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浦和レッズ2023シーズンを雑に振り返るPart1(J1第1節FC東京戦~ACL2022-23FINAL)

割引あり

新年あけましておめでとうございます。
2024シーズンのJリーグ開幕に向けて各クラブが着々と準備を進めています。
私が応援する浦和レッズはスウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンをはじめとする新戦力を獲得し、2度目のJリーグチャンピオンになるべく動いております。
シーズン開幕が楽しみですが、その前に60試合を戦った2023シーズンを振り返り、今シーズンの浦和レッズに求めるものは何かを記していきたいと思います。

2023シーズン開幕前

2021シーズンからチームを指揮していたリカルド・ロドリゲス監督が退任し、新監督にマチェイ・スコルジャを招聘しACL優勝とリーグタイトルに向け2023シーズンはスタートします。
キャスパー・ユンカー、江坂任、松尾佑介などの昨シーズンの中心選手が去ったものの
興梠慎三、荻原拓也がレンタルから復帰、マリウス・ホイブラーテン、髙橋利樹、シーズン開幕直後にはホセ・カンテを獲得するなど随所に実力者を補強しました。

連敗スタートの2023シーズン

迎えたJ1開幕戦はFC東京とのアウェーゲームでした。
注目されたスタメンは以下の通り。
リカルド監督がよく使用した4-2-3-1をスコルジャ監督も選択しました。

結果は0-2で敗戦。
前半は何度か惜しいシーンを作るものの、後半はほぼ見せ場はなく2失点を喫し開幕戦を落とすとしてしました。
新加入のホイブラーテンがいきなりスタメンに入り堂々なパフォーマンスを披露しましたが、攻撃の中心となるブライアン・リンセン、ダヴィド・モーベルグは本調子とは程遠く、単独でチャンスを作ることや彼らを中心に攻撃を組み立てることができませんでした。

続く2節の横浜Fマリノス節も0-2で破れ、開幕から2試合連続で0-2での連敗スタートとなり不安を感じるスタートとなります。
何度か惜しいチャンスを作るものの最後の局面で防がれてしまい、逆に浦和は最後のところで守り切れず、昨シーズンの王者との差を見せつけられる形となってしまいました。
しかし、途中出場の興梠慎三が過去一のコンディションで躍動し多くのチャンスを作りました。
試合後はブーイングも覚悟されましたが、サポーターも悔しい気持ちや怒りをグッとこらえて、選手たちを鼓舞しホーム開幕戦へ気持ちを切り替えます。

逆転勝ちから始まるマチェイレッズの強さ

3節のセレッソ大阪戦は2-1の逆転勝ちで待望の今シーズン初勝利をあげました。
前半に先制点を奪われるも追加点は与えず、後半に一気にギアを上げていく勝ち方となりました。
失点後のコールリーダーの「大丈夫、大丈夫」という声はピッチにいた岩尾憲にも届き、文字通りサポーターと共に勝ち取った試合と言えるでしょう。
誰かのわがままで埼スタのピッチの張り替え工事が間に合わず久しぶり駒場でのリーグ戦でしたがそれすらプラスの方向に持っていきました。

続く、4節ヴィッセル神戸戦は1-0で勝利、5節のアルビレックス新潟節はまたしても駒場で2-1の逆転勝利、6節の柏レイソル節は3-0で快勝と3連勝を飾りました。
前述した後半に一気にギアを上げていく勝ち方は今シーズンのマチェイレッズを象徴する勝ち方となりました。後半から入る安居海渡、荻原拓也の投入がサインとなり縦への速さ、中盤の圧力でゲームをコントロールしていくことに成功しました。
失点しても最少失点で踏みとどまり、後半に修正するスコルジャ監督の確かな手腕も明らかになり、ここからの戦いに自信を持てるチーム状態になってきました。

ルヴァンで見えきた序列

チームはリーグ戦と並行してルヴァンカップを戦っていました。
ACLのFINALまでに戦った4試合は全てドローに終わりました。
ここまでのリーグ戦で出場機会が少なかった選手を起用しつつ、GS突破に最低限の結果を残しました。
ここで見えてきたのが、スコルジャ監督の起用するかしないかのラインです。
考えられるのが「組織に穴をあけないこと」です。
これはプレー強度ということもそうですが、スコルジャ監督の戦術を追行してくれるかどうかも大きく作用していると思います。

強度の面では目の前の相手に簡単に突破されたり、試合終盤までプレーの質が落ちてしまう選手は起用されることが少なくなっていった印象があります。

また、戦術を追行してくれるかどうかに関してはサッカーがチームスポーツな以上、監督が示したゲームプランや約束事などチームが勝つために示したものを見せてくれないと勝てるチームは作ることができません。
それができる能力がない選手、する意思が見られない選手は出場時間が減っていっていたと思います。

逆に序列を上げたのが新加入のホセ・カンテ、関根貴大と2種登録だった早川隼平です。
ホセ・カンテは加入当初は守備に穴をあけることもありましたが、高い身体能力を活かしたボールキープや高いテクニックは大きな存在感を発揮していました。

関根貴大は攻守におけるプレーの強度、戦術理解度を示し、2列目のどこでもこなせるユーティリティ性が評価され一気にレギュラー格へ上り詰めました。デビュー当時は勇猛果敢なドリブラーだった彼がキャリアを重ねるにつれプレーの幅がどんどん増えどんな監督にも重宝されていることは非常に感慨深いです。

早川隼平は直線的にゴールに向かうプレーやキレのあるプレーで後半から投入されるジョーカーとして期待できるプレーをしていました。
4節の湘南戦でゴールを決めたことも評価に大きく関わっていたと思います。

固まってきた陣容、公式戦11試合負けなしでACL FINALへ

リーグ戦の方は7節の名古屋グランパス戦はスコアレスドローに終わります。続く8節の北海道コンサドーレ札幌では4-1の快勝、9節の川崎フロンターレ戦は1-1のドローとなり、公式戦は11試合負けなしでアル・ヒラルとの決勝に臨むことになります。

ルヴァンカップも含めた戦いで定まってきた陣容は以下の通りです。

前半は強度が高く、戦術理解度が高い11人をチョイスし、後半にホセ・カンテ、安居海渡、荻原拓也、早川隼平を投入し一気にゲームを支配する形が浸透してきました。
また、守備時の4-4-2のブロックは組織的かつ非常に強固となってチームの大きな武器となりました。これは大槻毅監督時代から培ってきたゾーンディフェンスが遂に形となりFB本部及び現場の大きな成果と言えるでしょう。
GKの西川周作、CBコンビニのアレクサンダー・ショルツとマリウス・ホイブラーテンがDFの中心ですが、それ以上に私が評価したいのが2列目の関根貴大、小泉佳穂、大久保智明の3人です。関根と大久保の両ワイドは絶えずアップダウンを繰り返す献身的なプレー、小泉は守備時は2トップに1角に入り相手のCBにプレッシャーをかけながら、相手MFへのパスコースを切る非常に重要な役割を果たしていました。この3人のプレーが今後の2列目の選手の基準となったかと思います。
強固な守備ブロックと途中出場で流れを変えられる勢いのある選手を武器に宿敵アル・ヒラルとの決勝へ挑みます。

2019年のリベンジを達成。3度目のアジアチャンピオンへ

ACL FINAL前の最後の公式戦だった川崎フロンターレ戦では試合後のピッチ内でのクールダウン、バスの送り出しを許可していただいた川崎フロンターレの皆様に感謝の想いを胸に1stレグの舞台サウジアラビアへ向かいます。対戦相手のアル・ヒラルは2017年、2019年と共にFINALで対戦経験があり、浦和としては圧倒的な差を見せつけられた2019年のFINALの悔しさが選手、サポーターには強く残っています。

迎えた1stレグ、埼玉スタジアムでのパブリックビューイングも行われたものの大アウェーでの1戦となりました。
その雰囲気の飲まれてしまったのか、前半13分にサイドを突破され先制点を許してしまいます。序盤こそ主導権を奪われてしまいますが、雰囲気にもなれ徐々にチャンスも作れるようになりました。想定内の0-1で前半を折り返し後半に向かいます。53分に大久保の相手DFの裏を狙ったパスはアル・ヒラルの選手に当たりそのままゴール方向へ、ポストに当たったボールを興梠が押し込み同点に追いつきます。その後は互いに惜しいチャンスを作るも得点は生まれずゲームは進みます。86分には岩尾に対するサレム・アルドサリの報復行為をレフェリーは見逃さずレッドカードで退場になり2ndレグは出場停止になります。試合はこのまま終了し大きなアドバンテージを得て2ndレグに埼スタに戻ります。

迎えた5月6日の2ndレグは53,374人の大観衆の中で埼玉スタジアムで行われました。
2019年に生まれてしまった緩い雰囲気を出さないために謎のDJ、ACL運営主導のパフォーマンス対策、最強のビジュアルサポート、ゴール裏の中心の方々がメインスタンドなどに回ってサポートのお願い、南ゴール裏のウルトラス化など万全の準備をし2ndレグが始まります。

開始から多くのチャンスを作ったのはアル・ヒラルでしたが西川周作を中心とした固い守備で決定的な場面は作らせませんでした。
逆に決定機を作ったのは浦和。
興梠がアクロバティックなボレーを放つもバーに直撃してしまいます。
一進一退の攻防が続き前半はスコアレスで折り返します。

ゲームは後半直ぐに動きます。
49分、岩尾の蹴ったFKをホイブラーテンが折り返し、そのボールは最終的にオウンゴールを誘い、浦和がアグリゲートスコアを2-1とします。
後がなくなったヒラルは猛攻を仕掛けますが、浦和の赤い壁の前に決定機は作り出せません。
逆に浦和は伊藤、大久保、安居にそれぞれチャンスが訪れます。
ボールを奪って素早く攻める、相手のDFラインの裏をまず狙う統一された攻撃は魅力的で、ただ耐えるだけだった2019年から成長した姿を見ることができました。
最大のピンチは90分にコンビネーションから抜け出されたオディオン・イガロに決められそうになるも西川がスーパーセーブで防ぎます。
試合はこのまま終了し、浦和レッズが3度目のアジアチャンピオンに輝きました。

2019年のアル・ヒラル戦の敗戦から始まったこの物語はFB本部の設立から始まり、継続的なチーム作りを始め、大槻監督、リカルド監督が根を張り、槙野の劇的ゴールで天皇杯を制し、再びACL への挑戦、そのACL決勝で再び宿敵アル・ヒラルと対戦し、勝利したことで1つの区切りを迎えました。
数々の功労者の積み重ねから獲得した栄冠は非常に価値のあるものとなりました。
しかし、クラブは更なる目標としてJリーグ優勝、クラブワールドカップに向けて動き始めました。

Part2へ続く

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