また、いつか、
中学、高校は一貫校だった。
だいすきな友人もいたし、楽しかったこととか大切な思い出はある反面、あまりよくない思い出が多かったのも事実だったので、卒業することはそんなに悲しくなかった。愛しい思い出を抱きしめる気持ちばかりではなかったなと振り返ると思う。
あれから3年。サークルの先輩が、一人、また一人「卒業の儀」であるグループのノートに最後のコメントを残して、グループを退会してゆく。
一人、また一人居なくなってゆく。
某感染症が流行する以前、私は呼ばれたら何でも何処でも行く自称フッ軽であった。なんとなく同期と反りが合わないと感じていたのもあったし、先輩が集まっているときの雰囲気がだいすきだったのでとにかく先輩の居る集まりだとか所謂飲み会だとか、チョロチョロ着いて回った。
「卒業の儀」であるノートを読むとなんやかんやその人との思い出が蘇る。割と一人一人の先輩と向き合って深い話をしたり関わったつもりだったので、ノートを書き残さないような、もう最後は幽霊になってしまって何も言わずに退会していく人との思い出も。
BOXでだらだらと真面目に学部の話をしたりだとか。カードゲームを永遠と続けたりとか。嫌だったことの話とか。雨に濡れた後ピザ頼んで食べたとか。田舎のラーメンをミーティング終わりに食べたりだとか。歌い騒ぎながら河原町を歩いたあの日とか。夜明けの冬の空気は冷たくてどこか張り詰めていながら澄んでいたあの日とか。
あったかい春の空気と一緒に、全部、思い出の箱に。
またいつか、あのときの話ができたら。
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