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1ヶ月の語学学校の思い出

2ヶ月という長すぎる冬休みを利用して、この4週間のみ、私立の語学学校に通っていました。

9時にようやくお日様が目覚める冬のパリで、授業は8時30分開始。毎朝早起きが大変でしたが、それも乗り越えられるほど楽しい学校生活を送ることができました。

クラスは8-10人の少人数で、コの字に座り、座学よりも会話が重視された教育システムは、ソルボンヌでの先生と黒板と教科書に向き合うシステムと全く異なり、勉強ばかりしてきたために、実用力に欠けていた僕にとって、この上ない絶好の機会となりました。

レベルは、秋の頑張りもありB2(仏検準一級相当)のクラスに。文法はおおよそカバーしていたため、練習問題の時間では楽に過ごせたものの、ディスカッションの時間になると、ベラベラと話し始めるブラジルの友だち、ベネズエラの友だち(彼らは母国語がポルトガル語、スペイン語で、フランス語と同じラテン語をベースにした言語のため、使いやすいのでした)の前に、なんとかついて行こうと必死な顔とわかったようなリアクションを取るので精一杯でした。

フランス語で難しいとされている文法、活用、語順にはかなり慣れてきたように感じる今日、僕の最大の課題は単語でした。英語では、なんとなく日本人の感覚でも理解できるような簡単な動詞が、フランス語では全く違う形で出てくるのです。

この1ヶ月で僕の語彙力が上がることは、正直ありませんでした。というのも、あまりモチベーションが上がらなかっただけですが、僕の今の課題が明確になったこと、そしてそれを克服すれば、僕はB2レベルに達することができる、という先が見えたことは、この1ヶ月で得た最大の学びだと思います。

さて、3ヶ月続くセミスターごとに登録するソルボンヌと違い、一週間単位で登録できるこの学校では、毎週のように新たな出会いと別れがありました。ようやく仲良くなれたと思った頃に、別れが来るのはとても辛いことです。それでも、短い間に彼らから学んだこと、それは文化のちょっとした違いや、十人十色のパーソナリティは、僕にとってかけがえのない学びでした。

B2という比較的レベルの高いクラスでは、雑談もフランス語になります。ソルボンヌではB1のクラスだったため、英語で会話し、皆でフランス語を勉強するというような雰囲気とは全く異なりました。毎日フランス語で話を聞き、フランス語の限られた語彙で考え、考えながらフランス語を話していく。そのアウトプットが何よりも良い機会となり、いつしか簡単な定型文は、舌につくようになっていました。

それでも、お互い話が伝わらなくなった時は、英語に切り替えて話し始めます。クラスメイトは英語が母国語のアメリカ人、シンガポール人、英語を話すのが当たり前なスイス人、ブラジル人、スウェーデン人。たくさん英語を勉強して使ってきた僕でしたが、やはり英語圏での実生活経験がないため、英語でさえ話についていくのが大変な時がありました。(特にアメリカ人は話すのが本当に早い。。笑)

それでもフランス語に比べたら、会話に支障が出ない程で使うことができ、皆と色々な雑談をしたり、より一層仲良くなることができました。このフランス留学でとても感じてきたことですが、英語圏以外の留学の良さの一つとして、英語が目的ではなく手段となるため、自然と実用力が付いてくるということです。もちろん、英語を日々勉強している訳ではないため、これによって難しい議論をしたり完璧に英語を使いこなせるようになる訳ではありません。実際、真面目な話が好きな僕は、このために何度もその機会を逃してきました。それでも、一般的に英語習得が目的となっている日本から来た自分にとって、どの国から来ている人も皆英語を当たり前のように話す環境に身を置けることの意義は、本当に大きいように思います。

一つ、印象深かったお話をしましょう。その学校の先生が、以前日本人の生徒を持った時のお話です。その生徒は授業中、問題か何かで間違ってしまい、その後の休憩時間中、廊下で泣いていたのを見て、その先生は大変なショックを受けました。少なくともフランスでは間違えることなど当たり前で、誰も気にしないのに、日本人は間違えが許されない、だから間違えるととても恥ずかしくなるのだと、その先生は知りました。

廊下で泣くかどうかは人次第ですが、間違えられないという文化は、とてもわかるように思います。そのために、自信がないときは発言しないようにしたり、間違えを隠そうとしたりすることは僕にも何度もありました。

ですが、この話を聞いてよく考えてみれば、クラスメートはどんな間違えをしてでも積極的に発言し、間違えてもケロッとしているのです。分からない、知らないことは恥ずかしいことじゃない、間違えることは悪いことじゃない、そう心から思えた瞬間でした。そしてそう思うと、気が軽くなり、自分が出来る範囲でいい、誰かと比べる必要もない、出来ることをすればいいのだ、と、授業だけでなく、日々の生活も穏やかな気持ちで過ごせるようになりました。

かなり長いこと話してきたので、最後に今日一日の日記を記して終わりたいと思います。

今日は学校終わり、クラスメート5人で学校近くのカフェでランチをしました。サンジェルマンデプレとセーヌの間にあるとてもシックで由緒正しい僕が好きなカフェに行きました。

ブラジル人、スイス人、スウェーデン人、アメリカ人の皆とする会話は、やはりそれぞれの国の文化、そしてこのパリという地でそれぞれどんな自分の文化を持ち込んで生活しているかでした。

ブラジル人の友だちにとって、フランス人は静かで、パリのセーヌはつまらなくて、少し郊外の近代的な方が楽しいみたいです。僕とは全く正反対笑

スイス人の友だちは、エッフェル塔のすぐそばに住んでいて、レトロで味のある写真をインスタにあげているアーティスティックな17歳の女の子。本当にしっかりしていて、自分の17を思い返すと少し恥ずかしい笑

スウェーデン人の友だちは、北欧人よろしく落ち着きながらも笑顔と親切心を絶やさず、多趣味で毎日をとても楽しんでいて、学ぶこと、憧れることがとても多いです、この夏は北欧に行きたいなと思います。笑

アメリカ人の友だちはまあ話すのが早いyoung guy、いつも皆ととっても楽しそうに話していて、この社交性は本当にすごいなあと、、笑。この極寒のパリのセーヌ沿いを短パンで走っているそうで。格好はともかくパリのランニングは本当に楽しいですネ

とてもシックなフレンチカフェで、ワイワイ英語で話していたので、なかなか周りの方達には申し訳ない気持ちでしたが、お別れが間もない今日皆と一ついい思い出を作ることができて本当に満足しています。

明日が最終日です!最大限楽しみたいと思います:)

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