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100mの後半でバテないための練習
どれだけ不要な力を使わずに泳ぐか、という練習をします。何度かtweetしたことはあるのですが、流れてしまうので、具体的なメニューはそのうちnoteに書きます #Peing #質問箱 https://t.co/g5e8i5a1yE
— 富永航平 (@kohhei_tominaga) June 28, 2022
「100mの後半でバテないために、どんな練習をしたらよいか」という質問をもらうことが多々あります。質問者の水泳暦や練習内容、レースでのタイム等の情報なしには一概にコレだ、とは言えません。ただ、多くの人が、「持久力が足りない、持久力を付ければ後半バテなくなる」と考え、低強度、高強度含め持久系練習に積極的に取り組んでいると感じており、無駄な力を使わずに泳ぐ、という視点、練習が不足していると考えています。
無駄な力を使わないとは
例仮定の話を出して説明します。
腕立て伏せを綺麗なフォームを保って50回ギリギリできる人がいたとします。腕立て伏せを50回、全力で行ってくださいと言われました。意気込んだあまり、腕立てジャンプ(身体を上げた時に手で地面を強く押して手を地面から離す)を始めます。20回ほどでジャンプ出来なくなり、最後の10回は腕をピクピク動かすことしかできませんでした。
この人が行った腕立て伏せでジャンプするという動作が、無駄な力を使っている、ということです。腕立て伏せという比較的シンプルな動作であれば、明らかにおかしいと誰もが気づきますが、流体の中で移動を伴う全身運動という水泳では、なかなか自分が無駄な力を使っていることに気づきにくいです。
100mのレースで、腕立ての例の最後の10回のような状態になってしまえば、当然泳速もガクンと落ちます。それを、持久力が原因と断定せず、他の要素にも目を向けるべきだと思います。
無駄な力を使わずに泳ぐには
無駄な力を2つに分類してみます。
ゆっくりリラックスして泳いでも使ってしまう無駄な力
速く泳いだ時に使ってしまう無駄な力
1は、気づくことが困難です。なぜならそれがデフォルトだからです。身体の使い方が改善された時に、「あ、こんなに楽に泳いでいいんだ」と気づくことがあります。あるいは技術面で改善があった場合にも同様の気づきが得られることがあるでしょう。こちらは人それぞれの課題によって対策は変わってきます。
2は、ゆっくり泳ぐときと速く泳ぐときの比較で気づくことができます。もちろん自分の感覚に鋭く目を向けなければ気づくことはできませんが。こちらは、比較をしながら無駄だと感じる力みを抜いていく練習をすることで改善することができます。
具体的な練習メニュー
私が速く泳いでも無駄な力を使わないための練習として、どのようなメニューを行っているか紹介します。
25m × 12本 45秒サイクル
奇数本目: ゆっくり泳ぐ
偶数本目: 速く泳ぐ
何の変哲もないメニューですが、ポイントを説明します
無駄な力を検知するために極度に集中するため、25mという短い距離で行います
本数は納得がいけば8本で終えることもありますし、逆に16本くらいまでやることもあります。それ以上になると集中が持たないので、上手くいかない原因を整理してやめます。
サイクルは息がある程度落ち着くくらい長く、1本前の感覚が残っているくらい短く設定します。私は40秒〜50秒程度で設定することが多いです。
奇数本目は良いフォームでゆっくり泳ぎます。私が平泳ぎで行う時は3ストロークで泳ぎます。1本前の泳ぎをレスト中に振り返り、改善点を決めて泳ぎます。
偶数本目は決められたストローク数の中で速く泳ぎます(2本目は1本目のストローク数+1回)。ここでの完成度が60%〜80%であれば、次の偶数本目は同じストローク数でより速く、完成度が80%以上であれば、次はストローク数を増やします。完成度は主観的な数値で構いません。無駄に力を使ってないか、正確に動作出来ているかを評価します。
最終的にレースで泳ぐ時のストローク数に近い数で完成度を高めることになります。私の場合は7ストロークまでいければ、かなり上出来な仕上がりです。
タイムを測って速く泳げたかも客観的な指標として大事ではありますが、タイムを気にしすぎると、余計に力んだり、力みに気づかなかったりするので、参考程度に留めましょう。
おわりに
この類の練習は、1回やっただけで効果があるものではないと思います。私の場合は、大事なレースの2〜3週間前から毎回取り入れて、最初は4ストロークでも力んでしまうところから、徐々にそれが取れて5ストローク、6ストロークでも必要最小限の力で泳げるように削ぎ落としていきます。
最後にバテてしまう人が、なぜ持久力に目を向けてしまうのか、色々理由はあると思います。また別の記事にて考察してみたいと思います。
以上。
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