12月4日 プロポーズをこえて【今日のものがたり】
寂しい。そう思いながら私は物語を描いている。主人公が大切な人へ、心からの言葉でプロポーズをする大事なシーン。ここが描きたくてこの物語を考えたと言っても過言ではない。
なのに、今、とても寂しい。彼らの行く末は私の頭のなかでは決まっている。たとえ小さな喜びでも毎日どこかで笑顔になれる、そういう日々が彼らには待っている。幸せになるのだ。
自分で作り上げた物語と登場人物をうらやましいと思うなんて私もどうかしている。でも、描きあげた。誰かに見せるかどうかはまだわからない。寂しさもゼロにはならない。それでも、ほんの少しだけ大丈夫、という気持ちになる。そうやって今日も一日を生きる。
大丈夫と寂しいが私の今日と明日をつないでいる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?