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サバイバルする皮膚

 本日(2021.7.8)、ジャングルカンファレンスです。靴調整の関連症例を皆さんで検討していく予定です。オンラインでの開催となりますので、ご希望の方はこちらへ
統合医療カンファレンス協会

 ファッシアを中心に「経絡」をかんがえ直しているのですが、皮部の検討をしている中で、「皮膚」について傳田先生の著作を読み直していましたら、アマゾンで新刊が出ていたのでアップデート目的で購入しました。

 進化の視点から皮膚を見直し、かつての傳田先生の著作のまとめにもなっているので大変勉強になりました。なかでも、人間に毛が生えていない理由については、個人的には「アクア説」で納得していたのですが、更なる納得の説が展開されていて、よりスッキリしました。

 おそらくアクア説のようなことも関与したのでしょうが、何より、大脳の発達のために、いわばトレードオフ的に毛がなくなったというのが斬新でした。トレードオフといっても、機能がより発達したのでそうではないかもしれませんが、タコやコウイカなどの例示はなるほど納得です。

 従来、あまり顧みられることがなかったケラチノサイトについて、多くの意義を見出したことで、通常の皮膚科医のもつ皮膚イメージをはるかに凌駕した内容が展開されるのは痛快です。
 また、医師免許を有する人が「経絡」について話題にすると不愉快な顔になる、というくだりは納得で、「経絡内科」と命名したものの一抹の不安があるのはまさに傳田先生のご指摘通りだと思います。
 我々は、何を正統と信じ、何をインチキと感じるかは、まさに各人の無意識のうちに格納される知識に由来しているわけで、ケラチノサイトをただの皮膚表面と思っていれば、それが全身を反映するなんて「トンデモ」と分類してしまうわけですね。


サバイバルする皮膚 思考する臓器の7億年史画像

サバイバルする皮膚: 思考する臓器の7億年史 (河出新書)
傳田光洋 河出書房新社 2021-05-21


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