毎回PCR検査を受けて
ビニールガウンをきてしか会えなかった

だいぶ負担で
なかなか気軽に会いにいけなかったのだが
今回はコロナも少し落ち着いているとのことで特別に15分以内なら
アクリル板越しに会えるという


実は、今日は朝から美容院だった

なので、その後、父の施設へ
その間にお墓まいりも行ってこよう

弾丸スケジュールだが
いっぺんに気になっていたことが出来る

駅で乗ったタクシーの運転手さんに
これからの予定を話したら
お墓参りを待っててくれるという

確かにお墓参りを終えて
またタクシーを呼ぶのは大変なので
すごく助かる

だけど
お墓参りは大急ぎ


急いでお墓の掃除をして
お花とお水とお線香をあげて
ご無沙汰のお詫びを母と弟に伝える

そして、父のところへ

4ヶ月ぶりの父は
また少し痩せて白くなっていた

でも、元気そう
顔を見てほっとする

ケアマネさんによると
最近食欲も出てきたとのこと

久しぶり!
変わりない?

久しぶりの父に
少しテンション高く話しかける

父はほとんどしゃべらない

私も色々話したり、聞いたりするが
それに父は、答えることもなく
遠くを見たり、目をつむったりしている


どこも痛いところもないと
施設の暮らしも何も不便はないと

15分の面会の中で何とか聞けたこと

ずっと沈黙がつづく

他の面会の方の声が大きく聞こえる

高笑い
会話が弾んでいる
とても楽しそうに
時間を惜しむように
いつまでも話が続いている

父の声がかき消されていき
私がテンション高く話しかけたことも
流れていく

ピピピピ

タイマーの音

15分の面会時間の終了を告げる

ふくよかな看護師さんが
父のベット椅子を引いて帰っていく

お話出来ましたか?
父に尋ねている

父は相変わらず遠くをみていて
答えない

違う
話なんてできてない

心の中でそう呟きながら
父に、また来るねと
手を振りながら、施設を後にする

仕方ないけど
寂しくて、せつなくて

父は、何を思って
私との時間を過ごしたのだろう?

前のように久しぶりの私の顔を見て
にっこりすることもなくなっていた

私と分かってはいると思う

だけど
それ以外は、、

それでも、また、
父に会いに行かなくては

後悔したくないから
父が少しでも穏やかにすごせますように



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