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花束みたいな恋をしたかったマッチングアプリの話。


30歳を過ぎて、彼氏もいなくて、
でも独身を貫く強い意志もなくて。

ああ何とかしなきゃと
コロナ禍でマッチングアプリを
白目剥きながらやっていた時。

そこで出会った人の影響で
出会った映画が今も忘れられません。

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やりとりがスムーズで
コミュニケーションとりやすい男性とは
サクサク話が進むものの、

本来の根暗な私は
そういう人にどうも心を開ききれず。
スピード感に流されながら
気持ちがついていかなくて。

さっさと決着つけようとする男性たちと、
心が動かない自分へのもどかしさで
すっかり疲れていた時に

見つけた同い年のAくん。

細身にメガネの真面目そう〜な
プロフィール写真に対して、
自己紹介の文が
ほどよいユーモアで読みやすくて。

あっさり射抜かれた私。

そう、私は
プロフィールテンプレ男子が大嫌いで、
こういうさりげなくセンスある文書ける人が
大好き。

なんとかしてやりとりしてほしい…!!!

と、一生懸命まず自分のプロフィールを
(極力あちらが興味ひきそうな内容に)
ととのえて。

いいねだけじゃ伝わらないだろう、
30代の私はそれだけでNGなるかも、
と思って
ポイントも使ってメッセージ付きで
いいねを送信。(内容もめちゃ考えた)

その夜、
見事にマッチングの通知が…!!!

部屋で小踊りしましたわ。
久しぶりにアプリで心踊る出会い。


しかしこのAくん。

おそらく女性経験そんなにないタイプで
メッセージのやりとりも
実に、、、

他の男性と比べたら

もう、この人と私

一生会えないんじゃ…

と思うくらいに
恋愛要素1ミリもないやりとりを何日も続け、
会うお誘いが来る気配ゼロ。
でも返信だけはすごく丁寧にくれる。

正直私、自分からごはんに誘うことは
大して抵抗なくて、
そうした方がいいと思う時は
さっさと自分から誘います。

でも…
なんとなく、Aくんの場合は

テンポよく進めるより、
私という人間に「会ってみたい」と
ちゃんと思ってもらえてからじゃないと
ダメだなと思いました。

一体どうやって心開いてもらおう…
と悶々としてたとき、

たまたまメッセージのやりとりで
映画の話になって。

Aくんは映像関係の仕事をしてたから、
それにちなんで私が訊いたんです。
最近観てよかった映画とかある?って。

それでAくんが
すごく熱く教えてくれたのが、
菅田将暉くんと有村架純ちゃんがW主演の

「花束みたいな恋をした」

でした。


実は私、映画館まで行って観るのは
ほぼコメディーで、
笑って泣けてハッピーエンド!
みたいなものしか観たくない
お子様なところあり。

悲しいラストとか、
ふわっと終わられる感じが
どうも苦手で

まさにこの映画も、その気配を感じて
観ようとはしていなかった作品。


………でもでもでもでも


これはもう!

観るしかないだろう!

Aくんとの距離縮めるには!!!

と、休日に
滅多にやらない1人映画館を敢行。

結果、、、

ラスト 大 号 泣 (T_T)


やはり私が好むような
わかりやすいハッピーエンドでは
なかったんだけど、

観終わってすぐ、
ほんとに誰かとこの映画について
語り合いたくなった。

あそこ私はこう思った!
これが泣けた!これが共感した!って。

Aくんがまさに
「この映画は、観終わったあとに
誰かと語りたくなる映画」と
教えてくれてて。

もう熱い気持ちでメッセージ送りましたよ。

そしたらすごく喜んでくれて。

その後、無事にごはんも行きました。


でもね…

結局Aくんと会ったのはそれっきり。
その会ったときに
花恋の話ももちろんしたんだけどさ(;ω;)

予想以上にAくんは緊張しいで、
全然会話がうまく盛り上がらず
(私の力不足もあり)
帰ってお互いお礼の連絡したのを最後に

そのまま2回目以降の話には
進められませんでした。

今思えば、そりゃ初回なんだからと
あちらの堅さも気にせず
長い目で見てまだ続ける努力をする私だったら

また違う未来があったかもしれないけど、

当時の私はほんとに30代として
1分1秒も無駄にしたくない気持ちで
アプリの恋に焦ってた部分もあり。。

その中ですごーく
慎重にちゃんと時間をかけて
仲良くなれたはずのAくんと

いざ会ったら
どうもぎこちない感じにさせてしまった
ショックもでかくて。。

この短い恋の熱が保てませんでした。

元々は、他の男性たちのスピード感に
ついていけない私が
惚れた相手だったのにね。


アプリの恋は本当に、
短期決戦で判断するからむずかしい。
どこまで耐えて、どこまで進めるか。


ただね、

この花恋を観たときの衝撃のおかげで私、

わかりやすいハッピーエンドじゃない映画も
観られるようになったんです。

そういう映画の魅力も知れたから。


だから、他の人と結婚した今も

私はAくんにすごく感謝してるし、
どうか幸せでいてねって思います。


花恋のような恋愛はできなかったけど、

出会ったおかげで得たものがあるところは
どうかこの映画と一緒だったと
言わせてください(笑)

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