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保育士・アトリエリスタとしての生活を終えました。

わたしは大阪にある小規模(0.1.2歳児)の保育園にて、2019年4月から『保育士 兼 アトリエリスタ』として勤務していました。そしてこの度、2023年3月末をもって退職しました。

理由は、『イラストレーター』として、『こはらなつ』として、より多くの人に“ほっこり”を届けることにもっと力を注ぎたいと思ったからです。( わー!思い切りましたねー!)

ところで『アトリエリスタ』って何…?と思った方がほとんどだと思います。順に説明させてください…!(うまく伝わるといいなぁ)

イタリアの都市、レッジョ・エミリアで生まれた『レッジョ・エミリア・アプローチ』(幼児教育の実践法)。その『レッジョ・エミリア・アプローチ』を取り入れ、子どもの創造力や表現力を育むこと子どもに教えるのではなく、保護者もスタッフも子どもも共に育っていくこと。その姿勢をを大切にしている園が、わたしが勤務していた園になります。

わたしが勤務していた園でいう『アトリエリスタ』とは、保育の現場でこどもたちの活動を保育者と共に展開し、補完し合える関係性を持つアーティスト。子どもと共に学び、表現の楽しみを分かち合う存在です。

また、活動の連続性を保証するための記録(ドキュメンテーション)を作成し、保育者と共に振り返り、次の活動へフィードバックする役割も担っています。活動以外の生活面も子どもたちと一緒に過ごすことで関係性を築き、子どもたちの声に耳を傾けることを大切にしています。

アトリエリスタは子どもたちの感性と近いところがあるなと感じます。アトリエリスタ自身がアーティスト・表現者でもあるという点が関係していそうです。

わたしが大切にしてきたことは、まずは子どもが興味を持ったところに気づいて、同じ視点に立ち、同じように感じようとしてみること。表面的な共感ではなく、中に入り込んで共感する感覚です。

「このポイントをおもしろがっているのか!」「なるほど〜!おもしろいね!」という場面に出会うことが本当におもしろく、散歩先で子どもたちと一緒に靴を履いたまま水場に入ったことも。(深さは5cmくらい)

子どもたちが靴のまま水に入って楽しんでいる様子をみて、わたしもやりたい!と靴を脱ぎ始めようとした時、「自分だけ靴を脱いで入ったら、本当の意味で同じ感覚を共有できないんじゃない?」と自分自身にツッコミが入り、散歩の帰り道に想定される“靴濡れによる不快感”なんてもういいや〜!と靴のまま入水。“靴のまま”でないと感じれなかった最高の楽しさとおもしろさがそこにはありました。子どもたちのおかげです。ありがとう!

靴のまま水に入ったわたし


こういった感じで、“日々子どもたちが出会うあれこれ”に共感したり寄り添っていたわたしでした。

わたしがどんなことをしてきたかについて語る上では、やっぱり写真があった方が分かりやすいかと思うので、園のInstagramにて発信していたものをご紹介したいと思います。

系列園があり、アカウントの管理・発信はアトリエリスタ複数人(各園のアトリエリスタ)で行なっています。わたし発信の投稿が一覧で見ることができるよう、『 #アトリエリスタなっちゃん 』というハッシュタグでまとめています。

画像をタップすると投稿一覧を見ることができます。


▼ 特に印象に残っている投稿 ( 絞り切れなかった… )


Instagramでの発信の他にわたしがアトリエリスタとして、保護者の方に共有をしたこととしては日々の写真での記録や、写真と文章を交えた記録(ドキュメンテーション)。それに加え『アトリエリスタだより』というものを、毎月の園だよりと一緒に配布していました。

▼  配布した『アトリエリスタだより』の一部

アトリエリスタの視点や、実際に園で使っている素材やアイテムの紹介を主にしていました。園の中だけ(保育者間のみ)での共有ではなく、保護者の方に伝えることで、おうちあそびが広がっていくきっかけになればという思いを込めていました。

この『アトリエリスタだより』は、『美育文化ポケット』という、乳幼児から小学生が中心の造形・美術教育雑誌の勤務園(こどもなーと)の連載内に掲載していただきました。季刊誌のため3月、6月、9月、12月発刊されています。

連載名は『こどもなーとの0・1・2歳の素材と遊び』です。

掲載用に構成を考える工程も楽しく、貴重な経験となりました。大学生のころ大学内の図書館にてよく読んでいた雑誌だったので、掲載していただけたことはわたしにとってとても光栄なことでした。

掲載していただいた号は、33号 34号 35号 36号です。Amazonでもお求めいただけます。


いかかでしたでしょうか…?どんなふうに感じていただけたんだろう。

"こはらなつ"として、保育士・アトリエリスタとしてのことを、ここまで詳細にお伝えするのは初めてなので、みなさんのお声を聞いてみたいなぁと思ったりします。

なんでここまで詳細に書いたの?と思った方も多いのではないかなと思います。

詳細につづろうと思った理由。

保育士として、アトリエリスタとして、"なっちゃん"(子どもたち・保育者からそう呼んでもらっていた)として、子どもたちと関わる中で、子どもたちの発見や気づきから、たくさんの学びがありました。

子どもたちの「たのしい!」「おもしろい!」の場面を共にたくさん味わえたこと。今振り返っても、子どもたちのステキな表情がはっきりと浮かび、わたしにとって宝物のような時間です。

イラストレーター"こはらなつ"としてこれまで生み出してきたもの。これには間違いなくこれらの経験がエッセンスとして加わっています。形として目に見えなくても、わたしを構成するもの・これまで経験してきたこと・感じてきたものはわたしの手を伝ってイラストに現れていると思うんです。

「わたしがこんなにもわたしらしくいれて、わたしにとってぴったりだった園。子どもたちと一緒にいろんな"おもしろい"を味わって、子どもたちと共に人として育つことができた園。保育士・アトリエリスタとして関わったこの園をこの度退職しました。」

ぎゅっとまとめるとこんな感じの文章になるわけですが、わたしにとってはこれだけでは全然足りないんです。

これからイラストレーターとして、"こはらなつ"として活動していく中でこの経験を活かしていきたいし、活きていくだろうなと強く感じています。

だからこそ、このタイミングでつづりたかったんです。

最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。

こはらなつ

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