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週刊牛乳屋新聞#55(中国の「爆買い」に対して思うこと)

最近テレビ東京を見ていたら、中国の「爆買い」で牛肉価格が高騰していることを知りました。「爆買い」という表現には中国人を蔑む悪意を感じたので、自分なりに色々と考えてみました。

中国は、2021年現在では人口が世界第一位の約14億人がいます。日本国内の1億2000万人のうち10%が牛肉を食べるとしたら1200万人の購買者、中国国内の約8%でも1億2000万人です。国家が抱える人口の母数が多いので、同じ消費量でも購入規模が必然的に倍になります。中国人が牛肉を食うせいで・・・と言って中国人を責めるとします。仮に、中国の半数近くが我慢しても6000万人なので、それでも日本の5倍の規模になるのです。これも市場価格にとっては小さくないインパクトを与えることでしょう。

中国共産党の存在理由:人民を満腹にさせることができる集団だから

食品の「爆買い」は仕方ない部分があると思います。というのも、極端なことを言うと、中国共産党の統治の正当性は「人民を満腹にできるかどうか」に収斂されるからです。

かつて中華統一を成し遂げた秦国は、厳しい税の取り立てと重労働で農村を衰退させ、多くの流民(流浪者)を生み出しました。司馬遼太郎著『項羽と劉邦』でも、空腹になった人民を束ねた人が大きな軍勢を作り、次の王朝を創り出すことを描いていました。大陸が空腹な流民のるつぼになった時、王朝は崩壊する定めなのです。

2000年代後半に習近平氏が外遊先のメキシコで、現地在住の華人の会合に参加した時、「腹いっぱいになって、やることのない外国人がわれわれの欠点をあれこれあげつらっている。中国は革命も輸出していないし、飢餓も貧困も輸出していない。トラブルを起こすようなことは何もしていない。」と言ったそうです。

「人民を満腹にさせること、食への探求心を妨げないこと」
これが背景にあることに思いを馳せると「中国人が買いやがって・・・」といったのと別な発想で物事を見られるような気がします。

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パンダ(a.k.a 元牛乳屋)
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