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ただ、いっさいは過ぎて‥‥いくはず~めまいの発作日記

「ただ、いっさいは過ぎていきます」
太宰治の『人間失格』にある言葉

何があっても、どんな状況でも 事柄はひたすら静かに過ぎていくものですよね


明け方、目覚めたとき
「あぁ目を開けちゃいけないやつだ」と気がついた

ぐるぐるぐるぐる回っている
とにかくベッドから落ちるように降りて対発作姿勢に入る。

そう‥‥たぶん、いつもの発作
だけれど、ここ数年の中でちょっと大きい感じだ。

「この病気で命の危険はありません」
この病の確定診断を受けたときに大学病院の先生に言われた。
しかし、苦しい‥‥気持ち悪い…


‥‥救急車を呼ぶか‥‥この10年くらいで もう4回ほどお世話になっているからなぁ‥‥タクシーにしよう

目を開けると世界がすごい速度で回転し、キラキラキラキラまぶしいので目を固く閉じている。
電話をする時・移動する時だけ、一瞬の間だけ目を開けて状況を把握して、その瞬間の風景と記憶だけで対処する。
対処している途中でも目まいと吐き気が猛烈に襲ってくる‥‥吐しゃ物を受け止めるビニール袋て顔面を覆い、「おぉぉぉぉぉ!」「うえぇぇぁぁぁぉぉ!」と内臓を引きずり出す気分の声を上げながら‥‥「もしもし・大丈夫ですか」の電話の向こうの声‥‥

タクシーの運転手さんに事情を話す、頭を動かすと吐き気を催すこと・しかし何も吐くものがなく汚す心配がないから安心してほしいこと・苦しむ声を出し続けるが構わずⅠ総合病院へ行ってほしいこと・を伝えて走る。

頭の中では「ただ、いっさいは過ぎていきます」の言葉を唱える。
太宰が書いていた「阿鼻叫喚の地獄」なみの苦しみ同様の 今の私のめまいも吐き気も、いっさいは過ぎていくはず‥‥その時を待つ。

お医者さんや看護のみなさんは手を尽くしてくださいます。
数本の点滴注射とモニターケーブルでつながれて救急外来のベッド。
そう朝からすでに9時間以上経っているようだ。

時間の流れは、どんな形であれ
ただ、いっさいを流して過ぎていくのですから。

症状が安定した夕方からMRI検査。

私の頭のどこかの断面

「脳みそはきれい」って。
「ずいぶん前の脳梗塞の痕跡がありました」と。
今回とは無関係そうなくらい昔の痕跡
「そのくらいの歳なら少ないほうですよ」とK医師‥‥でも微妙にショックかも。
結局脳外科のK医師は「私の耳鼻科由来の病気についての知識がない」とのことで
「目まいと吐き気だけ取りました。もしまた発作があったら来てください」
と明るい声で帰宅を許可されました。
初診料を含めて8,500円。タクシーが往復6,000円ほど。

発作のトリガーがわからないのだけれど

延々と吐く動作は体力をつかい切ります。
そして手持ちの財布の現金も使い切りました。


発作から四日目に書いています。
もう、ずいぶんと気分が良い。

そしてまた
ただ、いっさいは過ぎていきます


◆前の記事を書いた直後の金曜日に出た発作の様子を、水曜日に書き上げました。持病はメニエル症で内耳の浮腫によるものらしく完治は難しいと聞いています‥‥よかったら「♡ スキ」をください。励みになります。

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