0404「無常」

僕の働いているバイト先に1年留年している先輩がいる。去年4回生で院に行きたくない、とりあえず就活したけどダメだったらしくて留年した。
その先輩は今年も4回生となるわけだが、この前とても軽い感じで

「おれもう1年留年するわ」

と言っていた。その先輩はけっこうめちゃくちゃな人だけど言ったことは実行する人だったので本当に2留すると思う。

なんで留年しようとしているのか聞くと、やりたいことないのに無理やり院行くのも違うし、人生100年のなかの1年なんてゴミみたいなもんやから、と言っていた。

就活や院試勉強から逃げているとも見えるけれど僕にはその先輩はカッコよく見えた。

僕は4月から4回生で就活か院進かを迫られている。就活しようかなとも思ったりするけれど全然行動に移せていない。たぶん自分のなかで本当にやりたいことを見つけられていないからだと思う。就活がダメでも院に進めばいいと逃げ道ばかり探している。

フラフラしている自分がいる。

ずっと逃げていてもだめだけれどもどの選択が正しいかもわからない。

わからないことだらけで何から手をつけていいかわからない。

OBの人にかるく就活のこと聞いてみようとしたら叱ってくれた。

そんな気持ちで就活やっても意味がない、と言われ言い方が悪いが、やりたくもないことを二流の会社でやるんか？とも言われた。

久しぶりに真面目に叱ってもらったような気がした。

たまに叱ってくれる人がいたほうがありがたい。

大学の中では年も位も上の方になって怒ってくれる人がだんだんいなくなる。

自分がどうなりたいかを考えたとき、正直院に行きたい気持ちが強かった。僕の研究室はやりたいことは合っているけれど土日も研究室に行くし、その後は夜中までバイト生活だ。その中で院に進めばあと3年も続けられるのかという不安と就職したらまた新しい世界があるという淡い期待が心のどこかにあり、逃げの気持ちが強くなっていた。

周りに就活すると言っていてまたやっぱり院に進むと言ったら中途半端な人間だなと思われそうで本音は怖い。

けれど前に進むべきで、院に行くと決めたらこれからはちゃんとしようと思った。  

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