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【激レア?】海外撮影コーディネーターの裏側 紹介vol.1

現地でのあだ名はJorge(ホルヘ)と言われております私ですが、大好きな南米で撮影コーディネートを7年近くやっています。

さて、皆様は海外撮影コーディネーターという仕事を聞いたことがございますか?海外撮影コーディネーターとはなんぞや?って方がたくさんいますよね?

裏方の仕事なのであまり多くを語ることはできませんが、どういった仕事なのか、受注の流れ現地での仕事面白み必要な素質資格は?等を紹介していきます。

以下、エピーソード7までお送りしますが、かなりボリューミーになるので、今回は2までとし、小分けにして、記載していきます。

「1.海外コーディネーターとは?

 2.受注から現場撮影までなにをするのか?
   Reserch
   Permission
   Schedule              」


3.現場の対応
4.撮影終了後から放送まで
5.撮影コーディネーターの楽しいこと 辛いこと
6.コーディネーターに求められる能力
7.コーディネーターに必要な資格


では行ってみましょう


1.海外コーディネーターとは?

スクリーンショット 2020-05-01 午後0.37.30

海外撮影コーディネーターとは、主に日本のTV番組の海外ロケで必要な全てのオペレーション(リサーチ、撮影許可、ロジスティク手配、ホテル手配、現地キャスティング手配、通訳、アポ取り他諸々)を行う仕事なんです。

TVの仕事だけでなく、新聞の取材有名人の海外写真撮影、ある会社の工場視察巡りのコーディネート等、多岐にわたるお仕事の問い合わせを頂きますが、簡単に言えば現地に精通したスーパーガイドのようなものです。

ただし、旅行ガイドと違い、求められる「質」や「ポイント」が全く違います!

現地ガイドよりも知っておかないといけないこと、やってはいけなこと等業界あるあるがたくさんあります。

TVの撮影コーディネートの仕事を受ける際、必ずTVコーディネート実績を聞かれます。旅行ガイド経験のみだとよほどの理由がない限り断られます。

あくまでも個人的な意見ですが、海外TVコーディネーターはガイドのトップオブ・ザ・トップのようなものだと思っています。

それは後々お話させていただくとして、受注から現場までの仕事を次の段落にてさらっと紹介していきます!

2.受注から現場までなにをするのか?

流れからいくと「リサーチ」「許可取り」「スケジュール」→「現地ロケ」といったこのような流れです。

ではまずはリサーチから

RESEARCH(調査)

スクリーンショット 2020-05-01 午前9.33.26

撮影コーディネーターの仕事で一番最初に始める仕事は「リサーチ」というお仕事です。

リサーチは英語では「Research」と書き、「調査」という意味ですよね。

では、なにをリサーチするのか?

それは、番組放送をするにあたりそれが本当に正しく正確な情報か、今尚存在するものなのか、いわゆる現地情報の裏取りです。

例えば、南米の◯◯地方に、村一番ヒゲの長くテンションの高いおじさんが毎週火曜日◯◯レストランに出没しているという記事やブログをTV局の担当者がみつけてきて、果たしてそれが本当かどうかといったところをリサーチ(調査)するのです。

まずは情報源のブログの日付等をチェックして、最近の日付かどうか、日付が結構経っていれば情報をアップデートする必要があります。まずはそのブログを何回も読み直して情報源から収集できる情報を最大限に引き出します。今度はその情報を元に、自分のありとあらゆる人脈を使い一気に情報を集めにかかります!もしリサーチ対象国が自分が住む国であれば、現地に飛ぶのが一番はやいですね。現地に飛んで、その周辺のお店の人に聞き込み調査をして、連絡先を入手する探偵みたいな仕事をします。

これがまた大変なんですよね。

南米なんかはですね、みんな適当なんですよ。

知ってる知ってる詐欺が横行していて、これは国民柄なんですが・・・たどり着いたら全然しらんただのおっさんなんてことはザラです。

TV電話したら、お前誰やねーんっていうのもザラです。

そんなこんなを繰り返して、ようやくたどりついていくんですが、そこからが仕事なんです。次はその取材対象者といかに信頼関係を作っていけるか?「信頼づくり」というところも大事なポイントです。

ここが、結構重要


なぜか?


当日、日本のクルーがきてアポイントの日に現れなかったら大変ですよね?また取材対象者が一体どんな方かもわからないんです。めちゃくちゃ神経質な方かもしれません。めちゃくちゃ礼儀に厳しい方かもしれません。


だからたどり着いたら慎重に慎重に丁寧に丁寧に挨拶して、趣旨の説明、顔合わせと自分が日本から買ってきている日本土産なんかをもっていき、信頼関係を構築していきます。


そしてこのときに大切なチェックポイントがあり、南米に特化したことかもしれませんが、取材対応者が時間を守る方かどうかを必ずチェックするんですよね。こない方は遅刻常習犯くる方は南米で貴重な時間遵守方、ってメモをどんどんしていきます。


このように、まずはこのリサーチっていう基本的なお仕事から始まり、情報が事実かどうか?そのおじさんは健在か?本当にテンションが高いのか?等を見極めるそんな仕事です。日本のTV局も昨今コンプライアンスに非常に敏感で絶対に「嘘、偽り、やらせ」は放送できないですから、ここにしっかり時間をかけて番組を一緒に作り込んでいきます。

情報の信憑性が高ければ、いざ、現地取材へとの流れになり、次に撮影許可取得という仕事へ移ります

PERMISSION(撮影許可取得)

スクリーンショット 2020-05-01 午前9.33.20

実際は、リサーチと同時にすすめることが大半ですが、数あるオペレーションで最も大事なところは、撮影許可&機材の通関手続。これがこれなくして、仕事無。

ほぼ全ての撮影物に、管理している方や持主がいるので、必ず許可をとります。

どこを撮影するにも許可が必要で、撮影するには当然機材が必要です。どういう目的で来たのか、そのためにどういう機材を持参したのか、撮影日はいつからいつまでなのか、等をしっかり記載し、空港で機材とともに通してもうら必要があります。

そんな撮影許可は、大きく2つに別れます

①国、政府、市、国立公園等の許可

②プライベートな許可 

例えばパナマ市内を撮影するなら、DICINEといった映画庁の撮影許可が基本的に必要で、上でいうところの①に属します。国立公園を撮影するなら国立公園局の許可が、市場がとりたければ市役所管轄で市役所の撮影許可、空港の撮影が必要であれば、空港許可など、場所によって、管轄が決められており必要な箇所に随時撮影許可をとるところから始まります。個人レストランだとレストランオーナーに許可を、とこちらは②の許可となります。レストランも場所によっては、政府が運営しているものもあるので、都度確認が必要となるわけです。

国によっては、撮影許可と通関手続きがセットとなっている国や、逆に日本側で撮影ビザの申請と通関手続きをお客様が直接対応するなど各国によって対応はバラバラです。

一番大事なことは、「必ず取りたい映像、撮った映像を、無事にもちかえってもらうこと」で、逆にいうと撮影許可がとれなかったり、とったのに不備があって、成果物が現地警察により没収されようもんなら打首ものです。

とにかく一番最初にこの許可取りをしっかりすることが超重要です。

そこを詰めたあとは、スケジュールですね

SCHEDULE(日程作り)

スクリーンショット 2020-05-01 午前9.33.42

日本のクルーや、芸能人、著名人の方々は大変忙しいのに加え、超効率主義ですので、決められた日数でかつ無駄がないベストのスケジュールを作成する必要があります。スケジュールの作成方法は消去法で、現地での開館日、閉館日や、現地イベントや渋滞回避、また先方のスケジュールがここしか駄目などやっていけば、作り込んでいけます。

このスケジューリングで大事なポイントは、予備日をうまく作ること。

ここで、さっきメモをとった取材対象者の時間を守るかどうかなどの情報が生かされてきます。南米の場合は、取材対象者が時間通りにくるかどうかヒヤヒヤなので、30分、1時間前に連絡しておいたり、事前にスタッフを1名飛ばしておくなんてこともやります。

また撮影は天候をすごく大事にします。
同じ絶景シーンでも晴れと雨では雲泥の差ですよね?きれいな女優さんが暗く映ると台無しですよね?

このように天候なり、不確定要素が多いことから万が一大雨になった場合、万が一スケジュールが押した場合、万が一の万が一でリカバリーできるようなスケジュールを立てておくのもポイントです。

ここまでの大枠が終われば、次に撮りたい映像の話や、インタビューワーのアポ取り、具体的に引き出したい話、等細かい調整に移ります。

そうやって番組作りが行われています。

次回は、クルー到着後の現場対応について記載致します。

Fin




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