見出し画像

Jリーグ 2節 浦和レッズVSガンバ大阪

スーパーカップでは王者川崎相手に会心の勝利を見せたものの開幕戦は京都に0-1の敗戦、ミッドウィークは神戸相手に2-2のドローで開幕2試合は1分け1敗でリーグ戦の勝ちがないホームの浦和レッズと開幕戦は鹿島に1-3、ミッドウィークのルヴァン杯でもセレッソ大阪に2-3と公式戦連敗スタートとなったアウェイのガンバ大阪の一戦を振り返ります。

浦和レッズは前節から3人メンバーを変えてご覧の布陣。


明本考浩が前節に退場となったため出場停止。
ストライカーのキャスパー・ユンカーと木原励が出場できないため最前線に江坂任、その下に小泉佳穂を起用。

右のSBには初先発のルーキーの宮本優太が入り、ダブルボランチには岩尾憲と伊藤敦樹の組み合わせになりました。

ガンバ大阪も前節からは3人メンバーを変えご覧の布陣となっています。


こちらも最前線のパトリックが前節に退場となったため出場停止でレアンドロ・ペレイラを起用。
宇佐美貴史と小野瀬康介がシャドーに入る形。
真ん中に三浦弦太、左に昌子源、右に高尾瑠の3バックで守備時にはWBの黒川圭介、柳澤亘が下がり5バックになる戦い方で浦和に挑みます。

攻勢を続けた浦和

前半は完全に浦和ペースで展開されます。
ガンバは前線のレアンドロ・ペレイラ、宇佐美、小野瀬とボールサイドのWB、状況を見てボランチの倉田秋もしくはチュ・セジョンが前に出てくるプレスで浦和のビルドアップを牽制にかかります。

浦和はSBは高い位置を取り、2CBプラス岩尾か伊藤敦樹の3枚を形成しそこに小泉、江坂が落ちてきてガンバのプレスを剥がしにかかります。

また、高い位置を取ったSBと近い位置にいるSHが時よりポジションを変えながら5バックで守るガンバの裏のスペースを狙います。

特に狙い目だったのは前に出てくる倉田とチュ・セジョンの裏のスペースや落ちてきた宇佐美、小野瀬とボランチの間のスペースに江坂や小泉、SHの関根や松崎がフリーで受けて展開する形が多くできていました。

また、倉田やチュ・セジョンが前に出てくるもののDFラインの押し上げが足りず浦和のアタッカーに空いたスペースを利用されることが多く縦パスや楔のボールを浦和は多く入れることができていました。
一度縦に入れそこからサイドに展開しクロスからフィニッシュの展開で2分に松崎、9分には松崎のシュート、こぼれ球に小泉がシュートを放ちますがサイドネット。

20分には岩尾のCKから江坂がフリーでヘディングシュートを放ちますが枠の外へ。

23分にも左サイド深くまで押し込み江坂のクロスから関根がシュートするも黒川がブロック。

34分今度は関根がミドルシュートを放ちますがGK石川慧が見事なセーブ。

ガンバはレアンドロのコンディション不良やパトリックの不在もあり前線で起点を作れずいい形でのフィニッシュはほぼありませんでした。
浦和の素早い攻守の切り替えでルーズボールを拾われてしまい、自分達のペースでボールを握る時間も少なかったです。

いつ点が入ってもおかしくない状況でしたが前半はスコアレスで折り返します。

流石の修正力を見せた片野坂ガンバとそれを逆手に取り長いボールで裏を狙う浦和


後半に入りガンバは後半2枚替えを敢行。
レアンドロ、柳澤を替え、山見大登、石毛秀樹を投入。

ご覧の配置に変更します。

浦和は右SBの大畑歩夢に替えて馬渡和彰を投入しサイドでの起点を増やします。

後半から投入された山見が積極的に浦和のビルドアップのスタート地点へプレスをかけます。
山見は浦和のビルドアップの要である岩尾へのパスコースを消しながらパスコースを限定させる見事な働きを見せ、それに連動して周りの選手もパスコースを消しに行きます。
それにDFラインも高い位置を取りコンパクトな陣形で浦和の選手に自由を与えませんでした。

攻撃面でも山見のアクションに対して宇佐美や石毛が連動する形も見え始め攻撃にも動きが増えてきました。

浦和も機を見て縦に楔のボールを入れますが後ろ向きの選手にパスを入れることが多くもう一度下げてやり直したり、プレスバックにきた選手に奪われることも多くなりました。

それに対し浦和はプレスにくるガンバの選手をおびき出し、長いボールで高い位置を取っているガンバDFラインの裏を関根や松崎が狙います。

65分その流れから関根が倒されて得たFKを馬渡がゴールを狙いますがまたしても石川が見事なセーブ。

山見を起点としたプレスでボールを奪いにいくガンバとその裏を狙う浦和の駆け引きが生まれゲームが面白くなります。


ゲームを大きく変えたレッドカード

一進一退で膠着していたゲームでしたが80分浦和の岩尾が山見に対するファールでこの日2枚目のイエローカードを受け退場。
攻守の要であり、リカルドサッカーのブレインの岩尾の退場により浦和は大打撃を受けます。

その直後の83分
FKの流れから右深くを取った石毛のヒールパスから、山本悠樹、山見と横へ繋ぎ途中出場の福田湧矢がミドルシュート、ブロックしようとした岩波拓也の足にあたりコースが変わってそのままゴールへと向いガンバが先制ゴールを奪います。

数的不利になったことにより、選手が引き出され生まれたスペースを上手く使われる。そこから後手後手回ってしまった浦和の一瞬の隙を突かれる形になりました。

その後は浦和は犬飼智也、柴戸海を投入し修正を図ります。
犬飼は最前線に入りロングボールのターゲット役としての役割を与えられます。
その犬飼が倒されてPK獲得かと思われましたがVARの介入もありFKになりました。

ガンバも素早いプレスからショートカウンターで86分、88分にそれぞれ黒川が決定機を迎えますがGK西川周作のセーブで失点を免れます。

その後も浦和は犬飼の起点としてチャンスを作りますが最後までゴールを奪えずそのまま0-1でガンバの勝利でゲームは終了。

流れを変えたガンバと変えられなかった浦和の差

前半は劣勢だったものの後半の選手交代からしっかり修正を行い、少ないチャンスを物にして勝ち点3をガンバが獲得しました。

また、前半から前にプレスに行き、ボールが移動したらポジションに戻るを繰り返しながらボールを持ったときにはドリブルでボールを運ぶ役割をこなしていた倉田の働きもガンバに流れを引き寄せる大きな働きを見せていました。
数的優位になってから強度を上げるプレスをかけるなど随所に経験を活かす素晴らしい活躍でした。

浦和は前半からチャンスを多く作りながらも修正をしたガンバを崩せず敗戦となりました。
負傷者やコロナウイルス陽性者、出場停止の選手などで思うようなメンバーを揃えられなかった事が影響し途中からメンバーを替えて流れを変えることができませんでした。
また、連戦の疲労が目立つ選手も出てきました。

また、昨シーズンからの課題でもあるいい時間帯でしっかりゴールを決めることがまだ課題として残っています。
いい時間帯だからこそよりアグレッシブにゴールに向かうプレー縦に仕掛けるプレーをもっと見せていく必要もあると思います。

2試合連続で退場者が出ていますが判定自体には何も問題はなく、今節は不用意なロストから岩尾が無理にタックルをしてしまいカードももらう事になってまいました。

上記の事だけではありませんが、不用意なボールロスト、退場が目立ってしまっているのでまだまだチームとして成熟しきっていない印象を受けます。
それもそのはず、ここ2シーズンで獲得した選手はJ2の経験こそあるもののJ1での経験はまだまだ少ない選手が多く、J1での戦いに慣れていないとの見方もできるかと思います。

その面では関根や岩波などJ1での経験があり、浦和の選手としての年数も長い彼らが周りの選手を引っ張っていって欲しいと感じます。

開幕3試合で1分け2敗とリーグ戦で勝利がありませんが、見せているサッカーは決して悪くなくちょっとした運やメンバーが揃わないことが影響して勝利できてないと感じています。
そんな中でスーパーカップのリベンジを狙う川崎フロンターレとのゲームがすぐに控えています。

徐々に選手も戻ってくるでしょうし、王者相手に勝つことができれば勢いに乗ることもできるはず。
難しいゲームが予想されますが、ここからの巻き返しを大いに期待したいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?