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中年期のメンタルヘルス危機: 回復方法とストレス緩和の自然療法

1.イントロダクション

近年、メンタルヘルスの問題が社会的にも注目されるようになり、人々の生活において重要な位置を占めるようになっています。
厚生労働省は、国民の健康を保持するために、精神疾患を含む5つの疾病に対策を強化しています。この記事では、「人生で最悪なメンタルヘルスに陥る時期」と「その回復方法」について、専門家の研究や実例をもとに解説していきます。
中年期のメンタルヘルス危機や自然とのつながりがもたらす回復効果など、あなたのメンタルヘルスを向上させるための知識やヒントが詰まっています。ぜひ、この記事を通じて自分自身や周りの人々のメンタルヘルスを理解し、健康で充実した人生を送るお手伝いができればと思います。

2.精神疾患とは

精神疾患は、心の状態に関連する病気や障害を指します。ストレスや生活環境の変化、遺伝的要因などが原因となり、感情や思考、行動に影響を与えることがあります。
精神疾患は、対処しないまま放置すると、日常生活や仕事、人間関係に悪影響を及ぼすことがあるため、早期発見と適切な治療が重要です。

2-1. 厚生労働省が定義する精神疾患の種類

厚生労働省によれば、精神疾患は以下の4つのカテゴリーに分類されます。

① うつ病
うつ病は、気分が持続的に沈んでいる状態で、興味喪失、エネルギー低下、集中力の喪失などの症状が現れます。
② パニック障害・不安障害
パニック障害は、突然の恐怖感や心臓の動悸、息切れなどの強い不安感が襲う病気です。不安障害は、過剰な不安や心配が継続し、日常生活に支障をきたす状態です。
③ 適応障害、睡眠障害
適応障害は、ストレス源に対処できないことで、悩みや不安、抑うつ感が持続する状態です。睡眠障害は、不眠や過眠、睡眠の質が低下することで起こる症状です。
④ 依存症
依存症は、薬物やアルコール、ギャンブルなどに対する過剰な依存心が生じ、それらをやめることが困難な状態です。

2-2. メンタルヘルス不調のサインと対策

メンタルヘルス不調のサインには、以下のようなものがあります。

  • 気分の変動が激しい

  • 仕事や家庭での関心喪失

  • 無気力、疲労感が続く

  • 睡眠障害(不眠・過眠)

  • 食欲の変化(過食・食欲不振)

  • 集中力の低下

  • 人間関係への無関心

  • 過剰な心配や不安

  • 悲観的な考え方や自己評価の低さ

  • 身体的な症状(頭痛、胸痛、腹痛など)

これらのサインに気づいた場合、以下の対策が役立ちます。

①セルフケア
自分自身でストレス状況に気づき、リラックス法や適切な休息、適度な運動などでストレスを軽減します。
サポートを求める 家族や友人、職場の同僚に相談し、理解とサポートを求めます。
③専門家の助けを受ける
心療内科や精神科、カウンセリングなどの専門家の助けを受け、適切な治療やカウンセリングを受けます。
④環境を変える
ストレスを引き起こす環境や人間関係から離れ、リフレッシュできる環境へ移動します。
⑤ライフスタイルの改善
バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動、禁煙・減酒など、健康的なライフスタイルを心がけます。

メンタルヘルス不調は、早期発見と適切な対策が重要です。自分自身のサインに気づき、必要に応じて周囲のサポートや専門家の助けを受けることで、メンタルヘルスの回復に寄与できます。

3.人生で最悪なメンタルヘルスに陥る時期

人生の中で、メンタルヘルスが最も危機的な状況になりやすい時期があります。この時期には、さまざまな要因が絡み合って、精神的な問題が生じることが一般的です。

3-1. 中年期のメンタルヘルス危機

中年期(40歳から60歳)は、人生で最悪なメンタルヘルスに陥る時期とされています。この時期は、キャリアや家族に関するプレッシャーやストレスが高まることが一般的であり、それがメンタルヘルスに悪影響を与えることがあります。
さらに、親の介護や子育てなど、世代間の責任も重くのしかかることが多いです。

3-2. 参考文献に基づくエビデンス

いくつかの研究が、中年期におけるメンタルヘルスの危機を示しています。以下の例を紹介します。

①Dawid Gondek 1, David Bann 1, Praveetha Patalay 1 2, Alissa Goodman 1, Eoin McElroy 3, Marcus Richards 2, George B Ploubidis 1 Psychological distress from early adulthood to early old age: evidence from the 1946, 1958 and 1970 British birth cohorts.
この研究では、1946年、1958年、および1970年に生まれたイギリス人を対象に、若年成人期から初老期にかけての心理的苦痛について調査しています。この研究は、様々な年代の人々のメンタルヘルス状態を比較し、年齢と心理的苦痛との関連を明らかにすることを目的としています。

②Stannard S, Berrington A, Alwan N. Associations between birth order with mental wellbeing and psychological distress in midlife: Findings from the 1970 British Cohort Study (BCS70).
この研究では、1970年に生まれたイギリス人を対象に、出生順と中年期のメンタルウェルビーングおよび心理的苦痛との関連について調査しています。この研究の目的は、出生順が中年期の心の健康にどのような影響を与えるかを明らかにしている研究です。

③Scarpato BS, Swardfager W, Eid M, Ploubidis GB, Cogo-Moreira Hによる研究「Disentangling trait, occasion-specific, and accumulated situational effects of psychological distress in adulthood: evidence from the 1958 and 1970 British birth cohorts」
この研究では、1958年および1970年に生まれたイギリス人を対象に、成人期の心理的苦痛に関連する要因を明らかにすることを目的としています。具体的には、性格特性(trait)、特定の機会や状況に関連する要因(occasion-specific)、および蓄積された状況効果(accumulated situational effects)といった要因を区別し、それぞれがどのように心理的苦痛に影響を与えるかを解明しています。
この研究により、成人期のメンタルヘルスに対する様々な要因の相互作用が理解されることで、より効果的な対策やサポートが提案されることが期待されます。

4.メンタルヘルスの回復方法

メンタルヘルスの回復には様々なアプローチがありますが、ここでは自然とのつながりがもたらす効果に焦点を当てます。

4-1. 自然とのつながりがもたらす効果

自然とのつながりは、メンタルヘルスの回復に非常に効果的です。緑豊かな環境や、木々や鳥のさえずりに触れることで、ストレスが軽減されたり、リラックス効果が得られます。
また、自然の中での散歩や運動は、気分をリフレッシュさせ、エンドルフィンの分泌を促進します。これにより、抗うつ効果が期待できます。

4-2. 参考文献に基づく証拠

いくつかの研究が、自然とのつながりがメンタルヘルスに与える効果を示しています。

①Melissa R. Marselle, Diana E. Bowler, Jan Watzema, David Eichenberg, Toralf Kirsten & Aletta Bonnによる研究「Urban street tree biodiversity and antidepressant prescriptions」
この研究では、都市部の街路樹の生物多様性と抗うつ薬処方の関係について調査しています。研究者たちは、街路樹の種類や多様性が住民のメンタルヘルスにどのような影響を与えるかを調査し、生物多様性が高い地域では抗うつ薬の処方が減少することを明らかにしました。この研究結果は、自然環境が人々の心身の健康に重要な役割を果たすことを示唆しています。

②Daniel T. C. Cox, Danielle F. Shanahan, Hannah L. Hudson, Kate E. Plummer, Gavin M. Siriwardena, Richard A. Fuller, Karen Anderson, Steven Hancock, Kevin J. Gastonによる研究「Doses of Neighborhood Nature: The Benefits for Mental Health of Living with Nature」
この研究では、近所の自然環境とメンタルヘルスの関係について調査しています。研究者たちは、住民が自然に触れる機会や量が多いほど、心理的なストレスが軽減されることを発見しました。また、自然環境の質や種類がメンタルヘルスへの影響に違いをもたらすことも明らかになりました。この研究は、自然とのつながりがメンタルヘルスの回復や維持に役立つことを示しています。

5.私の体験談

自衛官として勤務していた時、私は仕事と家庭の両立に苦しみ、メンタル不調寸前の状態に陥りました。当時、自衛隊でもかなりプレッシャーの掛かる部署に配属されており、上司や部下とのコミュニケーションも上手くいかない日々が続いていました。
加えて、忙しかったゆえ、自宅にもほとんど帰れず、併せて家庭では子どもの学校の問題や配偶者とのコミュニケーションギャップが生じ、心身ともに疲弊していました。
毎朝、目覚めるのが困難で、仕事に行くのが億劫に感じるようになりました。また、以前は好きだった趣味にも興味を持てず、友人との交流も少なくなっていました。
睡眠も十分に取れず、疲れが抜けないまま1日が始まり、夜には悩み事で目が冴えるという悪循環に陥っていました。
ある日、上司が私の様子に気づき、話を聞いてくれました。その際、彼は私に適度な休憩やストレス発散の方法を見つけることをアドバイスし、状況を理解しサポートしてくれました。それがきっかけで、私は自分のメンタル状態を見つめ直すようにしました。
上司からのアドバイスを受けて、まず自分のライフスタイルを見直すとともに、毎日の運動不足や睡眠不足がストレスの原因となっていることを理解し、散歩やヨガなど軽い運動を始めました。
また、適度な休憩を取るようにも心掛け、リフレッシュのために積極的に短い休暇を計画しました。
さらに、自然とのつながりを大切にするようも心掛けました。週末には家族や友人と一緒に公園や森林を訪れ、自然の中でリラックスする時間を過ごしました。また、自宅のベランダに観葉植物を置くことで、日常生活の中でも自然と触れ合える環境を整えました。

仕事面では、上司との定期的なコミュニケーションを大切にし、適切なフィードバックやサポートを受けることで、仕事の負担をできるだけ軽減するように努力しました。また、家庭では配偶者や子どもとのコミュニケーションを大切にし、お互いの気持ちを理解し合う努力を重ねました。
これらの取り組みにより、徐々にメンタル不調が改善され、日常生活や仕事に対する前向きな姿勢を取り戻すことが出来ました。
今では自分のメンタルヘルスを大切にし、周りと協力しながらバランスのとれた生活を送ることに注意しております。
この経験を通して、メンタルヘルスの重要性と適切な対策を学ぶことができました。

6.Q&A

6-1. 常にストレスを感じる場合の対処法は?

常にストレスを感じる場合、以下の対処法を試してみてください。

①原因を特定し、解決策を考える
ストレスの原因を明確にし、対策を立てることで解決に向けた一歩を踏み出せます。
②休息を十分に取る
適切な睡眠やリラックスする時間を確保し、心身の疲れを癒しましょう。
③タイムマネジメント
効率的な時間の使い方を心掛け、無理のないスケジュールを立ててストレスを軽減しましょう。
④メンタルヘルス専門家に相談
心療内科やカウンセリングを利用し、専門家の意見を求めましょう。
⑤趣味や運動を楽しむ
自分の好きなことや運動を通してストレス解消に取り組みましょう。

6-2. 自然療法以外におすすめの回復方法は?

自然療法以外の回復方法として、以下の方法がおすすめです。

①瞑想
心を落ち着かせ、リラックスすることでストレスを軽減し、メンタルヘルスを回復させます。
②ヨガやストレッチ
体を動かすことで緊張をほぐし、リラックス効果を得られます。
③カウンセリング
専門家と話すことで、悩みやストレスを共有し、新たな視点や解決策を得られます。
④人間関係の見直し
ストレスの原因となる人間関係を見直し、ポジティブな人々とのつながりを増やしましょう。
⑤アロマセラピー
リラックス効果のある香りを利用し、心身の緊張を和らげましょう。

試行錯誤しながら、自分に合ったストレス解消法や回復方法を見つけることが大切です。効果が感じられない場合は、複数の方法を組み合わせて試すこともおすすめです。

7.まとめ

7-1. 最悪なメンタルヘルス時期の認識と対策

人生で最悪なメンタルヘルスに陥る時期は、中年期が特にリスクが高いとされています。この時期には、職場や家庭での責任が増し、ストレスが蓄積しやすくなります。このような時期を乗り越えるためには、自分の感じるストレスに気づき、適切な対策を講じることが大切です。対策には、自己ケアや周囲からのサポート、適切な休息や趣味を楽しむことなどが含まれます。

7-2. メンタルヘルスの回復方法とその重要性

メンタルヘルスの回復方法には、自然とのつながりを活かしたものや、瞑想、ヨガ、カウンセリング、アロマセラピーなどがあります。これらの方法は、心身の緊張を緩和し、ストレスを軽減する効果が期待できます。メンタルヘルスの回復は、日常生活の質を向上させるだけでなく、仕事や人間関係にもプラスの影響を与えます。自分に合った回復方法を見つけ、継続的に実践することで、メンタルヘルスを維持・向上させることができます。

まとめとして、人生で最悪なメンタルヘルスに陥る時期を認識し、適切な対策を講じることが非常に重要です。自然とのつながりを大切にし、ライフスタイルの改善や周囲とのコミュニケーションを通じて、メンタルヘルスの回復と維持に努めましょう。私たち一人ひとりが、自分自身や周囲の人々のメンタルヘルスに気を配り、共にサポートし合うことで、より健やかで充実した人生を送ることができるのではないでしょうか?

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