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2025年3月に「夢における空間論」を書き上げるまで

旧「2023年3月に博士論文を書き上げるまで」。博士論文を書き上げるまでの日々を綴っていました。今は延長戦中です。月に1回フランクな研究報告書がとどきます。どうVR×建築の研究が…
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#設計

博士論文2022年11月の報告書。

ミャンマーで拘束されていたドキュメンタリー作家の久保田くんが解放された。7月に拘束されてからおよそ4ヶ月。随分と長い時間だったと思う。 判決が懲役10年と出た時は僕でさえ視界が暗む思いがし、その長さを想像して絶望した。久保田くんはクマ財団の同期である。友人がそのような目に遭うとは、想像さえしていなかった。 釈放が決まる少し前に久保田くんと仲の良い知人に会った。その人は久保田くんがミャンマーに渡る直前に久保田くんに会い、「やめた方がいいんじゃないの」と止めつつも止めきれなか

第17回ダイワハウスコンペで優秀賞を受賞しました。

第17回ダイワハウスコンペで優秀賞を受賞しました。最優秀賞は一つ、優秀賞が二つで、優秀賞の間の優劣は決まってはいないので192作品中の2位とのことです。8月に参加を宣言してからなんとか最後まで来られてよかったと思う。ただまあ負けた悔しさもあるし考えたことも色々とあるので、気持ちの整理としても書いておきたい(後半は課金バリアありますのであしからず)。 Ⅰ:作品のこと初めに、自分の作品について書いておく。他の作品についてはまだYouTubeでしか出ていないようなので、詳細に読ま

博士論文2022年9月の報告書。

博士論文の提出が11月17日だと思っていたら実は11月7日で10日も期限が早まり、焦りに焦っている。 このnoteは博論提出までの七転八倒を綴るマガジンなのでその話を少し。 僕の見る範囲では9月に入ってから正確な博論審査のスケジュールが掲載された。したがって正確な期限を知ったのもその時。実は博士論文の制度についてきちんとした説明はこれまで一度もない。普通は入学時などに学科ガイダンスのようなものがあると想定されるだろうけれど、存在しない。 ではどうするかというと、入学して

博士論文2022年8月の報告書。

あまりに長い暑い2ヶ月だった。クーラーの効いた部屋に閉じこもっていると身体が疲れてくる。夏が始まる前に体力を上げておかなくては、と改めて思う。とはいえ冬も冷える。身体の筋肉量と代謝は常に高い方が良い。7月に鰻を食べておかなかったのは痛恨事だった。菖蒲湯や柚子湯、七草がゆや鰻など日本の文化はやはり自律神経を保ちながら四季を過ごすためのものという気がする。そういえば寺は涼しかった。特に庭の周りはひんやり。庭はクーラーなのかもしれなかった。浄土教の寺は、形式として複数の庭と空間が入

博士論文2022年7月の報告書。

ドキュメンタリー作家で友人の久保田徹くんがミャンマーで拘束されたというニュースが今日の早朝に入ってきた(7月31日)。政治的な抗議デモを撮影していたところ拘束されたという。近しい友人がそうした目にあい危険の渦中にいるという状況に直面し、動揺している。 無事に帰ってきてほしい。何ができるというわけではないのだが、声をあげるつもりで署名に賛同した。 1. ブロックチェーンのイベント「Aya Talking with Joi in Tokyo」への参加7月の初めに、伊藤穰一(J

博士論文2022年6月の報告書。

今月は行ったり来たりが多かった。いくつか受賞などの成果が出たりもしたが、成果はあんまり慰めにはならなかった。必要なのはもっと手触りのあるもの。 今月やったこと。 1. 人生初めてのラジオ出演(radiko)J-WAVEのラジオ番組に出演。生まれて初めての公共放送。ヘッドフォンを被りマイクに話すというやつをやった。自分の声と相手の声がヘッドフォンから聞こえてくる不思議な体験。ヘッドフォンで電話している時自然と声が大きくなるように、周囲の反響がないぶん、声が出しやすい。のだが

いかに夢と建築は繋がるか~建築家内藤廣さんの論考をもとにした考察

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博士論文2022年3月の報告書。

博士論文2022年2月の報告書。

今月は妙に早かった。やりたいことはたくさんあったのに、ほとんどできないまま終わっている。作業していたはずなのに思うように進まない。 今月やったこと。 今治論考のレイアウト原稿の修正のやりとり 黄表紙の再査読とついに採択の決定 新作の論考の執筆 研究費予算の見積もり UTokyo-IIS awardの審査 先月の報告書はこちらより。 博士論文提出までの道のりやあれこれを記録するマガジンはこちらより。 1. 今治論考のレイアウト原稿の修正のやりとり ここ何ヶ月

アンテナと、評価の評価

言葉が発酵していない。思考も表現も。最近の建築の卒業制作や論文をみていても、例えば「オンラインとオフライン」や「持続可能性」「コミュニケーションのこれから」など、1000回くらいはみたタイトルや文字列を、様々な創作物やメディアや設計案やデザインプロダクトでみかける。この既視感はおそらく、以前よりも増えた。自分自身に対しても強くそう思う。 エピソードその1~東大の卒業設計展の感想 近頃、東京大学の建築学科4年生たちによる卒業設計展を見に行った。 建築学科では4年時に卒業設