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2020 Women’s Collection - 制作 1 (都市の夜と朝)

2020 Women’s Collection
Fashion Designer : Yuko Koike
Model : Ksenia , Hair & Makeup : Marisa Tipkanok , Photo : Yuko Koike

koike. 2020年新作コレクションです。わたしは都市の光と、自然のたおやかさにひかれて作品をつくりました。

わたしは都市の光が美しいと思う反面、自然の日の光のうつろいや、それを感じる風の気持ちよさを思い出します。人工的でハッと目に入るような煌びやかで美しいものと、自然のもつやさしさやしなやかさを、かけ合わすことを考えています。

街の光を浴びながら、自然を感じる洋服。足元の靴には夜の空に幾幾と輝く星達が潜んでいます。鞄も同様です。

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ドレス(ワンピース)、シューズ、鞄、全て koike.

この作品の女性は、都市で暮らし、自然を愛しています。ちょっとした悪ふざけが好きだけれど、曲がったことは嫌いな芯のつよさをもっています。

彼女は、都市の煌びやかな街に暮らしながら、いつもどこかで自然を求めています。華やかで煌びやかなパーティーに繰り出しながら、少し都市から離れた住まいでリラックスして暮らしています。

都市のつよい光に誘われ、しっとりとしたやさしい風を感じながら、暗がりに包まれはじめる街の明かりの中を彼女は通りすぎます。足元の靴は藍色ににじみはじめる空、暗がりに星たちが流れ、彼女の夢を叶えはじめます。

彼女は肌にやさしく触れる素材をえらびます。しなやかでたおやかな女性になるために纏うのです。やさしい風に流れるドレスが肌に触れるたび、洋服を愛していることを思い出します。

どこまでも飛んでいけそうな、風と呼応して舞うドレスを纏うと、まるで彼女の心までも踊るようです。風が素肌を通りぬけるような感覚から生まれるドレープ。起伏した布はまるで流水のように彼女の体の後をついていきます。繊細に折られたタックフリルは拡散する光をつくります。

自由な色が闇にあふれて光の花が咲いている都市。透けるような淡い光へ手を伸ばしても掴めない、まるで霧のような幻想の光のなかに、なぜわたしたちは心がひかれるのでしょうか。

わたしたちは都市のなかで朝を迎えます。心はまだ踊っているような、夢見ごこちで。光は段々とやさしい表情へ、夜を超えたおだやかな光に包まれていきます。

夜と朝のムードを身にまとった彼女。つよい光を放つ都市の中に、自然が溶け込んだような彼女の生きかたを表現したドレスです。

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