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電話が苦手!かかってくる電話にビビらなくなる私のやり方

電話に関わる業務を通算すると、アルバイトも含めると今年で9年近くになります。ほとんどの経験はアウトバウンドコールですが、この時期になると新人さんや新しく転職された人は「電話取るの苦手」と思われる人もいらっしゃると思うので、私なりの心構えや失敗談、入電対応のための準備をご紹介します。電話の音が鳴ると「びくびくしてしまう」という人は参考にしてみてください。

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入電があるとびくびくしてしまうのは「何を言ったらいいかわからないから怖い」「誰かに自信なく会話しているのを聞かれるのが怖い」という受ける側の経験や自信のなさと「誰からかかってくるのかわからない」「何を言われるのかわからない」という恐怖心が根本にあるからだと思います。

電話の仕事を長く続けていても「誰からかかってくるのかわからない」「何を言われるのかわからない」電話は、どういった種類の入電(クレーム?問い合わせ?申し込み?)かわからない限り、私自身も、ある程度推測しながら対応するしかありません。

まず新人さんや電話が苦手という人は、「何を言ったらいいかわからないから怖い」「誰かに自信なく会話しているのを聞かれるのが怖い」気持ちを件数をこなしながら克服していくことが先決です。精神論も含めて少し準備をしていくことで、電話が鳴っても落ち着いて受話器を取ることができると思います。

物理的な準備物として

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① 自分の社名、所属を書いたスクリプト(台本)を電話機の近くに張り付ける(デスクに電話機がある場合には)

② メモは白紙よりも、そのまま聞いてメモできるフォーマットのものを準備する(電話が自席から遠くても、メモと筆記用具を持って移動したらすぐに対応できるもの)

まず電話が鳴っても、慌てない方法を考えます。私も今でも入電のお仕事をいただいているときには「うっかり社名が出ない」ことを防ぐためにメモやスクリプトは必ず準備しています。社名や所属先がすぐに出ないと、電話を掛けてきたお客様を不安にさせてしまいます。

最近では社員のプライバシーを守るために「お電話ありがとうございます、○○会社の△△です。」と自分の名前まで名乗らないケースもあります。会社の対応方法について確認しておくこと、そしてその台本を作っておくことで「慌てない受電環境」を作ることができます。

②のメモについては、市販の電話用のメモやポストイットなどを使うと便利です。書かれている項目を読み上げて、書き留めると「誰から電話があったの?」「何の用だったの?」「折り返しの番号は?」などと後から注意を受けることも少なくなります。

メモは後で書き直せるので、聞いた内容をそのまま書きなぐってOK。もちろん相手に渡すときには見やすく書き直しましょう。

と、ここまでは割と社内研修などで知っている、本で読んだという人も多くいらっしゃると思います。以下は私が入電の電話を受けるときに気を付けていることを失敗談や電話対応しながら、いろいろマニアックに考えていることをかなり偏った視点から紹介したいと思います。

電話の職歴が長くなった私が試していること

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① 女性はワントーン下げて、男性はトーンを少し上げて受電する。

女性は電話を掛けるときに「よそ行きの声」になってしまう人が多いと思います。わたしも電話のお仕事の時は、はっきり言って普段とは別人です。コールセンターで働いていたときには、向かいの席の同僚男性がパテーション越しにのぞき込んできたことがあるくらい別人の声です。

女性は電話に出るとき、声が高めになります。もともと高い声の人は電話を受けるとさらに高くなるので、いわゆるキンキンした声になります。キンキンした声は、特に年配の方には聞き取りにくいこともあります。またこのキンキンした声は電話機を通すとさらにキンキンした印象になることもあります。(私調べ)

私が自分でイメージしているのは小宮悦子さんや夏目三久さんのような落ち着いた声のトーンです。アルトに近い落ち着いた声を目指しています。

男性の低い声も電話機を通すとこもった印象になりやすく伝わりにくいことも。(とはいえ、バリトンの魅力的な声の人は受け側としても耳障りが良いです…余談ですが)

まずは、どれだけ苦手でも緊張していても相手に悟られないよう、落ち着いた声色、そして会社の顔となるさわやかさも演出できるとOK。

相手が何を話そうが、どんな人がかけてこようがまずは自分が「落ち着いている」状況を作ることが大切です。声色を演出できる余裕を持つこと、といったほうがわかりやすいかもしれません。

②相手も人間である。

相手も人間であるという当たり前の見出しに対して「は?」と思われている人もいるかもしれません。

もちろん人間だからこそ感情があり、クレームとかいろいろ電話してきてしまうのですが、「相手も同じ人間だ」「受話器から手が伸びてきて殴られたり、急に食べられたりすることはない」くらいの気持ちの余裕があると緊張も和らぎます。

電話のメリットは良くも悪くも相手の顔が見えないこと。相手の表情や感情がわからないからこそ、電話ではどの方にもフラットに丁寧に対応する必要があります。

中には名前も名乗らず、いきなりクレームをおっしゃるお客様もいらっしゃいます。クレームの場合には、とにかくお話を聞くことがポイントです。クレーム内容を受け止めたら少し落ち着かれることもあるので、まずはクレームに対するお礼や謝罪を伝え、お客様のお名前や連絡先を伺います。

ただのクレーマー場合には、連絡先を言わずに切られてしまうこともあるかもしれませんが、それはあなたへのクレームではありません。会社に対するクレーム(たまにただの言いがかり)なので、気にすることはありません。

わたしはクレームを受けた際に名前や連絡先を教えてくださるお客様は、「自社にもっと良くなってほしいと思って、わざわざ意見を言ってくださっている」「期待されている」ありがたいお客様だと思っています。

③俳優になる

あ、決して電話で遊んでいるわけではありません。私の場合は、落ち着いた実年齢より少し若い女性を演出しているだけなのですが、なるべく地方の訛りを消し、依頼された会社のご意向に沿うようにしています。落ち着いた雰囲気を求めるなら、ゆっくりとしたスピードで、活気をもとめるなら少し早口で話すこともあります。

オートコールが導入されている企業では、受付業務をするときにいつものように話すと、音声ガイダンスが続いていると勘違いされたことから、少し抑揚をつけたり、句読点で句切らず、ゆっくりでも一息で話したりしています。自宅にかかってくる迷惑電話は反対にオートコールのように会話することもあります。(アカン)

③ 周囲の人が耳を傾けるのには理由がある

もちろん電話が苦手、新人だからそこまではできません、と思う方もいらっしゃるでしょう。私も新人や学生時代のアルバイトの時は、周りの人に会話を聞かれて「あの時の言い回しはこうしたらいい」と言われ続けた経験があります。

そこで気が付いたのが、私が所属していた会社やバイト先では、周囲の人はほとんど入電対応の会話を聞いているという現実でした。

もちろん学生のアルバイトの時には、最初はイヤだと思っていました。

しかしある方が「言い回し」や私の電話の癖を言い続けてくださっていたので「もう言われたくない」一心で、対応し続けているといつしか癖が抜けて、さらに言い回しのバリエーションが増えたことから、今ではその方に本当に感謝しています。

受電対応していない社内の人が、あなたの電話の様子を聞いているのは「何の要件?」「どこから電話?」「私あてかな?」「フォローが必要?」と思っていることが多いです。

あなたが電話に慣れていなくて、もし誰かが悪意を持って笑うのなら、上司に相談してその人に電話を取ってもらいましょう。

誰でも電話応対に慣れるまでには時間がかかるものです。特に苦手意識を持っている人や電話応対に慣れていない人を周囲の人が笑うのなら、笑っている人はかなり電話応対に自信がおありのはず。お手本になる受電方法を教えてもらいましょう。

さらにアウトバウンドのコールセンターでは受電対応を率先してする人が誰もいなかったので(なんで?)新人ではない私が取っていました。

社内の内線電話は率先して取っていくことでメリットもあります。どのような人が誰宛にかけているのかわかってくるので、どのようなプロジェクトとメンバーがいるのか社内の状況が把握しやすくなります。

私の場合、前述したコールセンターでいつも内線の対応をしていると、他部署の人から声を掛けられやすくなることもありました。受電対応に自信が持てるようになると「私の対応を聞かせてあげましょう」くらいの気持ちでいられますよ。

電話の仕事での教訓になったこと

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短大を卒業してすぐに事務員のアルバイトをしていた会社であった失敗は、今でも心に教訓として刻んでいます。

約30年近く前にアルバイトをした会社は学習塾でした。受講コースの切り替えについて毎月締切日があったのですが、締切日を守らない講師がいて、十分に保護者に説明もせず担当生徒の講座を毎月変更したり、増やしたりすることがありました。

お金が絡むことだったので、コースを切り替えるたびに事務員の私が書面とお電話でご連絡をしていたのですが、同じ保護者に3回くらい重なったときに「申し訳ありません」と謝罪したら「あなたの謝罪はまったく誠意が足りない」と叱られてしまったのです。

当時若かったので「すみません」「申し訳ありません」しか謝罪のバリエーションはありませんでした。

それよりも自分の気持ちの中に「なんであの講師がきちんと説明してくれていなかったのか」「私のミスではないのになぜ謝らなくてはならないの」という気持ちがあったのは事実です。そしてその気持ちが声に乗ってきっと相手に伝わってしまったのだろうと思います。

結局、謝罪のお手紙を書いて(その講師に添削してもらい、その後コース変更については講師側が注意することとなり)お気持ちを静めていただくことができました。

そのような経験から、電話対応をするときに気を付けているのは

① 声でも感情を伝えること

② クレームや少しネガティブな要素があった電話を受けたときには、率先して次も受ける。

です。「会社として申し訳ない」「辛い思いをさせている」「ご迷惑をおかけしている」はもちろん「ありがとうございます」「うれしいです」の気持ちも少し大げさに、相手が見えなくても顔の表情に出して会話するようにしています。表情筋が動くことで、声のトーンが変わることがあるからです。

そして自分にとってすこし落ち込むような内容の電話をうけたり、失敗したりしたときこそ、同じような電話をすぐに受けるようにしています。

次にどういう言い回しをしたら失敗しないのか、相手の気持ちを汲み取れるのか、さらにその電話を自分にとってネガティブな思い出で終わらせないようにするために積極的に受けるようにしています。

電話で失敗すると、時間が経つほど電話の対応が怖くなります。

受電や架電が苦手だという人のなかには、一度の失敗で深く傷ついたり、次も失敗するかもと思い込んでいたりするケースもあります。

「次の電話の人はきっといい人」と思いながら受架電の対応をし、次はどんな風に話したらよいか試してみようと思いながらポジティブに対応していくと、いつの間にか上達しているはずです。

偏向に満ちたアドバイスですが、電話対応が苦手と思われている方が少しでも楽になれたらうれしいです。

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