第6球 中継ぎ投手

 皆さま、こんにちは。阪神ストークスの投手・斉藤大樹(さいとう ひろき)です。
 晴野(はるの)からの指名で今回のエッセイは僕が担当します。よろしくお願いします。
 パリーグの内野手である晴野と、セリーグの投手である僕との間にどんなつながりがあるのか。すぐに答えられたとしたら、あなたはかなりの野球通ですね? わからなかった方、選手名鑑という名のあんちょこを見てみましょう……と思ったのですが、そこには高校からしか書いてないことが多いので、わからないかもしれません。
 正解は“小学校が同じ”でした。
 僕も最初は知らなくて、シーズンオフの野球教室でたまたま一緒になったときに、彼から挨拶にきてくれたんです。年齢も10歳近く離れているから同じ小学校といっても、いれ違いなんですよね。それでもこうして、プロ野球という世界で出会えたのは何かの縁だと思うし、うれしいことです。

 晴野とはリーグが違うということもあって、これまで公式戦での対戦は一度もありませんが(オープン戦もないなぁ)、一軍の舞台で対戦する日が楽しみです。それには僕も一軍で投げ続けられるだけの成績を残していかないといけないので、気は抜けません。

 さて、今回のエッセイですが、僕のポジションである“中継ぎ投手”に関する話をしていきたいと思います。

 先発と抑えの間に投げる投手を中継ぎ投手と言います。文字の通りですね。
 昔はスポットライトが当たることの少ないポジションでしたが、今では“最優秀中継ぎ投手”というタイトルもあるくらい、注目してもらえるポジションになってきています。
 それでもまだ、先発で結果を残せなかった投手が中継ぎになると、中継ぎ降格なんて言われたりして、元々そこで投げてる僕たちからすると“降格”ってなんやねん! 訂正しろや! と、まぁ正直怒りを覚えるわけです。

 先発にも抑えにもプライドがあると思います。でも、中継ぎ投手にだってプライドはもちろんあります。中継ぎが抑えるか否かで、勝敗が大きく変わってきますし、やりがいはとてもあるポジションだと僕は思っています。

 今シーズン僕は主に7回の1イニングを投げました。60試合登板して29ホールド、防御率は2.01でした。まずまず、と言いたいところですが、防御率が2点台だったことが悔やまれます。あともう少しだったんですけどね……最終戦で今シーズン初めてホームランを打たれて失点……その節はハラハラさせてすみませんでした。チームは勝てたので大目に見てやってくれると僕が安堵します。

 中継ぎ投手は抑えてもあまりテレビのスポーツニュースなどでは取り上げてもらえず、打たれたときは各局でさらされるという(ホームラン打たれたときはめっちゃテレビに出てたなー)、投げる場面が場面なので、仕方のないことだと思っていますが、他球団の投手であっても、そのシーンを見ると胸が痛くなります。気持ちがすごくよくわかるので。
 でも、ごくたまーに、空振り三振を奪ったときの映像が流れたりして、びっくりすることもあります。今日はそこ採用するんかい! とツッこみつつ、取り上げてもらえるのはやっぱりうれしいから、ニヤニヤしてしまったり。

 僕は左のサイドスローなので、変則ピッチャーとも言われています。球の出所がわかりづらいフォームだと選手名鑑の寸評によく書かれます。わかりづらいというのを武器の一つとして投げているので、この寸評は正しいです。でもそろそろ違う角度からの寸評も読んでみたいなと思っています。四死球が少ないとか、暴投が少ないとか、基本的には良いことを書いてほしいというのが本音です。

 あともう少し、写真写りが良くなりたいですね。毎年、どうもこう、笑顔がひきつっているというか、硬いというか、やわらかい感じに写りたいのですが……カメラに向かって笑顔を作る、というのはプロ7年目ですが、未だに苦手だったりします。知らないうちに撮られてるときのほうが自然な笑顔なことが多いんですよね、僕の場合は……。

 ちなみに、選手名鑑ですが、選手も結構読みます。ベンチに置いてあるんですよ。テレビ中継で、選手が名鑑を読んでいるところが抜かれたりして、それを見たことのあるファンの方もいらっしゃるんじゃないかと思います。

 中継ぎ投手のことについて書く、と言っておきながら、しっちゃかめっちゃかな文章になってしまったような気がします。ピッチングは来季もしっちゃかめっちゃかにならず、ビシッとコーナーついていきますので、ご了承下さい。

 多分、僕のプロフィール欄に登板試合数のことが書かれるんじゃないかと思っているのですが(このプロフィール欄は選手自身ではなく、スタッフさんが考えて書いて下さっています)、来季も投げられるだけ投げていく予定なので、ストークスの試合で僕が投げているのを見たら、今日も元気に投げてるな、とほんの少しでもいいので見届けてくれたらすごくうれしいです。

 それでは、次回のエッセイもどうぞお楽しみに!
 阪神ストークスの投手・斉藤大樹でした。

◇斉藤大樹プロフィール◇
阪神ストークスの投手として、3年連続60試合登板を達成。四死球が少なく、今季の暴投はゼロ。制球力のある貴重な中継ぎ左腕として来季もブルペンの柱としての活躍が期待される。

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