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プロローグ

universe seed 「宇宙の種」

そらのたねとは、たくさんの物語が出たり入ったりする箱であって、
それこそ一番深くを、なかを覗き込んだ時になにを見るかは、人それぞれ違うはずだ。


なぜなら、そらのたねは人間の物語で、神様や魔法使いは出てこない。
 どんな困難も解決できるような道具も出てこない。
 しかし、人が創り出すものはなんだって、いつだって、人の助けになり人を癒し人を勇気づけたり、たまには少し傷付けたりしつつも、それを手にした目にしたひとりひとりの「種」の糧になってきた。

 アトリエ愛芽。
 そこに出入りする人はみんな、それぞれの生活を大切に送りながら、それぞれから湧き出でるなにかを「ほんのちょっとだけど…」と、ちょっぴり恥ずかしそうにそっと寄せて行く。
 訪れる人、誰しも、自分が特別、なんて思っていないけれど、自分は唯一であることは気付いている…。 

 憶えていないだけで、みんなが、そう、この物語の頁をめくる、一人ひとりが、大きなひとつの源へ還る。その旅路を、帰路を、瞬間瞬間で交えている。

 あなたの物語もそっと分けて貰えたら、私が頁に綴るから。
 物語もやがては散らばって、カタチを変えて、またいつか、あなたや誰かへ戻って行くのかもしれない。

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