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アメリカの祝日Juneteenthの意味

今日6月19日は”Juneteenth”で祝日だった。(6月のJuneと19日のnineteenthから作られた合成語、ジューンティーンス)
ミネソタ州では今年2022年から祝日になった(2021年にバイデン大統領がこの日を連邦の祝日とする法案に署名していた)。

リンカーン大統領による奴隷解放宣言後の1865年に南北戦争が終結し、最後まで奴隷制が残っていたテキサスで、その年の6月19日、制度の廃止が通達された。

150年前と言えば日本は、日本はペリー来航と開国からちょっと経ったあたり。とても昔の出来事にも思える。

しかし人種差別はさまざまな形で続き、差別を禁止する法律が定まったのは1964年。解放宣言から実に100年を要していた。

それでも問題が解決されたわけではない。

2020年に僕が渡米してきた直後に、ミネソタ州ミネアポリスでジョージ・フロイドさんが警官に殺害された事件を受けて、改めて人種差別への抗議運動が全米へと広がっていった。

当時はレンガが飛び交い、高速道路は封鎖された。
街の中心近くで略奪行為が行われたスーパーは廃墟となり、今でもフェンスで囲まれている。


僕が渡米してきた時期はパンデミックの始まりと重なり、アジア人がウイルスを持ってきたとして風当たりが強まっていた。
あれから2年、アメリカはすっかり元の生活を取り戻したものの、今でもアジア人ヘイトのニュースは絶えない。

どこか遠い世界で起こっているのではない、僕が住んでいるところで起こっている。

この150年間、限られたコミュニティでだけ祝われていた奴隷解放のこの日が、ついに祝日となったことで全米がこの日を認知した。
そして今、アメリカに外国人としてやってきた自分が振り返ると、150年前が遠い過去には思えない。

人種差別が社会に残した爪痕について考える機会とも言えるJuneteenth。

アメリカ国民全員のみならず、世界中でこの日の意味を祝い、乾杯して語らい合えることを願いたい。


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