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この社説が気になる(2024.9.22)

はじめに
秋分の日を迎えた。昼と夜の長さが同じとなるが、日ばかり短くなるばかりで暑さは残っている。
前日には能登半島の先端を激しい雨が襲った。元旦の地震に続いて「何であの場所ばかり」という思いを禁じ得ない。お見舞い申し上げますとの言葉しか出ない。
今日は能登半島のみならず、日本各地で大雨や土砂災害に関する警戒が必要である。安全最優先で過ごしたい。

今日の気になる社説
2紙が取り扱う話題がいくつかあった。

中国が日本産水産物の禁輸措置を段階的に緩和していくことへの日中合意に、産経と日経が触れた。科学的根拠に基づかない措置は即刻解除すべきだが、タイミングが悪い。この件を緩和に向けて動かすことと引き換えに、男児の命が奪われたことへの追及は穏便に、などとならぬよう、日本政府の行動を願う。残念ながら外相は自らの総裁選を優先するだろうが。

党首選に関しては毎日と産経が触れた。毎日は少子化対策、産経は進む高齢化に伴う社会保障負担と、注目点は異なるが、痛みを伴う改革に向き合うべき、との訴えでは共通している。

大谷選手の偉業については、毎日と日経が触れた。日経が、日本の次世代育成に結び付けて書いているのが興味深い。

注目するのは、日常身に付けている通信機器が凶器となった件に触れた社説。読売と朝日が触れている。

レバノンで、イスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員らが持っていた通信機器や無線機が2日連続で爆発し、多くの死傷者が出た。通信内容や位置情報をイスラエルに傍受されないよう、携帯電話の代わりに持つようにしていたポケットベル型端末が利用された。

無線機に日本企業のロゴがついていたと報じられている。軍事目的で利用される可能性のあるモノや情報の輸出については事前に厳しく審査される制度になっているが、複数の国をまたぐ場合に厳格に管理できるのか、その対策が急がれると両紙の社説は訴える。

いろいろなモノがネットでつながっている。私たちが日頃持っている、日常生活を快適にしているものが、いつ凶器と化すかわからない。安全保障は軍備をどうするかだけの問題ではないと思い知る出来事となった。

[抜粋]テロ計画を 隠蔽するため、複数の国をまたぐサプライチェーン(供給網)が悪用されたとすれば、深刻な事態である。供給網の厳格な管理をどう実現していくのか。国際社会全体で対策作りを急がねばならない。↓

[抜粋]今や原材料の調達から消費者に製品が届くまで多くの国境を越える時代である。民生品の武器化は地域を問わず社会を不安にするだけではない。企業活動や国際物流の混乱や不信も招きかねない。爆発物が埋め込まれた過程などを関係の国・地域は連携して解明し、再発防止を図る必要がある。↓

その他の各紙の社説
[抜粋]IAEAは福島第1原発の処理水が国際的な安全基準に合致すると結論づけている。中国はそれに耳を貸さず、日本側が科学的な観点からの協議を求めても拒んできた。話し合いのテーブルについたのは一歩前進と評価したいが、中国が水産物の輸入を本当に再開するかはなお予断を許さない。↓

[抜粋]中国は対日批判で太平洋島嶼(とうしょ)国などと結束を強めようとしたが広がりをみせなかった。日本産を禁輸にする一方、中国漁船が三陸沖などで獲(と)った水産物は国内で流通させる不都合も表面化した。日本では対中経済の政治リスクが再認識された。これを放置して日中経済関係が悪化すれば、景気が低迷する中国にとっても痛手となろう。日本はこうした点を厳しく指摘し、即時撤廃につなげるべきだ。↓

[抜粋]高齢化で社会保障費の自然増は今後も避けられない。その一方で制度の支え手となる現役世代は減少していく。給付減や負担増など痛みを伴う改革にも政治は目を背けてはならない。↓

[抜粋]正社員の長時間労働の是正や非正規社員との賃金格差縮小、女性への家事・育児負担の偏り解消などは、結婚や出産への障壁を減らすことにつながる。子育てをする人を孤立させず、社会全体で支えるという意識の醸成も不可欠だ。↓

[抜粋]大谷選手はプロ入り前から大リーグを目指し、周囲もそれを支えてきた。スポーツだけでなく、一人ひとりの興味関心に応じて科学研究や文化活動に取り組める場を増やさねばならない。つまずきを許容する寛容さも大切だ。↓

[抜粋]大谷選手は上位打線の1番や2番に入り、塁に出ると、身長190センチを超す体格に似合わぬ俊敏さと鮮やかなスタートで盗塁を成功させた。右肘の手術後、投手の役割を封印したことも攻撃に専念する上でプラスになったようだ。↓

[抜粋]県は、告発直後から公益通報として扱わず、知事の指示に基づいて当時の副知事らが男性を特定して、尋問まがいの調査を進めた。百条委員会の審議では、公益通報の趣旨を無視した県や知事の対応が明白となった。↓

[抜粋]政府は医療費助成拡充について「(体験者)区域の中で線引きするのではなく、その方々の実情に応じた支援を考えたい」と説明した。ならば今回の対応にとどまらず、線引きを基本とする仕組みを根本から見直し、一人ひとりの体験や証言、事情を重視した救済策へと転じるべきだ。↓


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