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宛名がある。心が宿る。今日は「世界郵便デー」

ポストを開くとき、僕は1日の中で一番 "無" の気持ちになります。

近隣全てにポスティングされであろうチラシ、どこで登録したか覚えのないDM、電気・水道料金の徴収票……「あぁ、はいはい」以外に感想がないけれど、受け取るしかありません。

でももし、そういう中で、誰かが自分の宛名を書いた手紙が交じっていたら。「えっ!? あの人からなんで!?」と思いながら、すぐに裏面を確認してしまうと思います。

どんなに世の中が便利になっても、「宛名」の力は強い。

むしろ、SNSで不特定多数に向けたメッセージが溢れているからこそ、郵便という形あるもので、自分だけに宛てられた言葉が届く、という嬉しさはひとしお。

だから、「宛名」は昔も今も変わらない、誰もが喜ぶ贈り物だと思うのです。

今日、10月9日は「世界郵便デー」。

1874年10月9日、万国郵便連合(UPU)が発足したことを記念する日。UPUができたことで、世界どこへでもほぼ固定に近い料金で郵便物が送れるようになりました。

…なんて、説明したところで、この記念日を知ったのは先月の話。

奈良新聞の広告コンペ「クリエイティブ・アド(通称:クリアド)」の課題テーマになっていたからです。

最近、楽しそうに広告づくりに取り組む妻に感化されて、「やろう」と半ば強引に巻き込みました(笑)。

恥ずかしながら初めて知った記念日でしたが、調べて、考えれば考えるほど、実はすごいターニングポイントなのではと思いました。

世界が今のようにボーダーレスではなかった時代に、国も、人も、分け隔てなく、「宛名」一つきちんとあれば、誰かに言葉を贈れるようになったからです。そして、その宛名が持つ力は今でも変わらない。

そんな考えを込めてつくりました。

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手紙目線のコピー。「心がやどる」は、書き手の気持ちが宿る、という意味と、手紙にも心が宿って人のように喋るというギミックを掛けた言葉です。

今考えると、課題からは、少し逸れた解釈をしたな、という反省はあります。でも、つくったもの、メッセージ自体は、僕個人として素直に「そうだよな」と思えるものだったりします。

結果が出なかったのは残念ではありますが、それは力不足だと受け止めつつ。

せめて超微力であっても、こういう発信をすることで「世界郵便デー」をきっかけに、どこかで誰かが「メッセージを贈ろう」という後押しになれば、このうえなく嬉しいです。

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