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サイフが ない2

前回のあらすじ

金欠すぎてこのままでは実家に帰れないと判明し、友人から1000円札を貸してもらったが、どこを探してもサイフがない。たすけてくれ〜


ポケットにもリュックにも冷蔵庫にもサイフがない。いやいや(笑)そんな(笑)馬鹿な(笑)

クソクソ散らかってる部屋をひっくり返してもない。服でパツンパツンになってるクローゼットにもない。そもそも、今日昨日持っていたはずのサイフがそんな奥の方にいくことはないのだ。

思い出せ…。最後に使ったのはいつだ?


最寄駅近くの書店で…

山田金鉄先生の『あせとせっけん』最終巻の特装版を買ったときだ……(連載当時も読んでたけど全く同じところで泣いちゃった。本当に名作です。)

ということは、駅までは確実にサイフがあった。

書店から自宅へ帰る道すがら…?

いやいや、ポケットに入れたはずだ。割と重いから、万が一落としても流石に気づくはず。

待てよ…。

70円しか入ってないサイフってそんなに重いか?

……

え〜??そこで落としたか???レジ袋をもらわずに、店を出て、リュックに『あせとせっけん』(名作)を入れた拍子にポロッと落ちた???

信じがたいな……。信じがたいけど、考えられるのはこのタイミングだけなんだよな。信じたくないが。

時計を見ると午前2時。明日は6時起きで仕事に行って退勤後に実家に帰らねばならない。

え…

6時起床????

いま2時????


この時間に歩いた道を確認するには暗すぎる。とりあえずさっき別れた友人に「さっきはありがとう。ところでサイフごと消失しました。」と連絡しよう。

友人「マジですか?」

マジだよ。


ぶっちゃけ70円しかないサイフは正直そんなに痛手ではないのだが、クレカと免許証と定期(パスモ)が入っているから、かなり痛手らしい。とりあえず近くの交番に電話するか…。

私「すみません…。サイフを落としたみたいなのですが、そちらに届いていませんか?免許証などが入っているのですが…。」

交番「ちょっと調べますね…。(数分経過)どうやら現時点ではこちらには届いていないようです。」

交番「免許証が入っているとのことなので、もし届いたらまず記載されている番号に電話がいくはずですので……」

交番「もしかしたら、まだ道に落ちているか……ご自宅にあるかですかね。」


ここの「……」の間に「第三者に盗まれているか」と決して言わなかった交番の人は本当に良い人だと思った。いつも街の安全を守ってくれてありがとうございます。

さて…

 サイフ、無いな。


時計を見ると3時をまわっている。

え…

いま3時???

6時起床???


もうここまで来たら、やることは1つしかない。

【明るくなってから往復した道を確認する】だけである。

1.サイフ発見→ハッピーエンド

2.サイフ発見ならず→その勢いで銀行ATMで金を下ろす。切符を買って仕事に行き、切符を買って実家に帰るエンド。

という旨を友人に連絡する。ここまで(メールのやり取りではあるが)付き合ってくれた友人には感謝しかない。

友人「少しでも休んだほうがいい」

ちょっと寝よう。起きたら今日のこと全部が夢で、サイフは普通にありますように……。免許証の再交付って2500円くらいするんだ。金がねえよ。


5時になった。起床時刻の1時間前に活動すれば、時間には少し余裕ができるだろう。

朝はまだ冷える。上着を着て、探しに行こうか…。

あれ?

袖に腕がうまく通らないな…。

なんでだ?



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こんなことがあるのかよ。


袖にあった。サイフが袖に挟まっていることってあるんだ。どういうことなんだよ。今は朝の5時だよ。

考えられることとして、

【サイフを握ったまま上着を脱いで、脱いだ拍子にその手を離した】

そんなことがあるのかよ。


いや、ちょっと待て。ずっとそこにいたのなら、私が交番におっかなびっくり電話しているときも、

君はそこにいたのかい?


………


いかがでしたか?

疲れているとこういうことが起こるみたいです。皆さん、ちゃんとサイフはありますか?いま一度確認してみてはいかがでしょうか。そして寝て身体を休ませたほうがいい。

睡眠は本当に大切だということがわかりましたね。

みなさんも充分な睡眠をとって、身体を休ませてみては?


私は寝直します。おやすみなさい。時間を返してくれ。


おわり

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