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百合小説[パステルピンクの恋ゴコロ]第1回-Rencontre

 思い続ければ、いつか必ず、夢は叶う。そう信じて、私は今日も小説家を夢見ては現実と向き合っている。

 私、小桃井奈々子は、夜の清掃のバイトをする傍ら、帰宅後や休日は小説をせっせと書いている。バイトを終えた今、自宅へと向かっていた。
電車の中でスマホを手にして開くのは、ワープロアプリ。この中には、私が今まで書いてきた小説のプロットや原稿が、たくさん入っている。
 いつものように開いたアプリのマイページの執筆物一覧から原稿を一作選んでタップ。開かれた執筆画面に向かって、後は続きを書くだけ。浮かぶ情景は、主人公の女子高生が、小さな花を持って、同性の先輩に告白するシーン。
(よし、書けた――!!)
 ある程度書き進めたところで、私はバイトで稼いで買った最新より少し古い機種のタブレット端末を操作し、ネット上の”自分の小説に対する反応”を見る。見ていると――、
(お……?)
 画面上部に”新着メッセージ”の文字列が表示されているのに気付いた。
 タップして詳細を確認してみよう。
 差出人は――、
(えっ!? 運営!? しかもこれって……、書籍化の話ィ!?)
 自分が投稿している小説の掲載先である投稿サイトの運営から、直々に連絡が来たのは、これが初めてだった。しかも、書籍化の話である。すぐに電話して、運営元の出版社へ向かった。


※拙作[パステルピンクの恋心]の表紙画像(カバー画像ともいうのか? 背景画像ともいうのか?)は、designed by Rawpixel.com - Freepik.comより、少々、当方で編集させて頂いて使用しています。

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