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FOODEX JAPANで出会ったフランスの魅力 〜蒸留酒・ビール編〜


はじめに


東京ビッグサイトで開催されたイベント「FOODEX JAPAN 2023」に参加させていただき、多くの魅力あふれるアイテムと出会いました。

その模様をTwitterやInstagramでも積極的に発信させていただき、noteでもおすすめのワインを多数後紹介させていただいたのが、こちらの記事です。


「フランス」と言えばワインを連想される方も多いと思いますが、フランスは世界を代表するワイン大国であることはもちろん、世界中の多くの食文化にも影響を与える美食の国。

数々の素晴らしいワインが生まれると共に、魅力あふれる食材が数多く存在し、それぞれの土地の食文化とワインは密接に関係している。さらには、ワインに限らず、その食をより豊かにするためのさまざまな飲み物が存在します。

私自身、今回各ブースを回らせていただいてあらためて気付かされたのは、フランスはワイン以外のお酒も多彩で素晴らしいクオリティをもっているということ。

「三大ブランデー」と呼ばれる「コニャック」「アルマニャック」、そして「カルヴァドス」は、世界的に高い知名度を誇っており、ソムリエ・ワインエキスパート試験においても必須のチェックポイントですが、今回はさらにその枠を越えた飲み物との出会いがありました。


無二の個性をもつフランスのラム


フランスの海外圏であるカリブの島でサトウキビの搾り汁のみを発酵、蒸留させてつくるアグリコールラム。華やかなアロマ、豊潤で複雑な味わい。余韻のフレーヴァーも豊かで素晴らしい。「ホワイトラム+ライム+黒砂糖」を混ぜたシンプルなカクテル「ティポンシュ」が美味しすぎる。

田邉 公一Twitterより

ラムといえば、カクテルベースに使用されているものを多くの方が思い浮かべるのではないしでしょうか。

「ダイキリ」や「キューバ・リバー」等、日本でも有名なカクテルが存在しますが、フランス領でつくられる「マルティニーク」や「グァドループ」のラムは、サトウキビの糖蜜ではなく、搾汁したジュースを100%使用することで、また違った個性も持っています。

芳醇で華やか、複雑性のある香りは、まるで上質なコニャックを想わせ、ブランデーのように常温芽でそのままグラスにストレートで注いでゆっくりと召し上がっていただくのがおすすめです。


まずはストレートでお飲みいただきたいですが、先に公開したこちらの記事でご紹介している、現地でも人気のカクテルするのも、また楽しみの幅を大きく広げてくれます。


ラムのテイスティングコメント

それではここで、今回テイスティングしたマルティニークラムのコメントをさせていただきたいと思います。

特に気に入った「オポチューン XO」のテイスティング


香りはゆっくりと、アプリコットや黄桃のような甘い香りが広がり、香ばしいアーモンドやヘーゼルナッツ、クルミのニュアンス。ナツメグやクローヴのような甘苦いスパイスの要素、カラメルや紅茶のような香りもあり、複雑性を感じる。

度数から考えると、アルコール感を強く感じすぎることなく原料由来の風味が中心に感じられ、味わいは非常にまろやかで、なめらかなテクスチャーが心地よい。口の中で温まると同時に、香りで感じたアロマが豊かに広がり、まろやかな甘味と心地よい苦味、豊潤な風味との調和が素晴らしい。

ダークチョコレートやナッツはもちろん、チョコレートのタルトやアイスクリーム、カラメルプリンのようなデザートとのペアリングがおすすめ。

ストレートやロックスタイルはもちろん、ソーダで割ってカクテルにしても楽しめるでしょう。アレンジとしてライムを絞ってみるのも良さそうです。先ほどご紹介した「ティポンシュ」もぜひお試しいただきたい。


フランスのシングルモルトウイスキー


続いては、珍しいフランスのシングルモルトウイスキー「Heriose エリオース」をご紹介。

Heriose エリオース

フランスはブドウを原料にして造られる蒸留酒であるブランデーが有名ですが、穀物の生産も豊富であり、ウイスキーも造られています。

• フランスの大麦とフランスでの醸造
•Charenteタイプの単式蒸留器での2回蒸留
• 宿泊施設の280m下に引かれたアンジャックの森からの湧き水を使用。
• 数世代にわたるコニャックの生産者であるメゾン・ボワノーの知識とノウハウ
• バーボン樽で熟成。
• アルコール度数: 46% vol
•ユニークでエレガントなボトルデザイン

ストレートやロックスタイルはもちろん、フランスのミネラルウォーター「ボルヴィック」で1:1で割る水割りも個人的におすすめ。

グリルしたチキン、舞茸や椎茸のバターソテー、ソーセージの盛り合わせとの相性も抜群です。


バスク地方のビール

そして最後にご紹介したいのが、この南西フランス バスク地方のビール「バレア」。

エガリの「バレア」

バレアとは、バスク語で「クジラ」のこと。バスクの発展はクジラによるところが大きく、敬意を表する形でこの名が付けられたということ。

ミニセミナーでもそれぞれを比較テイスティングしていただきましたが、参加者の皆様に大好評でした。

ホワイト、ブロンド、IPAの3つのタイプがありますが、どれも心地よいスパイス感があるのが共通していて、まさにこの土地ならではの料理との相性の良さを想像できます。

フランスには他にまだまだ有名なビールがありますが、ワインと同じように料理やシチュエーションに合わせて選ぶのがおすすめの楽しみ方。

スモークオイスターや小エビやホタテのアヒージョ等の魚介料理はもちろん、ホワイトタイプに関しては、バスクチーズケーキにもよく合いそうです。

左から、ホワイトビール「パセア」、ブロンドタイプ「テルニュ ア」、IPA「エルカノ」



最後に


今回のイベントで出会った魅力的なワインや蒸留酒の数々。前回の記事とTwitter、Instagramも合わせて、多くのおすすめアイテムをご紹介してまいりました。

長年ソムリエを務めてきて、そして年々世界中の多くのお酒が日本で楽しめるようになってきた今でも、まだまだ未知の魅力的な飲み物がたくさんあることをあらためて実感。

このように素晴らしい機会をいただき心から感謝すると共に、フランスワインと料理がきっかけでこの世界に入り、育てていただいた者として、これからもフランスの飲と食の幅広い魅力をシェアしていける存在でありたいと思っています。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。また次回の記事でお会いできるのを楽しみにしています。

ワインディレクター 田邉 公一



最後までご覧いただき、心より感謝いたします🥂