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世の中は便利そうなサービスに溢れているし、人は意外に動かない

おはようございます!
三井滉平です。

今日も最近考えていることを書いていきます。

「世の中は便利そうなサービスに溢れているし、人は意外に動かない」というテーマですが、自分自身サービスを作る立場で、これはめちゃくちゃ痛感するんですね。「え!こっちのが絶対便利じゃん!」と思いつつも、人の行動を変えるのって相当難しいです、、。

そんな現実と、そこへの向き合い方を考えました。



”便利そう”の罠

「人を動かすことが難しい」の前に、そもそもそのサービスは人が動くほどのものなのか、という視点が物凄く大切です。課題の解決になっているのか、快楽を生むサービスになっているのか、”便利そう”で終わってないか、客観的に把握することが大切です。

僕は、新しいもの好きなので、いつも積極的に情報収集して、新しく出たサービス、話題になっているサービスを片っぱしから使っています。ただ、使ってみてから、普段使いにいくサービスはほぼありません。

例えば、最近少し話題になっていたこちらのサービス。

こういう系のサービスは過去にも使ってみましたが、あまりしっくり来ずに全部使うのをやめました。そこに来た新しいサービスで、いろんな著名人の人がおすすめしていたのもあり、ワクワクして、使ってみました。

確かに便利な気もしましたが、普段使いにまで昇格するかと言われたら少し微妙でした。もちろん、個人的な価値観であり、画面にごちゃごちゃタブが開いているのが好きじゃないという理由も大きくあると思います。まあ、コアターゲット層ではなかったんだと思いますね。

他にも、「今までの○○の問題点をこう変えました!」サービスって山ほどありますが、LP読むと確かに便利そう!と思うものの、学習コストや導入コスト、移行コストを考えると、いや、普段使いはむずいな、、に結局落ち着くことがほぼ全てです。

加えて、顧客の表面的な課題は掴んでいるけど、ジョブを掴んでいないサービスも数多くあります。確かに流行りそうで、みんな困ってると口では言ってる(自分も言ったことある)けど、実際に使ってみたら全然刺さらないのは、ジョブが解決されていないんでしょうね。

こう考えると、便利そうと便利の間には大きな隔たりがあることがわかります。そして、サービス提供者はちゃんと便利を提供しないとダメだと自分にも言い聞かせます。



人は意外に動かない

そして、”便利なサービスでも人は意外に動かない”というのが、実際にサービスを作り、自分でもいろんなサービスを使いながら思ったことです。

まずサービス提供者目線から言うと、自分たちのサービスは我が子であって、我が子の良さは隅々まで知り尽くしています。なので、「え!絶対こっち使った方が便利だよ!こんなに時間も節約できるし、お金だって、、!あと、楽しいよ!」と鬼のようにプレゼンすることができます。

でも、ユーザーの皆さんに使ってもらう事は、意味わかんないくらい難しいです。(使い続けてもらうのは、その1億倍くらい難しい。)

で、これは自分のサービスだと冷静になれずに、”こんなに便利なのに、なぜ使ってくれないのか理解できない、、”となりがちなんですが、自分がユーザー側に立ってみると、気持ちがすんごくわかるんですね。(自分のサービスを使ってみるじゃなくて、他のサービスをユーザーとして使ってみる時。)

そもそもどんなサービスかわからない、使い方も難しいサービスが世の中には多すぎる!!、独自用語とか出されてもわからないし、オリジナリティー出さなくていいよ!!、確かに便利な気がするけど、移行の手間とか諸々考えたら使う方がコストかかるよ!!、とかとか。

(全部自分たちにブーメランのように返ってきて、体はボロボロです、、。)

ちょっと登録がめんどくさい、ちょっと説明がわかりにくい、ちょっとデザインが好みじゃない、ちょっと学習コストかかりそう、ちょっと導入コストかかりそう、ちょっとお金が高いな、ちょっと移行コストかかりそう、ちょっと今忙しいから、ちょっと充電が切そうだから、、、ユーザーは本当に些細なことで離脱します。

(またブーメラン。もうライフは0です、、。)

やっぱり、巨大な会社(GAFAとか)が死ぬほどのお金と人材をかけて磨きこみ続けているサービスは惚れ惚れするほどのクオリティーです。勉強すればするほど、まじで洗練されてるなーと思う。ここからユーザーを取っていこうと思ったら、相当の動機がないと動きません。

ポッと出のスタートアップは、ちょっと便利なサービス作ったところで、見た目も勝てない、動きも勝てない、ネットワーク効果もない、となったら、もうユーザーが使う理由なんてないですよ。

(うう、もうライフは0なのに、、。)

「世の中で使われているサービスはやっぱりすごい」
「便利そうじゃダメだけど、便利でも人は意外に動かない」

この不都合な真実をタトゥーの如く、全身に刻み込んでサービスを作っていかねばと思います。



どうしたらいいの!?

で、こんな現実と向き合って、それでも尚、自分たちのサービスを世の中に広げたいんだ!と思う変人の僕はどうしたらいいんだろうと思考を巡らせます。まだまだ答えは出ないですが、何となく思ってることを書いてみます。

多分、強烈な課題解決か、エンタメ性か、この2択だろうなって思います。

人は基本的に「苦痛からの解放」か「快楽の追求」でしか動きません。となると、このどちらかに左右しないと人を動かすことができません。で、人が動くには相応のエネルギー(意思決定コストや移行コストなど)が必要なので、それを遥かに上回るプラスを感じさせるしかないです。

一番わかりやすいのは、強烈な課題解決です。

生活の中で苦痛なものから解放されるとなれば、多少のマイナスがあっても人は必ず動きます。病気になったから薬飲むとか、webサービスならウーバーイーツとかはこっち系の気がします。店いくのめんどくせえ!でも食べたい!を少し高めのお金を払ってでも解決させています。

ただ、この辺の強烈な課題解決は、現代においてどんどん難しくなってる気がします。大きな課題は減ってきているし、すでに圧倒的な強者がいるので。とはいえ、海外やB向けやニッチな市場はまだまだ課題はありますが、C向けサービスで、SNSのような巨大なプラットフォームを築こうとする場合、強烈な課題解決はちょっと難しそうです。

となると、「快楽の追求」を目指し、使っていて楽しい、思わず使ってみたくなるエンタメ性に力を入れるのが大事だと思ってます。(大前提、何かの課題解決になっていることは必要です。別に便利じゃないサービスにエンタメ追加しても意味ないので。)

Dispoとか使い始める前にアニメーションムービーとかあって、かっこいい!使ってみたい!と思ったし、僕がSlackやNotion、Apple製品を使ってる理由の大部分はかっこいいからです。前もこんな話をブログで書いた気もしますが、やっぱり見た目の綺麗さとかAsana的な細かい遊び心とかがユーザーのモチベを生むなーと思ってますね。

で、もちろん課題解決(普通にめっちゃ便利)に全力を注ぎつつ、多くの人に思わず使いたい!と思わせるようなサービスにしていきたいなと思ってます。

頑張ります!

***

おわり。



※このnoteは、社内報を編集した記事となっています。

「knower運営会社の社内報」
No:#103
Title:世の中は便利そうなサービスに溢れているし、人は意外に動かない
Date:2021.03.29
Written by:KoheiMitsui

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