マガジン一覧

【小説】世界一の嘘つき(更新中)

【小説】世界一の嘘つき(更新中)をまとめています。

【小説】世界一の嘘つき 〜去勢 〜 No.4

そうして、その日の夜。 俺はアルバイトに行っていた。 飲食店、そして土曜日という事もあり、 店内満員状態。 てんやわんやの状態で 時間はあっという間に過ぎた。 そして、休憩に入る。 まかないを貰い、 「さあ、いただきます」 といったところ。 ふと、携帯を見て、俺は 食事を取る手がピタッと止まった。 Kからの返信だ。 「お前のせいで人生が狂った。」 「何で俺を誘ったんだ」 「死ね。2度と俺の前に顔を出すな。」 LINEにて10行を超える長文。 要約すると

5

【小説】世界一の嘘つき 〜去勢 〜 No.3

俺は、ぶつけようの無い苛立ちを ずっと抱えていた。 仲間たちに対して、 結果の出せていない人間が きちんと教える事が出来ているのか。 「No.1を取る」といった手前、 思ったように結果の振るわない日々。 小学生の頃の幼なじみ。 中高のクラスメイト。 大学の友達、サークル仲間。 SNSを通じて募集した事もあった。 だが、断られた。 断られ続けた。 だからこそ、 「一緒にやりたい!」と言ってくれた仲間たちが 「ありがとう!」 「なるほど!」 「まじで助かる!」  

5

【小説】世界一の嘘つき 〜去勢 〜 No.2

元はサークルの先輩からの誘いだった。 将来のことなど何も考えず、 ただ茫然と過ごしていた日々。 その中で、ありがたくも 自分に声がかかった。 「お前は将来どんな所就職したいの?」 当時大学2年生。 就活のことなど1ミリも考えていなかった。 「将来お金に余裕持って生活したくない?」 年金2000万円問題などが騒がれても、 政治経済について、何も感じず過ごす日々。 「今こそ、自分に“投資”すべきなんだ」 投資。 俺はギャンブルを嫌悪していたが “資金運用はギャ

4

【小説】世界一の嘘つき 〜去勢 〜 No.1

日本の常夏。 暑さがカンカンと照りつく真夏日。 ビル高層化が進み、鳴り止まぬ工事音。 照り返すコンクリートの光を浴びながら 俺は大学のキャンパスに向かっていた。 時刻は12:00, 昼ごはんの時間。 出席点だけ出して、あとは後ろの方の席で 爆睡かますのが日課の2限を終わらせ、 俺はそそくさと大学を後にする。 しょーがねえだろ。 水曜2限だけ必修入りやがった。 卒業するためだけに毎週来なきゃいけないのが 本当にダルすぎる。 昼から帰ってやる事、 それはそう、 バイ

4
もっとみる