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ターゲットの大会で最大パフォーマンスを発揮するには

以前、柿添さんが「試合のメンタルの状態での練習をすること」が大切と書いていた(記事)。練習において大会との差分を埋めていくことが大切で、メンタル面はその中で見落とされがちなポイントだと思う。

メンタル面において、大会当日や大会が間近に迫った状況で、大切なことがある。それは、自分がコントロールできることに集中すること


なぜメンタルか

メンタルが大事。色んな場面で言われていて、特に異論はなさそうだが、なぜメンタルが大事なのか、本題に入る前に整理しておきたい。

パフォーマンスを発揮するにあたって、心・技・体の3つがバランス良く整っていることが大切であり、3つはそれぞれ影響しあっているとよく言われる。

このうちの技や体については、大会直前で急に悪くなるようなものではないと考える。昨日までできたことが、精神や身体の不調などの理由もなしに急にできなくなることがあるだろうか。例えば箸の持ち方、自転車の乗り方。あるいは急に筋力や持久力が低下することはあるだろうか。

一方で、メンタルは、一喜一憂という言葉があるように、状況や発生した物事に応じて変化しやすいものである。そして、メンタル面が崩れてしまえば、技術面や身体面に悪い影響が出やすい。落ち込んでいる時に普段簡単にこなしていることでもミスをしたり、力が出なくなったりした経験は多かれ少なかれ持っていることと思う。

したがって、メンタル面をいい状態に保つことが、大会を迎えるにあたって重要になってくる。

自分がコントロールできることに集中する

水泳という競技は、決められた距離を決められた種目でもっとも速く泳いだ人が勝利する競技である。自分が出せる最速のタイムで泳ぐことが、勝利するために自分ができることである。だから自分の出せる最速タイムを出すために何をすべきか、に集中するべきだ。

順位を競うとき、相手のことを気にしてはいけない。相手のタイムを左右することはできないから。相手のことを気にしだすと、脳が勝手に自分と相手の比較をしだし、相手は調子がいいのではないか、ベスト出してくるんじゃないか、と不安を掻き立てる。自己肯定感の低い人ほど、そういう状態に陥ってしまう。いくら気にしたところで相手の調子が悪くなることも、タイムが遅くなるわけでもないのに。

こういう場合は、「誰々に勝たなければならない」を「何秒出せば良い」に置き換える。その後は周りを気にしない。時間は等しく平等で不変である。勝手に短くなったり長くなったりしない。それを超えられるように、自分に集中することができる。結果として目標とする順位を下回るなら、相手の実力が上だっただけだ。

レース以外の場面でも、常に”今の状況において”自分が何をすべきかを考えるべきだ。状況についてどうこう考えたところで、自分ではそれをコントロールできないので考えるだけ無駄である。

朝のウォーミングアップ、プールが混雑していて、少しでも空いているレーンを探そうとしないほうが良い。移った先のレーンに新しく選手が入ってきて1番混雑するかもしれないし、急に間を空けて泳ぎ始める人がいるかも知れない。ルーティーンを持っている人も要注意。ルーティーンを行えない環境のときに、不安を抱く可能性がある。

まとめ

心技体の3要素のうち、急に悪化することがあるのはメンタルである。そのメンタルを良い状態に保つために、自分のコントロールできることに集中することが重要である。

おまけ

長距離種目では駆け引きこそが勝負を分けるという人もいるかもしれない。わたしは長距離種目を経験していないので、実体験から語れることは何もないが、ある程度上記の考えは適用できるのではないかと思う。


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