脳外科修行僧

脳外科医です。自分の勉強のアウトプット目的に投稿をはじめました。備忘録なので、記載内容…

脳外科修行僧

脳外科医です。自分の勉強のアウトプット目的に投稿をはじめました。備忘録なので、記載内容の間違いなどは責任負えずで悪しからず。off the jobで①アイアンマンレースを走破する②英語を使って仕事をする(英会話レベルに到達する)を目標に日々コツコツ修行中。

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下垂体神経内分泌腫瘍 PitNET (下垂体腺腫)の分類

病理学的分類の変遷 下垂体腺腫はかつて好酸性、好塩基性、嫌色素性の3つに分類され、それぞれが成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、プロラクチンの産生細胞として区別された。 その後免疫染色が使用できることになり、その分類は下記の7つに細分化された。 somatotroph lactotroph thyrotroph corticotroph gonadotroph null cell plurihormonal and double さらに細分化したものとしては

    • 下垂体神経内分泌腫瘍

      下垂体腫瘍 下垂体とは「脳の下にぶら下がるようにして存在する小さな内分泌器官」である。by 難病情報センター ぶら下がった先はトルコ鞍という頭蓋骨の器のような構造に収まって存在している。 下垂体腫瘍、というのは紛らわしいことに下垂体から発生する種々の腫瘍を指すこともあれば、下垂体のある辺りに発生する腫瘍全般を指すこともあれば、下垂体腺腫のことを指すこともある。 トルコ鞍というものをたこ焼きプレートと考えると、下垂体はたこ焼きである。けれどホットプレートから発生したホットプレ

      • 下垂体腺腫がなくなる

        とうとう「脳神経外科」で特集が組まれる下垂体疾患は苦手である。 それはそもそも「下垂体」という存在が神経頭蓋内にありながら「脳」というよりは「内分泌臓器」に区分され(間脳、という括りではあるのだが)、その機能については神経機能解剖学的、というよりは完全に生理学的であるため、要は脳外科的というよりは完全に内科的なのだ。実際問題分泌するホルモンに関連した疾患やその精査・治療においては内分泌内科が大きな役割を果たすことから、脳外科の立ち位置としては「腫瘍は僕らが取り除くので、その周

        • ステロイド使うと末梢血白血球は増えるけど免疫力は落ちる。これは常識と言えば常識なんだけど、なんでか?を説明できる人はどれくらいいる?

        下垂体神経内分泌腫瘍 PitNET (下垂体腺腫)の分類

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          くも膜下出血の血管攣縮にステロイドを使う、に思うこと

          ステロイド治療の立ち位置は?ガイドライン2021改訂版では血管攣縮に対する治療はこのように記載 一番目立つところには記載はない・・・目をしょぼしょぼさせながら読む細かい字の羅列の中に3行の記載を発見! 唯一の引用文献を探してみると・・・ JNSの2010に収載された論文だ 全文は読んでいないが、結論としてはこう 症候性の血管攣縮はプラセボ26%に対して使用例26.5% 1年後のpoor outcomeはプラセボ34%に対して使用例15% その他の論文は こちら

          くも膜下出血の血管攣縮にステロイドを使う、に思うこと