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缶ワイン「ONE WINE(ワン ワイン)」と4種のフードペアリング

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はじめに 〜缶ワインの過去・現在・未来〜

noteをスタートした当初に執筆させていただいた「缶ワイン」についての記事。当時はまだ日本において缶のワインの認識はまだまだ薄く、店頭で見かけることもほとんどありませんでした。

そういった中、ワインディレクターと務めるレストランの一つで缶ワインを提供したいという話が持ち上がり、数種類のワインをテイスティングする中、カリフォルニアの「ヘッドハイ」や、オレゴンの「アンダーウッド」のような、非常に高品質の缶ワインに出会うことになります。

そしてその後、「アルバリーニョ」から造られる缶の白ワインをテイスティングする機会をいただき、その品質の高さに驚き、以下のようにツイート。

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ハーフボトルと同じたっぷりサイズの缶ワイン(375ml)。アメリカ カリフォルニア州の「ファーディナンド アルバリーニョ」。カリフォルニアにおける様々なスペイン品種のスペシャリストとして知られる栽培家が造る、フレッシュフルーティな白ワイン。これまで飲んだ缶ワインの中でもトップクラス。

そして時代はさらに進み、今では多くの種類の缶入りワインを見かけるようになってきました。もちろんビール等に比べるとまだ圧倒的に種類は少ないものの、確実に今後盛り上がりを見せてくると私は確信しています。

ということで今回は、サントリーが新しくリリースする缶ワイン「ONE WINE(ワン ワイン)」(250ml)を4アイテムテイスティングし、それぞれに相性が良いと考えるお料理を、ブドウ品種ごとにご紹介させていただきたいと思います。(各文面はツイッターで投稿した140文字の内容となっています)

どちらのペアリングも、「簡単にできて美味しい」をテーマに考えていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

ソーヴィニヨン・ブランとスターバックス「根菜チキンサラダラップ」

サントリーの缶ワイン「ワン ワイン」の「ソーヴィニヨン・ブラン」とスターバックスのフードペアリング。ワインの個性を意識して「根菜チキン サラダラップ」をセレクト。冷製チキンとフレッシュでみずみずしい野菜の味わいとミネラル感がとてもよく合います。

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ソーヴィニヨン・ブランがもつ、独特のグリーンフレーヴァーと白い土っぽいミネラル感、柑橘フルーツのニュアンスが、たっぷりのフレッシュ野菜のニュアンスにとてもよく合います。南仏の日差しを浴びた熟した果実の味わいとクエン酸的な要素が、チキンの味わいとテクスチャーにもよく合います。

シャルドネとセブンイレブン「スモークタン」

新発売されるサントリーの缶ワイン「ワン ワイン シャルドネ」とセブンイレブンのフードペアリング。「スモークタン〜瀬戸内レモン果汁使用」に、南フランスの白ワインということを意識して、南仏をイメージした新鮮野菜を添えて、オリーブオイルのソースで仕上げ。ワインもフードもどんどん進みます。

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このシャルドのスモーキーで熟した果実のまろやかかつ心地よい苦味を伴う味わいが、スモークタンのフレーヴァーと食感、噛むごとにあふれ出す旨味としっかりと重なり、お互いの風味を最大限持ち上げてくれます。

レモンのニュアンが、ワインの味わいのバランスをとっている生き生きとした酸味に相乗し、テロワールを意識したお野菜のミネラルとの組み合わせが、さらに相性を高めています。


ピノ・ノワールとセブンイレブン「金のビーフシチュー」

セブンイレブンの「金のビーフシチュー」と缶ワインのペアリング。サントリー「ワン ワイン ピノ・ノワール」とじっくり煮込んだ牛肉の旨みが凝縮したシチューは、まさにブルゴーニュのブフ・ブルギニヨンとピノ・ノワールのペアリングのジャパニーズ版。素晴らしいマリアージュ。ぜひお試しください。

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こちらもシャルドネに続き、コンビニエンスストアのフードペアリングシリーズを意識した番外編的なペアリング。

ツイートの文面にもあるように、ピノ・ノワールとじっくり煮込んだ牛肉の旨みが凝縮したシチューは、フランスのブルゴーニュ地方の代表的な郷土料理である「ブフ・ブルギニヨン」とピノ・ノワールのペアリングのジャパニーズ版というテーマで考えました。ワインの溶け込んだタンニンと綺麗に伸びる酸が、しっかりと煮込んだ牛肉の、溶け込んだ旨味ととてもよく合います。

フランスでもこの組み合わせは、ビストロやブラッスリーでの定場。気軽に美味しく贅沢にマリアージュを楽しめます。


メルロとコメダ珈琲店「小倉あん」

本日は「メルロ」をテイスティング。ブラックチェリー、カシスのような果実の熟した香りと味わいが心地良い。缶ワインもどんどん進化しています。このコメダ珈琲店のコメダ特製「小倉あん」を塗ったパンにもとてもよく合います。

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この小倉あんは、愛知県から通ってくだった受講生がプレゼントしてくれたもの。普通に食べるのもいいのですが、せっかくなので何かペアリングをしたいと思い、すぐにピンときたのがこの組み合わせ。

このメルロの熟した黒系と赤系のベリーフルーツが混在する香りと味わい、独特の土っぽいミネラル感とまろやかさに、小倉あんの味わいの個性とまろやかな甘味、煮詰めたような凝縮した風味にとてもよく合います。


最後に

今回の4品種のペアリングは、実は「コース料理」の流れも意識しました。ソーヴィニヨン・ブランのペアリングは1品目の前菜、シャルドネは2品目の前菜、ピノ・ノワールはメインディッシュとのペアリング、そして最後のメルロはデザートペアリング。

4つのアイテムはそれぞれの品種の個性が見事に表現されていて、私がこの業界に入るきっかけとなった神戸の伝統あるフランス料理店で供出されていたヴァン・ド・ペイのグラスワインを思い出しました。果実味あふれるブドウ本来のエネルギーを感じるワインの味わいは今でも覚えていますが、まさにその時の情景が浮かび、懐かしい気持ちにさせてくれました。

今回ご紹介させていただいたペアリングはもちろんほんの一例ですので、ぜひ色々なお料理とシチュエーションでお楽しみください。(ちなみに私はサントリーのスタッフではありません笑)

最後までご覧いただき誠にありがとうございます。また次回お会いできるのをとても楽しみにしています。

ワインディレクター 田邉 公一


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