この社説が気になる(2024.8.11)
お盆休み期間に入って、新聞の編成も休みモードになったのだろうか。
主要5紙の中で、朝日、毎日、日経が1本のみの掲載となり、きょうは5紙7本の社説となった。
きょうは海の日である。制定されてから日が浅く、お盆休みと重なっており「きょうは何の日だっけ」と思うところに産経がこの日の意義について言及している。海の日に続いての言及、ありがたく感じている。
この国の政治、首相の行動については、テーマを違えながら読売、朝日、日経が言及した。日経が書いた既成政党への不信、まさに自分が持つ思いだ、と共感している。自分たちの生活に影響する政治に対し、少なくとも無関心にならないよう注意したい。
きょう注目するのは、戦時下の格差拡大に言及した毎日の一本。
平和考をテーマにした特集連載のひとつ。同紙が毎年この時期に組む特集である。
戦時下でも富裕層は資産を増やしていること、米国ではウクライナ軍事支援のために政府資金が防衛産業に流れ、景気を押し上げてること、一方でインフレや食糧危機が貧困層を直撃したことに触れている。
富と所得の不平等は貧困層の健康や教育に悪影響をもたらし経済全体の成長を損ない不平等を広げる、さらには社会や政治を不安定化させる可能性があるとのIFMの警鐘を引用している。
そのうえで、富の偏在を是正する方策として富裕層への課税を挙げている。
分配のための政策がすすめられるようになったのは、二度の大戦による破壊と大恐慌が引き起こした破産がきっかけだとトマ・ピケティは「21世紀の資本」で触れている。
今起こっている戦火を早く止め、これ以上の分断を生まぬよう、国境を越えた分配政策を望みたい。しかし、欧米各国では危機や戦禍を逃れてやってきた移民や難民に対する不満から、反移民を掲げる勢力が台頭する現状である。道は遠いか。
なお、この社説では触れていないが、私たちの国、日本が経済成長を実現したきっかけは朝鮮戦争による特需であることも忘れないでおきたい。
[抜粋]途上国や貧困層に打撃が集中する一方、戦時下でも富裕層は資産を大幅に増やしている。広がる格差から浮かび上がるのは、グローバル経済のいびつな姿である。↓
その他の各紙の社説
[抜粋]政治へのあきらめを、変わるかもしれないという期待に転化させる。党首選は本来、そうした政治のダイナミズムを秘めたものだ。既成政党への不信をぬぐい、議会制民主主義の支柱である政党を立て直す機会にしてほしい。↓
[抜粋]首相が初めから自衛隊の明記を改憲案に盛り込むことを考えていたのなら、国会開会中に表明し、憲法審査会に議論を託すべきではなかったのか。↓
[抜粋]日本が米国の「核の傘」の下にあるのは事実だが、現状の追認にとどまらず、国際社会に核廃絶への明確なメッセージを発していく。その決意と実行が、唯一の戦争被爆国のトップに求められている。↓
[抜粋]大企業側が事前交渉に応じないケースだけではなく、応じても、形式的なやりとりにとどめる例がある。下請法を改正し、事前の価格交渉が不十分な場合は、大企業に是正を勧告できるようにしてもらいたい。↓
[抜粋]報道の自由や人権を蹂躙(じゅうりん)された上に、西側との身柄取引のカードとして利用された。プーチン大統領の卑劣な「人質外交」を容認することはできない。↓
[抜粋]山の親しみ方はさまざまだ。山を題材にした文学、芸術作品は数知れない。どの山にも歴史があり、物語がある。近所の山にも、きっと何かのエピソードがあるはずだ。祖父母、両親らと世代を超えて語り、探ってみるのも楽しいだろう。↓