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WSET試験に関する2つのご質問への答え

今回はTwitterのフォロワー様よりいただきました、WSET Level3試験に関する2つのご質問に対するお答えを、記事としてまとめさせていただきました。

ただし、私はワインスクールの講師ではありますが、WSETの講師をしているわけではございませんので、あくまでも一受験者の一つの勉強法に関する答えとして、ご参考にしていただければと思います。

第1の質問 〜過去問題・予習・復習について〜

Yさん:「過去問や問題集がWSET にはないため、日々の復習や自分の力試しがしにくく、きちんと理解できているのか、日々不安だけが積み重なっている状態です。テキストの理解度を計るためや、試験対策の意味も込めて、日頃からどんな予習・復習をされましたか?」

①過去問題について

公開されているものは少ないため、スタディガイドに掲載されている過去問題と、授業の時に配布される過去問をまずはやってみることが大切ですね。これらに対する答えを、テキストを見ながらでもよいので、一度ノートに書いてみることをおすすめします。

私はやらなかったのですが、慣れてきたら自分で仮想問題を作り、その答えを準備しておくのが、解答力を上げるためにはとても重要だと思います。これはやっておけばよかったと後悔していることの一つです。

②予習に関して

私自身は、基本的に予習はせずに復習ベースでしたが、事前にスペシフィケイションを確認し、どの項目から問われるのかを知った上で、その項目をテキストに事前にチェックを入れて準備をしておくとよいと思います。その後授業に臨んだ時に、「やはりそこが重要なのか」と念を押した瞬間、重要ポイントとして脳が認識し始めます。

③復習に関して

やはり授業の内容の復習が重要となりますが、授業でテキストやノートにメモしたポイントを再度チェックし直し、メモ内容、線を引いたところを自分のノートに書き出してまとめる作業をしました。テキストは文字が多く、文章的に書かれているため記憶がしにくいと考え、ノートにはキーワードとなる言葉を意識し、自分が理解しやすいようにシンプルにまとめていくことを意識しました。

私はその年、第一回のSAKE DIPLOMA試験も同時に受験し、自身のワインスクールの受験クラスの受講生も100名様以上担当しつつ、レストランのワインディレクションもしたりということで、自作問題を作る時間を割愛してしまいましたが、結果的に言えるのは、やっておいた方が絶対に良いということです。問題を解く思考回路がより強化され、問題パターンも把握できるからです。

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第2の質問 〜テイスティングのトレーニング方法について〜

Kさん:WSET的テイスティングにどうやって慣れたのかを知りたいです。ワイン歴が浅く、JSAしか知らない私は、テイスティングのコメントの流れや使用されるワードが違うことなど、混乱してしまって、テイスティングするのに倍の時間を要してしまいます。もし田邉さんが私のような状況ならば、どのようにトレーニングをされますか?

①テイスティングトレーニングについて

まずはとにかくSATの用語の理解が重要。JSAと似た箇所もありますが、根本的に違うということを心から受け入れることです。ソムリエ・ワインエキスパート試験と違い、ブドウ品種は当てにいかないことが前提になります。「どのようなスタイル、品質レベルのワインなのか」ここに強く意識を置くようにしてみてください。授業をよく聞いて、SATを記憶するレベルまで把握するようにしましょう。

あとは普段ワインをテイスティングする全てのワインに対して、SATを見ながら、もしくは頭に思い浮かべながら、ザッとコメントをする習慣をつけると良いと思います。「SAT脳」になるまで、シートを見ながらテイスティングをし、できれば実際に紙にコメントを書く機会を増やしたい。つまりは、SATの用語を使って書く癖をつけるということですね。これはJSAのテイスティング用語を覚えた過程と似ていると思います。

②テイスティングの着眼点

WSETのテイスティングの主な着眼点ポイントは「強弱」にあると私は考えています。香りも甘味も酸味もタンニンも、アルコールもボディも風味も、全て強弱が聞かれています。

あとは香りをJSAのように拾っていき、風味にも同じことを書く習慣をつける。これでコメント自体は完成し、最後に「BLIC」で品質レベルを確認して完成。このBLIC(Balance,Length,Intensity,Complexity)に関しても、日頃テイスティングするワイン全てに対して、自分なりの評価を下していく習慣をつけることが重要です。

では今回のご質問に関する私の答えは以上となります。ご質問をいただき誠にありがとうございました。少しでもヒントになれば、とても嬉しく思います。

ワインディレクター・ソムリエ 田邉 公一

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