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No.008 多摩川

この街での生活が始まって1年以上。
去年の夏真っ最中。
水分補給しながらの内見で、汗かきながら色々な物件を見て回ったのを覚えている。
川崎に近い東京を居住地にしようと探していて、3日程かけて10件近くの部屋を見たが、なかなか惹かれる物件が無かった。
もう埼玉県で探し直そうと諦めかけた日の最後に見せてもらったのが今住んでいる部屋。

大きな窓から夕陽に照らされたオレンジ色の山と広い空を見て、一日中物件を見て回った疲れもふっ飛び、この部屋が良い!のテンション上がり具合でここに住む事に決まった。

起きる時間は以前より数十分早まり、毎朝7:03の電車に乗り込む。
数分後、絶賛朝陽反射中の多摩川を渡る。
ほんの数秒間だがその時間がとても最高なのです。
カヌーの練習をしている大学生(と勝手に思い込んでいる)を見ながら、太陽の映る川で漕ぐのはどんな気分なのだろうと思ったりする。
毎朝見る綺麗な光景。
それだけで川のこっち側に住んで良かったと思う。

帰りの電車からの多摩川もとてもいい。
電車が都心を離れた分だけ、ビルが減り、建物が何も無くなる多摩川通過中の数秒は、遠くの橋の灯りと側道の車のライトがまばらにぼんやり映って、とても乙である。

家まで数分。
腹減ったなぁ。

photo by @hanamaki_photo


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