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社内メンターのすゝめ


こんにちは。こいけです。


マネジメント向けの社内メンタリングを事業部で行なっていたときの話。
企画運営者、兼 メンターとしてセッションに携わった観点から、社内メンターのすゝめとして整理してみる。

なぜメンターが必要なのか


メンバーはマネジメントを通して会社や事業をみている

会社や事業が目指す方向へ、組織の舵を取るのは現場のマネジメント。経営層からのメッセージが直接メンバーに伝わる機会はあるようで少ない。メンバーは経営層ではなく、上司の日々の言動や行動を通して会社や事業を見ている
誰のフィルターを通るかで受け取り方も変わってしまうのだから、マネジメントがメンバーに与える影響はとてつもなく大きい。


ハブになるマネジメントは上からも下からもぎゅうぎゅう詰め

そんな事業とメンバーとの「ハブ」になるマネジメント。中間管理職という位置ゆえに、上からも下からも大量の仕事が押し寄せる。担う負担は大きい。
「マネジメント」というパワーワードにより、マネジメントを介するコミュニケーションは何でもかんでも爆増している。


マネジメントだって人間だから

マネジメントだって人間。同時多発的にさまざまな課題をマルチに解消しながらミッション遂行を目指す。その凄まじく忙しい状況で、ゴールの道中に発生する幾多の障壁を乗り越えるための武器づくりには協力したい。
管理職向けの研修は揃っているようで、日常のリアルな不安に向き合うものは人事任せにもできない。


そこで、正解のない日々に向き合うマネジメントに壁打ちを通して気付きや示唆のきっかけになる場を提供したい。それも直属の上司でなく、ナナメの上位者と。普段絡みのない人と越境して話すことで、日々の業務を一旦横に置いて、未来や長期のことに目を向けるために。


そんな背景でそれまで首都圏で実施していた枠組みを全国に拡大してマネジメント向けのメンターをやろうと動いてみる。


誰が誰をメンタリングするのか


一般的な職位でいうと、いわゆる課長と係長クラス。主に営業部門のマネジメントに対して行っていった。


係長まで広げると全国でかなりの人数になるので、任用歴(係長になって◯ヶ月以上)で絞り、新任ではなく一定の期間を経過したマネジメントを対象に実施。


普段関わりのない他組織の部長職以上が1人当たり2〜3名。半期を1セットとしてメンターを担当。メンターの担当人数を少数に抑えることで相応のメンターが必要になるので、企画部門の部長や本部長クラスにも(無論わたしも)メンターを担う。
もはや全員野球で育成する。


メンターの使い方


普段関わりのないペアリングでメンターを選定。マネジャー昇格試験の受験歴や受験予定をフラグ立てしておき、ペアリングの参考にする。


ペアが決まればメンティーからこのメンタリングセッションをどんな時間にしたいか、メンターにメールする。
それを受けてメンターが予定を送付。そこからセッションスタート。


どんなことを壁打ちに使いたいか。テーマは人それぞれ。
人材育成や組織運営、戦略立案の壁打ちまで。強化したいポイントを軸に壁打ち。


その後は月1回を目安に、メンティーからメンターへ予定を送る。


メンタリングを必要としていないマネジメントにとってはメンターの強要にもなりかねないし、上位者であるメンターから予定を送れば惰性で参加することにもなりかねない。


それは本来の目的を得ないので、初回にテーマ設定を行い(もちろん途中でテーマを変えるのは問題ない)、それ以降もあくまでも起点はメンティーに。


社内メンターの効果


メンティーの自己成長を後押しする

セッションの枠組みを通してメンティーは、「分からない」「困っている」自分に真正面から向き合える。1人で抱え込まずに発散できる場があるのは心強いもの。


直属の上司ではない組織外のメンターと話すことで、日々のやるべきことに引っ張られすぎず、未来や中長期の話に視点を広げやすい。


物理的に「問い」と「内省」の機会が増えるので、進めたいことの解像度が上がり、結果行動に移せる可能性が高まる。


このようにマネジメントの踏み出す一歩をサポートすることで、本人の自己成長を後押しする。


事業としての意図的な管理職(候補)の育成ができる

例えば「女性管理職比率」というテーマで切り取れば、この取り組みによって半年単位での女性管理職登用人数の見込みが可視化できる。


見方を変えれば、『◯年後に女性管理職比率が△%へ到達するには、◯年度までに△人の管理職候補が必要』と予め予測することもできる。
管理職は一朝一夕で増えることはない。何年も前から手を打つ必要がある。だからこそ事業主体の取り組みが必要だと思う。これも人事任せにはしない。


また、「人材育成」というテーマで切り取れば、昇格試験に複数回落ちているマネジャーや、◯ヶ月後の昇格試験でマネジャーに昇格させたい人材を予めフラグ立てしておくことで、重点的なフォローアップが必要な人材も可視化しやすい。そこに適応したメンターを割り当てれば、意図的な育成が可能になる。


このように、事業単位での意図的な人材育成を行うための枠組みとしても活用できる。

事業としてのシームレスなマネジメント育成を


「人材育成」は人事による単発の研修や、直属の上司に依存しがち。事業としてマネジメント育成の枠組みをつくり、意図をもって粘っこく経年で進めていくことで、上司が変わっても切れ目のないシームレスな育成が可能になる。


そういう枠組みを今後も整えていきたい。
(復職したら。)

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