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42.195キロの挑戦 #2

1年間の休業を決意したのとほぼ同じ時期に、
フルマラソンに申し込みました。

休業取得を決めるよりももっと前から、
近くで開催されるフルマラソンに出てみたいな、
と思っていたのです。

仕事にキャリアに家庭との両立に、と悩んでいた私は、
何か人生を変えるきっかけがほしくて、
フルマラソンを走れば何か見えるかもしれない、
という気持ちがありました。
富士山はかつて一度登ったことがあったので、
残すはフルマラソンだ!という私のなかでの
謎の想いがありました。

とはいえ、石橋をたたきまくってからしか渡れない私は、
申し込みが始まってもなかなか決断できずに、
会社の懇親会帰りの駅のホームで、ふと勢いこんで、
よし、申し込もう!と思って開いた公式サイト、
なんともう満員で締め切られていました。

その瞬間くやしくてくやしくて。
フルマラソンに参加するなら、
開催時期や開催場所的にここしかない、
と思っていたのに、
申し込み方法がちょっと面倒くさそうだな、とか、
本当にやれるかな、とか考えていたら、
もうチャンスが逃げていました。

ショックでした。

自分の決断力のなさに嫌気がさし、忘れかけていたころ、
登録していたSNSでなんと2次募集のお知らせがきたのです。
一度逃したチャンス、もうくよくよ迷っていないで、
「絶対に申し込む」と心に決めて、
募集開始日時にアラームを鳴らし、速攻申し込みました。

申し込みが完了した瞬間、なんとすがすがしい。
申し込めただけでもう晴れ晴れしい。

そこから私はフルマラソンについて調べ始めました。
練習方法は?服装は?必需品は?

私はそれまで週に3-4回ほどジムで30分走る、
ということは続けていました。
が、フルマラソンを走ったことがある友人から、
「30分走るのとフルマラソンは別物だよ」といわれ、
2か月後に迫った本番に向けて、
急ピッチでトレーニングする必要がありました。

とはいえ、仕事もあるし、子どもたちとの時間もあるし、
練習できる時間はかなり限られています。

とりあえず、10キロ走ってみよう。
走れる。
20キロ走ってみよう。
15キロくらいから無性に太ももあたりが痛くなり、
足が棒になりかけたけど、でも、
なんとか20キロを2回走ることができました。

もう本番まで時間がないので後は5キロを継続でよいか、
と思っていたところ、
ネット上で、30キロは走っておいたほうがよいとの情報が
目に入ってきました。

うーん、30キロまで走ってみるか。
と、本当はよろしくないタイミングだと思いましたが、
本番の1週間と少し前くらいに30キロにチャレンジしました。
25キロあたりで、初めて、もう止まらないと倒れる・・と思いました。
とりあえず水分をとり、チョコレートを食べました。
少し復活したあと、ヨロヨロと歩いているのと変わらないスピードで
30キロを走りきりました。

30キロを走っておいてよかった。
こんなにからだ全体が痛くなって、スタミナもなくなる、
本番は何か対策しないと走り切れないなと思いました。

走りながら考えていました。
マラソンは人生と一緒なんだな、と。

本番は気候もよく、側道の応援、給水・給食もあり、
練習よりも快適に走ることができました。
1キロごとのラップタイムをはかり、
速く走りすぎていたら少しスピードを落とし、
スピードが落ちていたらもう少し頑張り、
スタートからほぼ一定のスピードで42.195キロを
走りきりました。

フルマラソンを走り切って、何か見えたかといわれると、
何も見えはしなかったかもしれません。
でも、やればできるという自信がつきました。

このフルマラソンへの挑戦は、
休業に入る日の前日。
幸先よく休業に入ることができました。