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週刊牛乳屋新聞#70(僕が見てきた新疆④新疆に行く人々)

1987年のTIME誌では日本人観光客のことを、世界の観光地を荒らすニュー・バーバリアン(野蛮人)たちと呼ばれていました。よその国の人間をもてなすのは面倒くさくて嫌だけれど、自分たちはよその国からちやほやされたいバーバリアン国家の末裔が新疆に行った所感としてご笑覧ください。

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カナス湖を眺めてから次に向かったのは喜羊羊酒店(シーヤンヤン ホテル)。アンパンマンに近い内容のアニメで、良くもこんな雑なネーミングだなと思った。※ちなみに大衆点評を見ると今も存続してる!

最も安いツアー代金で参加したので、部屋も相応のものだった。部屋に入ると混合6人部屋で、見ず知らずのオッサンと子どもと寝泊りを共にすることになる。部屋でタバコを吸いだすオッサンがいるわ、子どもが深夜に騒ぐわ、上门服务(デリヘル)のカードが部屋にぶち込まれるわで、賑やかな雰囲であったがウルムチ行きの列車のドア付近通路で二晩生き延びた経験がここで活きる。騒がしさを横目に日が変わる前に寝た。


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午前7時頃(ウルムチ時間午前5時)、隣のベッドで寝ていたオッサンのいびきで目が覚めた。人が多い中国の観光地では写真を撮るのに適している時間は早朝しかない。このチャンスを活かすべく、服を着替え、デジカメを持って外を散歩した。

このシーヤンヤンホテル周辺には様々なホテルとカナス原住民文化体験センター(喀纳斯民族风情园)があった。原住民文化体験センターとは、土産屋、飲食店や現地の民族衣装を着て写真撮影をする場所を一か所に集めた商業施設で、ツアー客に「カナス体験」をさせる場所である。ツアーには朝食がついていないので、体験センターでカザフスタン族の朝食を体験してみることにした。

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揚げパン(麻花)、よく分からないパン、山羊のミルクティー。山羊のミルクティーはしょっぱく日本人には合わない濃くてしょっぱい味だった。


本当はツアーなんか参加したくなかった。そう思いながら、嫌々参加したツアーだがやはり気分が悪くなる体験を何度もした。便所にドアが無いことではない、大便している時にバッタリ目の前の人と目が合うことでもない。もっと根源的な何かがあるのだろうとずっと考えていた。もしかすると、「金を落としてやってるんだ」という意識が新疆に行く人々の心の奥底にあるのかもしれない。いや、違うもっと根底の部分にある考えだ。


資本主義社会であれば金の対価としてサービスを受けることは何ら違和感のないことである。

いや、俺たちが来てるからこの村は成り立っていると心の奥底で思っている人が多いことだ。

もっと深くを見ていくと、この村では異なる他者の存在や生き方を認めているようで認めていない。強い方(多数派)へ同化しなければ経済的に立ち行かなくなるという引力が働いている。そのため、観光客(国民の多数派)が来なくなれば一瞬で成り立たなくなるという脆さがある。

多数派に同化しなければ経済的に未来はない構図だ。


僕は彼らを救う経済力もないし、彼らがそれを求めているとはあまり思えない。ただ、この構図が本当に持続可能だとは思えなかった。

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