見出し画像

嫁ブロックは幻想だった〜スタートアップ転職に家族が反対する本当の理由〜

ちょっと攻めたタイトルでアテンションを稼ごうとしています。以前「嫁ブロックを乗り越えた話」というタイトルで現職のスタートアップに転職した時の話をnoteに書き、現在までに1万PV、「スキ」の数もキャディ関連noteでは五指に入る200以上いただいており感謝しかありません。(当の妻には「スキ」してもらえませんでした)

2020年3月にキャディ株式会社というスタートアップに転職し、品質管理関連領域で仕組づくりやオペレーション管理を担当しております。

以前のnoteの通り私自身が嫁ブロック(言葉の選択に違和感がある方も多いのは承知しておりますが、一般的な言葉を使って伝わりやすくしているだけなので悪しからず)を乗り越えてキャディに入社したと書きましたが、本当に乗り越えるべきは配偶者による転職への反対などではなく、自分自身の人生設計のと所属する組織への責任と覚悟だと気づいたので、このnoteを書いています。

きっかけ

私が入社してから組織は急激に拡大しており、FY21はさらに加速する計画です。とは言え入社する人ばかりではなく、残念ながら去る人も当然います。直近退職を決めた方で、私と同時期に入社し、年齢や家族構成(人生のステージ)が近い方が辞めると聞き、自分がキャディを去るとしたらどういう理由なんだろうと、当事者性を持って夢想してみました。そうせずにはいられなかった。

また、私がキャディの採用に関わる中で、「この人に入社して欲しい」と思った候補者の方が、最終面接で不採用となるケースがあり、共通している理由に、「ベンチャーマインド」の不足や「フェーズ」の不一致という言葉がありました。私同様に、大企業出身者がキャディの様なスタートアップに転職して活躍できるかどうかを面接で見極めることは困難です。ただ面接の中でフィットを確認していく他ありません。

時には明らかにスキルが高く現職での活躍を疑うところは全くないが、キャディで働くということの解像度が高くないがために、フィットを否定しなくてはならないケースがありました。なので、これから大企業スタートアップへの転職を検討してくれる方に向けて私なりの「こういうマインドを持つ必要がある(自戒of自戒)」を整理しておこうと思ったのがきっかけです。

また実は、現在大企業出身の候補者として選考を受けようか考えている方がいて、その方に届いて欲しいnoteでもあります。あなたと一緒に働きたいのです。

そもそもベンチャーマインドとは何か

キャディで求められるベンチャーマインドとはいったい何なのか、私なりにそれを言語化してみようと思います。

前職のAmazonとキャディを比較すると枚挙に暇が無いのですが、ひとことで言うなら「足りないことだらけ」です。福利厚生ひとつとっても大企業のそれと創業3年のスタートアップだとやはり違います。給与と別に数%の401K への拠出や、死亡時の2年分の年俸補償などが無くなることで、家族に説明が必要なこともありました。福利厚生だけでなく、業務においても「ルールの決まっていないこと」や「リソースの不足」という問題に多々直面します。大企業で誰かが決めたルールや仕組みの中だけで仕事をしていると意識しない様な不足を感じることの連続です。

キラキラしたイメージとは違い、整っていない事を整えながら走るのは困難もあり、時に退屈な作業も多々あります。
そういうカオスな時期のスタートアップを楽しめるかどうかもベンチャーマインドの一つかもしれません。

ですが最も重要なことは、いかに「自分事化し、コトに向き合える」かどうかだと考えます。リソースが足りないときに「足りない」と叫ぶだけでなく、事業のフェーズを理解し、ムーンショットな目標を定め、そこに到達するためのアクションに必要なリソースを経営層にネゴる。それができるリーダーの資質を問われていると思います。

例えば401Kが無いことが不満ならそれの必要性とそれがあることで得られることを経営層に理解してもらう行動をとればいいだけです。それが自分の業務と関連しないことであっても、会社にとって必要なことならコミットすべきです。

同じ文脈で、キャディにはWhole Productという概念を採用しており、キャディのあらゆる企業活動がひとつのプロダクトとして機能することを目指しています。品質管理を行う業務だとしても受発注システムの改善に責任を持つ必要がありますし、営業はプロダクトを売るだけでなく、Whole Productの一部として振る舞い、その機能向上に責任を負うことを求められます。

社員は高い専門性を求められる上に、自分の専門外の領域だとしても「自分事化し、コトに向き合える」人物であることを問われます。もっと組織が拡大し業務セクションがはっきりと分けられるようになればあるいは専門領域に特化するが可能なポジションも出てくると思います。それが「フェーズ」なんだと思います。大企業で10年以上専門性を高めてきた方は非常に魅力的ですが、加えて「ベンチャーマインド」が無いと活躍が難しく、お互いが不幸になる可能性が高いです。

ただしこのマインドは獲得できると思っており、コトに向き合う覚悟を持つことがスタートです。結局自分で背負う覚悟と器がある人にしか仕事を任せられないし、リソースも与えられないということをキャディで学びました。

嫁ブロックは幻想だった

配偶者はなぜスタートアップ転職に反対するのでしょうか。私の場合は概ね以下の通りだったと思います。

立ち上がって数年の会社が不安。安定した生活を維持できるか不透明。スタートアップは激務と聞く。

少しかみ砕くと、「生活の基盤を支える収入と、家庭という組織を運営していく上での家事への関わりの変化、及びその継続性」に不安を覚える状態であればブロックが発動するのではないかと思います。当然といえば当然ですよね。それらに不安が無ければむしろやりたいことに挑戦することを応援してくれるはず。

そうは言っても転職時点では何の保証もないのが事実です。収入は減って、激務で家庭へのコミットが下がる可能性もありますし、それがどれくらい続くかも不透明です。

できることは、予めそういう状態になることを想定して、その時自分がどう立ち回るかの覚悟を決めておくことです。そしてそれを家族に伝えておくこと。

一時的に給与が下がろうが、スタートアップであっても貢献に対しての報酬はあります。当然キャディでも給与テーブルは公開されており、高いレイヤーを目指すことで収入を上げることが可能です。

もしかしたら当初は激務かもしれません。だけどその会社は一生全員激務なのでしょうか。事業継続性の観点からもそうでないほうが良いはずです。であれば中からそれを変えることに関わることも可能なはず。

配偶者に負担をかけることを会社のせいにしてしまえばブロックは必然で、ビジョンを持ち、変化に対して自分が関わる覚悟を持っていれば理解してもらえると信じています。

逆にその覚悟が持てないうちは大企業にいるほうが間違いなく幸せです。

それでもスタートアップで働く理由

キャディもそうである様に、多くの場合スタートアップは社会変革を起こそうと挑戦しています。
そのビジョンや熱量が多くのビジネスパーソンを惹きつけるのだと思います。

ビジネスのスピードも早く、役割の幅や責任も大企業のいちメンバーであるよりは魅力的に映るでしょう。

そういう環境に身を置きたいという志の高い方にとってはキャリアの選択のひとつになるのは必然です。

ただそれは、結果としてそういう環境であるだけで、始点は必ずビジョンへの共感があるかと、そのビジョンを自分のビジョンと重ねることができるかをよく考えるべきです。

環境やヒトが魅力的とかワクワク感があるという理由でスタートアップに入社してしまうと、壁にぶつかる可能性が高いです。苦しい時にもっと魅力的な環境に出会ってしまったり、前職の方が良かったと言う事に気づいた時に立ち止まるのはあなたにとっても会社にとっても不幸です。

現職で退屈な想いをしているあなたにスタートアップが魅力的な環境を与えてくれるという幻想は捨て、ビジョンを強く信じる事ができるかどうかで会社と経営者を見てください。
スタートアップ経営者は、候補者が成功のプラットフォームにタダ乗りしようとしているのか、それとも自社のビジョンを膨らませて会社の成長に寄与する事ができる人物かを探っています。

おわりに

ここまで書いた事を100%私自身が体現できているとは思っていなくて、2021年初に決意を込めて:-)

キャディでは2021年も採用が最も重要なビジョン実現の鍵です。
魅力的な皆さんとの出会いを楽しみに待っています!!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?