今も胸に刻む「いつまでも歌を」の一言

趣味で33年続けている合唱についての話である。
私は、1994年~1996年の間、男声合唱では当時有力な大学の合唱団の卒業生が中心になって結成された「アラウンドシンガーズ」という団体に参加していた。

指揮は、これまた有力な合唱団で始動されていた畑中良輔先生・北村協一先生。大学生時代にあこがれていたお二人の下で歌える、というだけでも、幸せな時間だった。

そのうちのおひとり、畑中先生がこの世を去られたのが、11年前、2012年の5月24日。これを書いている日はちょうど命日にあたる。

直接言葉を交わすことはできないほど偉大な存在だったが、1996年にニューヨーク・ボストンに演奏旅行に出かけた際、演奏会後の打ち上げで恐る恐る楽譜を差し出し、サインをお願いした。

その時に書いてくださったのが「いつまでも歌を」の一言である。

気が付けば年齢も50を越え、衰えも禁じ得ない今日この頃である。
いつまで歌えるか、引き際をどのタイミングで見極めるかについて考えるようになっているが、「ここまで」と線を引くまでは、いつまでも歌い続けるつもりで、所属合唱団で取り組む曲の一つひとつと、丁寧に向きあっていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?