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組織力を高める/ マネジメントの役割


こんにちは。こいけです。

「マネジャーって何してるんですか」


メンバーからのこんな無邪気な問いに即答できますか?


業界によれど、早ければ20代で経験するマネジメントのしごと。人手不足の流れもあり、今後そのタイミングはより早まると思う。

マネジメントって大変そう


例えば営業職の場合、メンバーがマネジャーの仕事に触れるのは主に営業同行や1on1ミーティング。


ある程度のハイパフォーマーなら営業同行されても新たな気付きを感じづらいかもしれないし、1on1で業務の話ばかりされれば新たな示唆は得づらいかもしれない。


つまり、上司からちゃんとしたマネジメントを受けてきていないから、上司がどんな仕事をしてるのか想像つかないんだ。
イジワルでなく無邪気なのだ。

待てよ。



ちゃんとしたマネジメントって何だ?
かくいうわたしも「ちゃんと」でまとめちゃってる。


人や組織の状況でマニュアル化が図れないからこそ、マネジメントの役割は奥深く、ふわっとしやすい。

組織力を高める
それは、「個」の積み上げよりとてつもなく大きな力に転化する。


だからこそ言語化したいと思い、組織運営を切り口に実体験をもとに整理してみる。

当時の組織の状況


以前営業時代に着任した組織。
当時わたしは部長でアシスタント、メンバー、マネジャー総勢100名規模の営業組織。


メンバーやマネジャーの営業意識は高く、顧客を向いている点は強み。個力も低くなく、一人当たりの生産性も低くない。


そんな強みがある一方で、組織としては「個力の積み上げ」状態。いわゆる「組織力」が機能していない印象だった。


メンバーは達成/未達成でしか自分の存在価値を認められず、組織としても焦点は成果のみ。
「未達=自分はできていない」と自信を持てないメンバーが多いのに驚いた。


まじめだ。


成果だけで自分を判断せず、本当の意味で顧客に向き合うおもしろさを体感してほしい。そして個のパワーを組織力に転化したい。
観察の結果、5つのアプローチをおこなってみる。

組織力を高めるために実施した5つのアプローチ

①個力を活かす
②個力を高める
③基盤を整える
④風土を醸成する
⑤未来への余白を作る


①個力を活かす


活動量のスコア化
外を向いた営業マインドの強みが可視化されるような仕掛け。電話や商談など接点の種類でポイントを分け、毎月どんな接点をどの程度取っているのか見える化。

日々の「行動」に対して賞賛をするための仕掛けと、その行動が成果に繋がっていることを証明(行動量と達成率の相関)することで、行動が無駄じゃない感を醸成。


人材育成
評価者以上で、リーダー/次世代候補のフラグ立て、昇格タイミング、配置転換候補、メンター相性 等を可視化し一元管理。

次世代候補には、わたしも目標設定と評価ミーティングに入り、育成プランをマネジャー陣とすり合わせる。ときには部外の人と繋ぎ、職種ではなくひとりのビジネスパーソンとして能力活発や内省支援に入る。

②個力を高める


マネジメント版アカウントプランニング

メンバーだけに進化を求めるのではなく、マネジメント自身も進化するため、わたし含めマネジメント自身がアカウントマネジャーとして矢面に立ち成果に繋げる顧客を決める。
その成果は部のキックオフミーティングで開示し、組織で戦っている感を醸成。

③基盤を整える


現場の「不」に向き合う
メンバーからポロリと出た声に、改善のタネがあれば積極的に吸い上げる。
内線でポロッと溢れた不満も、今の話教えて?とメンバーに聞いてみる。最初は驚かれたけど徐々に声を上げてくれるように。

部内で解決できないことも多いので、部長会議で提起したり、企画にかけ合ったり。
すぐに解消できないものは経過報告。
自分の声が無駄じゃない感を醸成する。


など。


細かく書きすぎると身バレするのでこの辺で。
テーマは何でもいい。
小石を取り除き、走りやすく道をひらく。
そのためにどんな小石があるのか日々観察する。
言いっぱなし、やりっぱなしにしない。

④風土を醸成する

価値ある仕事に目を向ける
仕事の「プロセス」に焦点を当て、当時の部テーマでもあったメンバー起点で顧客体験をデザインした事例を毎週ピックアップし毎月表彰。当社では顧客深耕事例が毎月全国で1名表彰されるが、その年は当部から7回表彰される。

自分たちの仕事の高さ・価値を全国レベルでも良いと体感してもえるよう、部テーマを日常に組み込む仕掛けを作る。


他にも、


カウンターパートとの協業の際、職種それぞれの正義が巻き起こす相手への不やバイアスの解消に焦点を当て、実際にあった協業事例をベースに、部を跨いでワークショップを実施したり。


などなど。
細かい話になるのでこの辺で。
あくまでもさりげなく、自然な導線を。


⑤未来への余白を作る

わたし含めマネジメントが中長期の実験テーマをもって未来を創造するための施策。
日常業務や部の枠を踏み出し、中長期で変えていきたい少し大きな実験テーマを。
マネジメントが未来に向けて試行錯誤している姿をメンバーにも見せることで、部のエンゲージメントを高めるために実施。


マネジメントが外を向き、マネジメント自ら余白(仕事・環境・役割)を創ること。
それがマネジメントの役割。


マネジメントってオールラウンダー

いろいろ書いてあるけど、結局どういうこと?


そう。そういうこと。


マネジメントは個を活かし高め、基盤(仕組み、風土)を整え、余白を生み出し、それを日常にどう組み込むかをデザインする。まさにオールラウンダー。


だからこそふわっとしやすいし、
だからこそ奥深い。

オールラウンダーって専門職との対比で使われることが多いけど、わたしはマネジメントこそマルチスペシャリストだと思う。


正解がない中で、なにが源泉でどこにレバレッジがあるのか観察し見極めアプローチする。
それが「個」の積み上げよりとてつもなく大きな「組織力」に転化する。



やっぱりマネジメントはおもしろい。

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