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日記|あたらしい季節

お酒を飲んで夜風にあたると
胸の中が緑色で満ちる。

あまりちゃんとお花見をしないまま春が過ぎてしまって、
季節が過ぎていくのを寂しいと初めて思った。
背後で重たい鍵がかかるみたいに
何かが確実に終わって、戻れなくなる。
今までもずっとそうだったのに、
わたしは初めてそれに気づいた。

(まだ話していたいので)
眠くないです、と言い張っても
手を握られたら全部ばれてしまうように
生きている身体も心も正直すぎて
時にめんどくさく
この魂の乗り物は年々メンテも複雑になって
途方に暮れたりしている

閉じた扉の向こう
遠くできれいな音が鳴ってる
あれはいつか聴いた 光の海の歌


近況:階段から落ちて骨折してしまったので痛み止めと称してお酒をよく飲んでいます。飲んでいれば痛くないのですが日によってはよちよち歩きになっていることがあります。全治2ヶ月は長い。

「抒情詩の惑星」月イチ連載更新されています。
https://poetry2021.webnode.jp/l/連載:これも愛やろ、知らんけど-⑥墓場のラブソング-河野/

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