最高のコーチは、教えない。
みなさんご無沙汰しております。
今日もこのnoteを開いていただきありがとうございます。
今回は今年読んだ本の紹介をしていきたいと思います。
現在(2023年10月28日時点)、プロ野球千葉ロッテマリーンズの監督を務める、吉井理人さんの「最高のコーチは、教えない。」です。
サッカーコーチなのになんで野球の本?と思われるかもしれないですよね。著者 吉井さんは現役時代プロ野球選手として日本だけはなくアメリカでメジャーリーガーとして活躍され、その現役期間に受けた指導者のコーチングや接し方に疑問を抱き、現役終了後に筑波大学大学院で学ばれた経歴があります。
その知識や経験は私たちサッカー指導者だけでなく、組織で働く社会人の方にも役立つのではないでしょうか。
昨今、「教えない」というのはとても良く聞く言葉となってきました。元ジェフ千葉の池上正さんやスペインビジャレアルの佐伯夕利子さんなど、「教えない」指導のエキスパートが増えてきていますが、「本当に教えなくて、上手くなる?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方にもおすすめの本です。
最高のコーチとは?
著者 吉井理人さんの理想は、「選手自身が課題設定をし、自分でその課題を解決できるようになる」ことで、そのためにコーチは教えるのでなく、気づかせることや納得させることが大事と考えられています。
コーチングについて
じゃあ、どうやって「気づかせたり、納得させたりする」かというと、コーチングです。
教えないというと、何もしなくていいように聞こえますが、この本ではコーチングという手法を使い、課題を発見したり、課題設定の修正を促すことができると書かれています。
そしてまずコーチングで大事なのは、選手それぞれにあったオーダーメイドのコーチングをすることです。
コーチングの具体的な内容としては、観察→質問→代行です。
選手に実際アプローチするには観察が非常に重要です。普段からどんな性格なのか、最近の心理状況等、徹底的に観察をします。ここで、著者の吉井さんは本人以外から聞き取りするのが有効だと述べています。
なぜなら、本人は知らず知らずにバイアスがかかり上手くいかなくても上手くいってる等勘違いしている場合があるからです。
そして質問です。
例えば、「今の配球はどうしたらうまくいく?」のような質問を選手に投げかけると、人間の脳は勝手に解決策を考えるようになっています。そして、言葉にすることによって、言語化能力が高まり、思考の質も上がってきます。
この時にコーチにとって重要なのは2つで、「安易に答えを言わない」と「間違った方向に進みそうな場合は軌道修正する」です。
「安易に答えを言わない」のは選手が自分で課題を解決することが重要だからです。実はこれはコーチにとって非常に我慢がいることなんです。著者 吉井さんの歴代のコーチの権藤さんがアメリカにコーチ留学していた時の話で、右打ちがどうしてもできず苦しんでいる選手に良かれと思ってアドバイスした所、他のコーチから「お前は〇〇の成長を止めた。あそこで自分で工夫してできるようにならないと、打てるようになっても意味がない」と怒られたそうです。
ただし、選手も時には答えが出なかったり、自分の特徴に合わない方法に進んでしまう場合もあるので、そこではコーチが軌道修正してあげる必要があります。この時、前述したとおり答えを言うのではなく、こんな選択肢があるよ等に留めておかなければなりません。
最後は「代行」です。
私たちは知らず知らず、自分の中の正解を相手に教えようとしてしまいますが、必ずしも選手たちにとってそれが正解とは限りません。ここまでの「観察」「質問」を通して、相手の心の中を知り、そしてその自分がその本人だったら、何が正解という答えなのかを一緒に考えていかなければなりません。
課題設定と解決について
選手たちは自分たちで課題を設定し解決する循環を回していかなくてはなりません。
課題設定に関してはいかに手の届きそうな課題を設定するかが重要です。課題が高すぎると達成を出来ずに諦めてしまい、低すぎると簡単過ぎて満足してしまうそうです。ここで重要なのは最終的に達成したいことを「目標」と呼び、目標は高く設定し、課題は頑張ればできることに設定することです。
そして解決に向けて大事なのは「振り返り」です。
すでにお伝えしたとおり、質問により自分の言葉で振り返りることで言語化の力が上がり思考の質が高まることによって、次の行動に繋げていきます。
重要なのは次の行動が成功するかどうかよりも、こういったトライを繰り返していくことだと私は思いました。
自分でもがき苦しむことでしっかりと力に変えていけると思います。
以上が、わたしが感じた「最高のコーチは、教えない」です。
「教えない」とは非常にコーチとしての技量が問われ、我慢も必要になってくるのかなと思いますが、必ず選手たちにとっていい影響を及ぼせるのではないでしょうか。
みなさんの中でこの本を読んだ方や、読んでみたいなと思った方等は是非コメント頂けたら大変励みになります。
今日も最後まで読んで頂き本当にありがとうございます!
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