「バイバイ!!」 なんども繰り返される声が夕暮れの空に響いた。小学生の男の子の声だった。友達のと別れ際のシーンだった。 思い返せば、8月初旬の夕暮れはたびたび私を…
ときどき、夜の始まりの長さに驚く。 日はすっかり山へと沈み、周りは静かに暗くなって行くけれど、その変化を静かに感じながら、私はぼーっと、1日が幕を閉じる瞬間を待…
ごろ
2021年10月8日 00:32
夜は嫌いだ。朝しかもたらさないから。呼吸をしないといけない日中は苦しいが、必ず終わりが来るからまだいい。でも夜は違う。さあ眠る時間だよと安心させて、また同じ「次の日中」をもたらすから。だから夜は嫌いだ。 #眠れない夜に
2018年8月4日 22:49
「バイバイ!!」なんども繰り返される声が夕暮れの空に響いた。小学生の男の子の声だった。友達のと別れ際のシーンだった。思い返せば、8月初旬の夕暮れはたびたび私を過去に引き戻す。友達と目一杯遊んだ1日にもかかわらず、無性に別れが悲しくて、「バイバイ」と呟きながら心の中で精一杯の地団駄を踏んだ。明日も明後日も会えるというのに、夕暮れ毎に感じる「今日みたいな日はもうないかもしれない」という確信は、一
2018年7月27日 22:02
2017年2月6日 01:06
ときどき、夜の始まりの長さに驚く。日はすっかり山へと沈み、周りは静かに暗くなって行くけれど、その変化を静かに感じながら、私はぼーっと、1日が幕を閉じる瞬間を待っている。温まったカップを両手で包んで、ゆっくり啜るコーンスープも、おもむろにバスタブへお湯を張って、湯気が立ち昇った浴室に肌をさすりながら入るのも、全部、その瞬間のためにある。でも、いざ柔らかな毛布に身を包んでも、その瞬間はなか