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俺のブツリ

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2022年のノーベル物理学賞でも話題となった量子物理。量子コンピュータなどの量子情報理論の発展等でますますその重要性を増しています。量子論を中心に物理の基礎を分かりやすく伝えます。
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2023年1月の記事一覧

反変ベクトルと共変ベクトル

スカラー場$${\phi}$$の時空間微分を考えましょう。 $${\partial_{\mu}\phi = \frac{\partial…

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次元解析

物理で出てくる単位にはさまざまなものがあります。長さはメートル($${m}$$)、時間は秒($${s}$…

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量子コンピュータとはなんだろう

量子コンピュータに対して、これまでのコンピュータは古典コンピュータと呼ばれます。現在、使…

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熱力学関数の覚え方

内部エネルギー$${U}$$、エンタルピー$${H}$$、ヘルムホルツの自由エネルギー$${F}$$、ギブス…

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ネルソンの量子力学

ネルソンの理論では、量子的な粒子の動きは、あるバックグラウンドによって、ブラウン運動をし…

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ハミルトン方程式

ラグランジアンは、一般的に$${L= T-V}$$のように書くことができます。ここで、$${T}$$は運動…

ヒッグス場のふしぎ

私たちに身近な「場」としては、重力場や電場、磁場があります。重力場は太陽や地球など質量の大きい物体があるとできて、電場は電荷があるところにできます。これらの場は、何か場を作り出す源があって、そこから場が生成されて空間的に広がっています。一方、ヒッグス場は、場を作り出す源が何もない真空中でも宇宙の隅々まで一様に広がっているのが特徴です。真空中に広まっているヒッグス場によって、クォークやレプトンは質量を獲得します。 クォークやレプトンが質量を持つことは既に知られている事実ですが

ラグランジュ方程式

古典力学(解析力学)において、重要な役割を担っているのが、ラグランジュ方程式とハミルトン…

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ボームの量子論

ボームの量子論では、まず、波動関数$${\psi(x,t)}$$を次の形に置き換えます。 $${\psi = R \…

巨大加速器の現在地

2012年、大型ハドロン衝突型加速器 (Large Hadron Collider、略称LHC)を使って、ヒッグス粒子…

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量子のカオス

ポアンカレは、かつて、二質点のつくる重力場中での第三の質点の運動を研究しました。その運動…

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シュワルツシルト・ブラックホール

一般相対性理論では曲がった時空間はシュワルツシルド計量で表すことができます。 $${d\tau^2…

惑星の運動の数値計算

ファインマン物理学I「力学」では、ニュートンの運動方程式を説明するのに、惑星の運動を数値…

ファインマン物理学<1>力学

ファインマン自身がカリフォルニア工科大学の学部生向けに行った講義をもとにしています。 日本語版第1巻は、力学が中心ですが、「特殊相対性理論」も出てくるので、大学1,2年生にとっては、とても興奮する内容になっています。 「物理学と他の学問との関係」といった章もあり、物理だけでなく科学全般に対して、ファインマンの考え方をうかがい知れることができます。 私は大学1年のときに買いました。当時は貧乏であったため、神田の古本屋「明倫館書店」で古本を買いました。 ちなみに、原書の英語版は