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「ProWine 2024」 フランスの魅力再発見〜ワイン編〜



【ほぼ全文無料記事】


ワインの勉強を始めるきっかけとなったフランス料理とワイン


この度、東京ビッグサイトで開催された大イベント「ProWine 2024」にセミナー講師、PRとして参加させていただき、多くの魅力あふれるワインをはじめとする飲料と出会うことができました。

イベントの模様をこれまでにXやInstagramでも発信してまいりましたが、その中からいくつかをピックアップして、あらためてご紹介させていただきたいと思います。

今回メインで周らせていただいたのは「フランスパビリオン」。フランスにはこれまで7度訪問、パリでホームステイや語学研修、レストランでのサービスの仕事も経験しました。

私がワインの勉強を始めたのもフランス料理店に就職をしたことがきっかけであり、その後長年ソムリエとして人生を過ごしてきた私にとって、フランスは特に思い入れのある国なのです。

目標はできる限り多くの出展ブースを周り、未輸入のアイテムも含めて、SNSのフォロワー様にご紹介したい素敵な商品を発掘して発信すること。

3日間周らせていただいたことで、日本ではまだあまり知られていないさまざまなワインや蒸留酒をテイスティングしながら、来日された皆様からいろいろなお話しを伺い、多くの魅力的なアイテムに出会うことができました。


Taste France について  
*各SNSにて「#Taste France」 をつけてご紹介しています。

2020年に立ち上げられたフランスのガストロノミー、フランス製品を国際的に普及させるためのブランド(仏農業省が推進)。フランスが持つイノベーション力と製品の多様性をアピールし、飲食をともにする楽しみを広く伝え、食品分野におけるフランスの提案力を高める取り組みです。ビジネスフランスが主催するフランスパビリオンは、世界中で常にTaste Franceのロゴを掲げて開催されています(ドバイのGulfood、ドイツのAnugaなど)。

・企業向け情報はこちらでご紹介:Taste France for Business
・一般向けはテイストフランスマガジンにて配信されています



プロヴァンスロゼの魅力再発見


まず初めに目を引いたのがこちらのブース。

美しいディスプレイ。奥に大きく描かれた「G」の文字が見える。


「シャトー・デスクラン」はレストランに勤務をしてきたソムリエであれば誰もがその名を知っている、プロヴァンス ロゼのクオリティを世界に証明してきた生産者の一つ。私もかつてチーフソムリエとして務めていたレストランでオンリストをしていました。



贅沢な比較テイスティング


最後はトップキュヴェの「Garrus」をテイスティング

「シャトー・デスクラン ガリュス」。ロゼワインとしては異例の市場価格1万円をはるかに超える世界最高峰と言われる秀逸なロゼ。

南フランス プロヴァンス地方の屈指のワイナリーが手がけ、ロゼワインの常識を逸する綺麗な樽のニュアンスはブルゴーニュのトップクラスの白ワインを彷彿とさせます。目隠しでのテイスティングでは、きっとブルゴーニュのトップレベルの白ワインと間違える方もいるでしょう。

これは是非とも一度飲んでおきたい。



珍しいボルドーのオレンジワイン


続いてはこちらのブースへ。


ヴィニョーブル・ゴンフリエ

「ヴィニョーブル・ゴンフリエ」のブースには、ボルドー型のボトルがズラリと並び、一見、メルロやカベルネ・ソーヴィニヨンから造られる正統派ボルドーワインのテイスティングになるかと思いきや、かつて見たことのないスタイルのボルドーワインと出会うことになります。


「Odyssea Orange Famille Gonfrie」


ジュラ地方のVin Jauneを彷彿とさせるボトルデザインと美しい色調が目を惹きます。

この「ゴンフリエ」のオレンジワインは、ブドウ品種「ソーヴィニヨン・グリ」を主体に、セミヨンをブレンドしていて、これまでのソムリエ経験の中でも出会ったことがないスタイル。

ソーヴィニヨン・グリは、文字どおりグリ系品種で、ピノ・グリや甲州のように果皮にアントシアニン由来の色素を含んでいます。酸は少ないものの、豊富な色素成分とスモーキーなフレーヴァーが加わるのが特徴で、通常は白ワインに少しだけブレンドすることがありますが、オレンジワインにも向いていて、今回テイスティングをしてそのポテンシャルの高さに驚かされました。

オレンジやシナモン、ドライハーブの香り、熟した果実の味わいとほのかなスパイス感、緻密なテクスチャーが心地よく続きます。ポークグリルにニンジンやカボチャのバターソテーを添えたお料理等と合わせたい。


ボルドーのブドウ畑について詳しく解説いただきました。


赤ワインもテイスティング。こちらも素晴らしいバランス。焼肉に合いそうです。



ラベルが印象的な南フランスの白ワイン


続いては「ドメーヌ・デ・ペイル」のブースへ。

「ドメーヌ・デ・ペイル」左奥に地図が見えますが、南フランス「ヴォクルーズ」のワイナリー。


新聞が広げてあり、それがそのままラベルになっていて、とてもインパクトがあります。


「Peyre L'Apostrophe Sauvignon Viognier」

ラベルに「 ソーヴィニヨン ヴィオニエ」と書いてあるのを見て足が止まります。ブドウ品種「ソーヴィニヨン」と「ヴィオニエ」をブレンドするスタイルはとても珍しく興味深く、今まで経験したことのない、一般的な常識を超えた組み合わせ。きっと多くのソムリエ・ワインエキスパートの方々も気になるはずです。

ソーヴィニヨン・ブランは単一もしくはセミヨンとのブレンドが主流、ヴィオニエは多くの場合単一で、オーストラリア等ではシャルドネとのブレンドもあります。しかしこの二つをブレンドしたワインをテイスティングするのは初めての経験。

両品種の華やかな香り、豊潤な果実感、爽やかさとなめらかさを合わせもつ酸味との調和が秀逸。この2品種のブレンドが今後広がっていく可能性を順分に感じさせてくれるワインでした。

ハーブでマリネして低温で火入れしたチキンに、クリームソースとパセリを添えたお料理とよく合いそうです。

最後に「シャトー・ヌフ・デュ・パプ」もテイスティング。複雑性と深みを感じる香りと味わい。



今後に期待が高まるフランスの缶ワイン


今回の記事の最後に、もう一つご紹介させていただきたいのがこちら。

昨年も立ち寄らせていただいた「Hesiode エジオド」へ。

エジオドはスパークリングワインのラインナップも豊富で、昨年いろいろとテイスティングさせていただき、ご紹介してまいりましたが、今回特に気になったのがこちらです。

珍しいロワール地方の缶ワインのラインナップ


個人的に好きなワイン産地の一つであるロワールのワイン。しかもその缶ワインが存在することを知り、内心テンションが上がります。しかもボトルデザインもスタイリッシュでとても素敵です。


また異なるラベルデザイン。描かれた独特の模様が美しい。


「この中でどれかお好きなのをぜひテイスティングしてみてください。」とお声がけいただき、私が選んだのがこのワイン。


「Saumur ソーミュール」の白ワイン。左にあるのがこのワインの通常ボトル。


ブドウ品種「シュナン・ブラン」らしいカリンやキンモクセイの華やかな香り、口にした瞬間にほのかな甘味を感じながら、凝縮した果実感とミネラルの要素、しなやかで伸びのある美しい酸味が心地よく続いていきます。

よく冷やしてグラスに注ぎ、サーモンのリエットやツナのサンドイッチと一緒に楽しみたい。

缶ワインの認知度は、日本でもここ5年ほどで高まり、スーパーでもいろいろな種類のものを気軽に購入できるようになりました。その中でも、アメリカやオーストラリア、そしてポルトガルやランブルスコをよく見かけますが、フランスの缶ワインはなかなか見当たりません。ぜひ今回のイベントを機に、日本にも広がっていくことを願います。


最後に


今回のイベントで出会った魅力的なワインの数々。

このように素晴らしい機会をいただき心から感謝すると共に、フランスワインと料理がきっかけでこの世界に入り、育てていただいた者として、これからもフランスの飲と食の魅力を日本にシェアし続ける存在でありたいと思いました。

今回はワインのみのご紹介となりましたが、ワイン以外にも素晴らしいお酒との出会いがありましたので、こちらもあらためてご紹介したいと考えています。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。また次回の記事でお会いできるのを楽しみにしています。



ワインディレクター 田邉 公一


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Business France Marketplace

ビジネスフランスが運営する、フランス製品の輸入用商材検索サイトで、簡単な登録だけで、フランス製品やサプライヤーの情報の詳細を得ることができます。


最後の最後に 今回最も印象に残ったワインは?


最後にもう一言だけ。今回ご紹介したランナップの中で、個人的に特に印象に残った1本を挙げたいと思います。

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最後までご覧いただき、心より感謝いたします🥂