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家族にはあの時こうしておけばと思いたくないから

母が突然「あんたを普通に産んでたらあんたは苦労せんでもよかったのにと思う時がある」と言い出した。

そういえば昔も言われた。
「そんな体に産んでしまって申し訳ない」
(そんな体は持病や体質、性同一性障害をひっくるめて)

僕の前に1人流産した母。僕が胎内にいる時にかなりのストレスを抱えてしまい、流れてしまうかもしれない不安があったと聞いた。

母体のストレスが原因なんじゃないかと勝手に想像していた母に「原因はわからないんだから」と言い聞かせていた。

「あんたは普通に産まれていたらと思った事ない?」と聞かれ、あるとは答えず「そんな事より今日までひとつも後悔した事ない。どんな時もラッキーやったやろ?(手術の時や特例法ができた時)人生始めるのにベストなタイミングで終われた俺は運がいいんよw
で、自分で好きに店やってきて、家族もいて子育てもできて、運が良すぎるやろ?w」

いまさらシスで産まれてたらなんて考えない。それで悩む時期はとうに過ぎた。今まで積み重ねてきた「こぐま」の自信がそう思わせる。

母は少し自分の体力に自信がなくなってきた。重ねて僕の病状が進んで手術の予定が入りそうだからか少しネガティブになっている。

「ーあとはおかんを看取るまで死なないのが俺の義務やから安心し」

と、不安になっている母にしつこく言って聞かせる。



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