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京都大学のお金事情を調べてみた。その結果は?

はじめまして。こーへいです。今日は日本でも超有名、最近だとiPS細胞の研究で話題になっている京都大学の財務諸表を読んでみたので、感想を書いていこうと思います。

この記事の目的は?

以前に「東京大学のお金事情を調べてみた。その結果は?」という記事を書きました。この記事で「他の旧帝大、東工大、一橋大はどんな感じなの?」と思い、京都大学を調べることは決まりました。いくつか候補がある中で京都大学にした理由は、、、ないです。ちなみに、次からは北から順々に調べていこうと思っているので、北海道大学を調べることになりそうです。
気になるのはiPS細胞の研究にどのくらいお金が出ているのか、東京大学と比較されがちだが、実際どっちがお金の面で優遇されているの?とかを知れると良いなぁと思います。

京都大学の収支は?その内訳は?

上の表は2016年の京都大学の収益一覧です。合計収益は1597億9766万6000円です。1.運営費交付金収益 515億4479万5000円 2.附属病院収益 362億1847万3000円 3.受託研究収益 271億5558億2000円 4.雑益 115億8518万円 5.授業料収益 98億1188万9000円でした。
この雑益には補助金等収益 60億1950万7000円 研究関連収益 31億4881万1000円が含まれており、これらが雑益の大半を占めています。

前回に調べた東京大学の決算と比較してみると、だいたい同じような収益構造です。ただし、東京大学の2016年の収益は2273億9700万0000円となっており、京都大学の収益はだいぶ低くなっています。そして、どの事業収益のセグメントを見ても、東京大学が高くなっています。収益のみを見ると、東京大学を小さくした感じですね(関係者に怒られそう)。それと、2013年~2015年の収益はこんな感じです。

それぞれのセグメントで数値の変動はあれど、大幅に収益が変動したセグメントはほとんどありませんでした。共同研究収益は2016年に突然計上されていますが、2016年以前から収益が上がっていました。ですが、共同研究という項目としては存在していなかったというだけのようです。

京都大学は何にお金を使っているの?

京都大学の収益は以前に調べた東京大学とだいたい同じ構造であることは分かりました。それではそのお金をどのように使っているのか調べてみます。

2016年の経常経費に関しては、教員人件費:387億8316万円、職員人件費:284億9151万円、受託研究費:261億7263万円、診療経費:233億0731万円、研究経費:201億3243万円、教育経費:78億3124万円でした。

職員人件費がめっちゃ高い気がしましたが、東京大学の職員人件費は217億円だったので、高すぎるということはないですが、東京大学よりも予算が少ない中で、職員人件費が東京大学よりも高いことに関しては疑問でした。
ですが、京都大学の職員募集ページを見てみると、やっていることに企業の人と何ら変わらないことを知りました。普段大学に通っていて、「職員の人って本当に仕事あるのか?」と疑問だったので、職員の給料が高いことに疑問でした。ですが、少なくとも京都大学の職員に関してはその疑問が払拭されました。他の大学職員も目に見えないところで仕事がたくさんある、大学の運営で必要なことをやっている、大学の運営をより良くすることをやっているのだと察しました。
ちなみに、京都大学の職員数は2,730人で、そのうち1,387人が医学部附属病院に所属する職員でした。

東京大学との最も大きい差は「研究経費」です。東京大学の研究経費は406億8100万円ですが、京都大学の研究経費は201億3243万円です。およそ二倍もの差があり、京都大学の研究の予算の少なさが伺えます。研究経費の内訳は発表されていないみたいなので、分かりませんが、どっちにしろ、東京大学と比較すると、不遇であるみたいです。東京大学と京都大学とよく比較されますが、研究で使われているお金はかなりの差があります。

総括

これを書く前日にMITの記事を書いていたのですが、本当に桁が違くいますね。MITは私立大学ですし、経営の自由度が高そうですが、それにしても日本でも有数の研究機関/教育機関の京都大学がこのような予算でやりくりしていると思うと、悲しいです。このような規模の予算でノーベル賞受賞者が出るってことは予算が10倍になれば、研究機関として世界でトップになるのでは?と期待はありますが、今の政府にそのような期待はできそうにありません。

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