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ないものをねだろう
とにかく忙しい。
忙しすぎてちょいと笑ってしまう。
へへっ。(鼻の下を掻く)
胃に穴が開きそうだぜ。
その穴が異空間と繋がってしまい、
未知の生物と僕が融合してしまうよ。
そんなガキんちょな妄想をする大人な僕は、
煙草を吸いながら今この文字を打っている。
三大欲求なんて言葉があるけど、
僕は、人間ってのは千大欲求くらいあるのではないかと思っている。
千大っていうのは、仙台に行きたい欲求のことじゃないから勘違いしないでほしい。
へへっ。(赤色のキャップを被り鼻の下を掻く。)
僕の中の千大欲求の中の一つに、文字がある。
もうどうすりゃいいかわかんないくらい文字を綴りたくなる。
真っ白な画面を文字で埋め尽くしたい。
もしも今、新垣結衣と長澤まさみと有村架純とゆうちゃみが言い寄ってきても、僕は彼らに目もくれず、文字を綴るだろう。
結衣、まさみ、架純、ちゃみ、ごめんね。
欲求の中には、相反するものがある。
例えば、僕は夏になると「キンキンに冷えたコーラ欲」という欲が増すが、暑さにやられて「食欲」は減る。
平日は「睡眠欲」に勝てないのに、週末は「Netflix欲」に勝てなくなる。
そうやって、欲には、他の欲と関係してなさそうで何処か関係しているものがある。
僕は今、友人達のおかげで「くだらない会話欲」に満たされている。
お酒を飲み、頭を使わなくていいようなくだらない会話をする。
そんなストレスを発散するような時間が好きな僕は、今、とても充実していると言えるだろう。
ただ、その欲求が満たされれば満たされるほど、言葉の面白さを大切にしていないような気がしてしまう時がある。
もっと言葉に意識を向けたい。
もっと言葉と向き合いたい。
そんな時、いつも僕の中にある「文字欲」が大噴火を起こす。
これは、ないものねだりだ。
ないものねだりにも程がある。
でも、ないものねだりが悪いとは思わない。
ないものねだりのおかげで、今僕は文字を打っている。
頭の中の何かを発散している。
きっとこの欲求が満たされたら、次のないものねだりをするのだろう。
飽き性なんて言い方もできるが、飽きずに続けた方が良いものもあれば、飽きて早くやめた方が良いものもある。
それが次の自分の経験に繋がり、自分を成長させてくれることにもなり得るから。
ないものねだりに襲われたら、次の欲に一度は向き合っていきたい。
人として、面白く成長していきたい。
次のないものねだりまだかな。
ないものを、ねだろう。
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